もっと詳しく

 一部チームがF1バジェットキャップ規則に違反したとの報道がなされたことで、FIAの監査結果の発表に注目が集まっている。しかし、FIAは、10月5日に行われる予定だった発表を、10日に延期することを決めた。

 シンガポールGPの週末、バジェットキャップ導入初年度の2021年に上限額を超えたチームが2チームあり、それはレッドブルとアストンマーティンとみられるとの報道がなされた。

 財務規則では、上限額の超過が5%未満は『軽微な違反』、それ以上は『重大な違反』とみなされ、ペナルティの程度が変わってくる。ドイツの『Auto Motor und Sport(AMS)』は、レッドブルは重大な違反、アストンマーティンは軽微な違反を犯している可能性があると伝えた。

 メルセデスとフェラーリは、規則違反を犯したチームには厳罰を科す必要があると主張。レッドブルF1チーム代表クリスチャン・ホーナーは、自分たちは違反を犯していないとして、ライバルたちの発言は名誉棄損であり、法的措置を検討すると発言した。

2022年F1第17戦シンガポールGP レッドブルF1チーム代表クリスチャン・ホーナー
2022年F1第17戦シンガポールGP レッドブルF1チーム代表クリスチャン・ホーナー

 一方で、FIAの公表前に、予算制限違反を犯したチームがあることを知ることは不可能であるとして、FIAから情報が漏れたのではないかと指摘する声もある。

 こういう状況のなかで、FIAの発表に注目が集まっていたが、FIAは5日、監査結果の公表を延期すると発表した。

 FIAが10月5日に発表した声明は以下のとおり。

「FIAは、F1チームの2021年財務関係提出書類の分析終了と、それに伴う財務規則への順守証明書の発行が、10月5日水曜日には行われないことを通知する」

「長く複雑なプロセスである財務関係提出書類の分析は、現在進行中であり、10月10日月曜日に証明書を発行するために完了される予定である。財務規則は全競技者が全会一致で合意したものであり、財務規則導入初年度を通して、競技者はFIAコストキャップ管理局とともに前向きかつ協力的に取り組んできた」

「すでに伝えたように、この件に関して根拠のない憶測や推測が多数持ち上がっているが、FIAは作業が完了するまでは、これ以上情報の提供は行わないことを改めて表明する。FIAはまた、FIAの職員が機密情報を開示したとの指摘も同様に根拠のないものであることを再度表明する」

『軽微な違反』には、財務上のペナルティあるいはスポーツ上の軽いペナルティとして、戒告、ドライバーズあるいはコンストラクターズポイントの減点、リザルトからの除外や出場停止、空力テストの制限、コストキャップの減額といったものが科される可能性がある。『重大な違反』の場合は、スポーツ上の重大なペナルティが科され、ここには上記ペナルティの他に、選手権からの除外なども含まれる。

『Sky Sports』は、シンガポールGPの週末に持ち上がったうわさに反して、規則に違反したチームがあるにしても、軽微な違反にとどまるのではないかと伝えている。