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 10月2日、ニュージーランドでWRC世界ラリー選手権の新しいワールドチャンピオンが誕生した。元WRCドライバー、ハリ・ロバンペラの息子で前日に22歳の誕生日を迎えたばかりのカッレ・ロバンペラ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)がその人物だ。

 22歳1日での戴冠は、半世紀の歴史を持つ選手権のなかでも群を抜く早さであり、これまでの最年少記録を5歳更新するニューレコードとなっている。そんな新記録誕生を祝して歴代のヤングWRCチャンピオンをランキング形式で振り返る動画がWRC公式YouTubeチャンネルで公開されている。

2022年WRC第11戦ラリー・ニュージーランドで史上最年少ワールドチャンピオンとなったカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)
2022年WRC第11戦ラリー・ニュージーランドで史上最年少ワールドチャンピオンとなったカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)

 動画内で最初に登場するのは、故リチャード・バーンズだ。イギリス出身の彼は2001年、スバル・インプレッサWRC 2001を駆り21世紀最初のチャンピオンとなった。王座獲得時の年齢は30歳312日。続いて第9位は、ランチア・デルタで活躍したミキ・ビアジオン。1988年から2連覇を果たしたイタリア人は、30歳280日でチャンピオンに輝いている。

 第8位はシリーズ最多チャンピオン記録を持つセバスチャン・ローブだ。初戴冠は2004年で、30歳と220日での達成だった。ここから2012年までの9年間にわたりローブの時代が続く。その翌年の2013年、“第2期セバスチャン時代”の開幕を告げる新王者が誕生。後に8度のチャンピオンとなるセバスチャン・オジエが29歳294日で初戴冠を成し遂げた。

 ランキング6位は、フォード・エスコートRS1800を駆り1981年のチャンピオンとなったアリ・バタネンで、記録は29歳21日だ。第5位にはスバル3人目のワールドチャンピオンとなったペター・ソルベルグが入った。当時の年齢は28歳312日。

 1990年、トヨタ・セリカGT-Four ST165でチャンピオンに輝いたカルロス・サインツは28歳189日で第4位に。3位にはプジョー205 T16/E2で最初の王座を獲得した4冠王者ユハ・カンクネンが入っている。初戴冠は1986年、翌87年はランチア・デルタHF 4WDで連覇を果たした。

 第2位は、27歳109日で王者となった故コリン・マクレー。彼が1995年に打ち立てたこの記録は永く破られることがなかったが先週末、ロバンペラによって27年ぶりに更新されることとなった。そのロバンペラが新しいレコードホルダーとして最後に登場。最年少王者だけでなく、最年少入賞、最年少優勝記録も更新してきた次世代の“フライング・フィン”が今後のWRCを牽引していくことは間違いないはず。その中で生まれるであろう新たな記録にも注目したい。

■Top 10 Youngest Ever WRC Champions

https://youtu.be/18JPKz7Jjtw