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 金曜日、初めてシンガポールを走ったJuju(野田樹潤)は、市街地コースの感想を次のように語った。

「予想していたように、路面のミューが低くて、バンピーでした。それから壁もすごく近くに感じました。コーナーも多くて、すごくテクニカルなコースという印象です」

 しかし、フリー走行は30分しかないにもかかわらず、赤旗が2回も出た影響で、Jujuはトータル8周しか走れないまま、予選に挑むことになった。

「自分から赤旗を出すようなアクシデントを起こさなかっただけでなく、壁に接触するようなミスも犯さずに初日を終えることができたことは良かったです」(Juju/フリー走行後)

Wシリーズ通信第6戦
2022年Wシリーズ第6戦シンガポール Juju(野田樹潤)

 土曜日はさらに難しい状況が待っていた。予選直前に雷雨に見舞われ、初の市街地コースでの予選はウエットコンディションになったからだ。

「普通、雨が降るとコーナーのアウト側から乾いていくのですが、ここは市街地コースなので道路の真ん中が高く、真ん中から乾き出して、コーナーの出口(アウト側)に水溜りがあったりして、それを避けるために、いつもと違うラインで走っていました。市街地コースは初めてなので、そういうところでもいままでの経験が活かせず、1から学んでいました」

 予選は17番手。しかし、下位に沈んだのは、それが理由ではなかった。

「コースインするタイミングが遅すぎたんです。最初は少し様子を見て、それからアタックしようと考えていたんですが、予想していたよりも雨脚が強くなるのが早くて、最初の1、2周でアタックしていたドライバーが上位につける展開となりました。私がコースインした時は、もう雨脚が強くなり出していて、最初にタイムを記録したドライバーたちのタイムを上回ることができませんでした。完全に自分の判断ミスです。ただ、雨脚が強い状態での走行では上位の人たちとそんなにペースが変わらなかったので、その点は収穫です」

 後方からの挽回を期して臨んだレースだったが、Jujuのシンガポールでのレースは、スタート直後に終わった。オーバーテイクポイントの7コーナーで、他車と接触。

「いつものようにロケットスタートが決まって、少しポジションを上げたんですけど、7コーナーで接触しました。序盤なので無理せずに行こうと思っていたのですが、接触した相手も、向こうも向こうで別のレースをしていて、私とは別の相手とぶつかっていて、こっちもこっちで自分のレースをしていたために、走行ラインが重なったというレーシングインシデントだったと思います」

 フロントサスペンションが折れて、ダメージが大きく、レース続行は無理だと判断したJujuは、8コーナーで自らマシンを止め、リタイアした。

「金曜日が8周で、土曜日が5周、そして今日が0周。市街地サーキットをもう少し走りたかったというのが正直ないまの心境です」

 不完全燃焼に終わったシンガポールの一戦を終えたJujuは、一旦帰国。トレーニングを積みながら、アメリカ&メキシコでのレース続行の知らせを待つ。

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17番手から決勝レースをスタートしたJuju