11月11日、WRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン』の競技2日目・デイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立った。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合5番手につけている。
■波乱続きのデイ2
ラリー2日目となる11日(金)は当初、SS2からSS7までの計6SSが予定されていた。しかし、朝から波乱続きとなった11日(金)は実に4本のステージがキャンセルに。このうちSS3とSS7については出走前にステージキャンセルとなった。
SS3のキャンセル理由はSS2の遅延だ。既報のとおり、2日目のオープニングステージでダニ・ソルドが駆るヒョンデi20 Nラリー1から火の手が上がり、マシンが全焼する惨事となった。これにより同ステージの中断が長引いたため、SS2のキャンセル告知を前にSS3の中止が決定した。
一方のSS7は、同じステージで午前中に行われたSS4でクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)のクラッシュによってガードレールが損傷。これの修復が困難であることがステージキャンセルの理由となっている。なお、SS4は“安全上の問題”が発生したため、セッション途中でキャンセルとなった。
そんな波乱続きのラリージャパンで競技2日目の首位に立ったエバンスは、オープニングのSS2で3つ順位を上げ総合3番手に浮上すると、午前のSS4でベストタイムをマークして僚友カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)を逆転。ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と同タイムで首位に並ぶ。
日中のサービスを挟んで迎えた午後のループでも好調を維持したエバンスは、SS5で連続ベストを刻み単独首位に浮上。続くSS6ではロバンペラから0.3秒遅れてステージ2番手となるも、総合では2番手につけるヌービルとの差を前ステージ終了時の1.1秒から3.0秒に拡げてみせた。
デイ2をトップで終えたエバンスは、「タフでとても短く感じた。まだ4ステージしか消化していないけれど、それでも簡単なことじゃない。どのステージも非常に過酷で、それぞれに異なる難しさがあるから、常に何か違うものをクルマに求めてしまうんだ。明日も同じように変化に富んだラリーになるだろう。高速のセクションもあれば、低速でツイスティなセクションもある」と語った。
■勝田貴元は総合5番手でラリーを折り返す
ヌービルはSS4でトップタイムをマークしたが、午後は僅かではあるもののライバルに離される結果に。SS1とSS6のふたつのステージで最速タイムを記録したロバンペラは、チームメイトから5.1秒遅れ、総合3番手につけている。
今戦を最後にヒョンデ陣営を離れるオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)は、トップから13.9秒差の総合4番手。その後方、6.7秒遅れて「フィーリングはどんどん良くなっている」という勝田が総合5番手で続いている。勝田はSS6でステージ4番手タイムを記録した。
総合6番手は、SS4で駆動系トラブルに見舞われたガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)。総合7番手から総合9番手にはWRC2クラスを戦うサミ・パヤリ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)、テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2)、エミル・リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)という3名が並んだ。総合10番手はSS2でタイヤ交換を強いられたセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)だ。トップから2分49秒遅れている8冠王者は、SS6でバリアにヒットし右サイドに損傷を負ったがダメージは最小限にとどめている。