11月11日(金)、WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』の競技2日目が豊田スタジアムのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立った。また、チームメイトのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合3位に順位を上げたが、デイ1で首位に立ったセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合10番手に後退している。
TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから参戦している勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は総合5番手でデイ2を走破した。
12年ぶりのWRC日本ラウンド、競技2日目のデイ2はサービスパークの北東エリアで本格的な山岳ステージがスタートした。戦いの舞台となった豊田市と設楽町の山岳地帯は好天に恵まれ、県道や林道で構成されたターマック(舗装路)ステージはドライコンディションに。気温は早朝に10度を下まわったものの、日中には20度前後まで上昇した。
デイ2のステージの多くは、道幅が狭く非常にツイスティな低速コーナーが連続するセクションと、リズミカルな中高速コーナーが続くセクションの両方を含み、ドライバーにとっては非常にチャレンジングな1日となった。とくに午前のループはダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が車両火災、クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)がクラッシュを喫すなどアクシデントが相次ぎステージキャンセルも計4本に上る波乱の展開となった。
そんななか、前日夕方に行われたSS1で総合6位番手につけたエバンスは、デイ2オープニングのSS2で3番手タイム、ステージの開催がキャンセルされたSS3に続くSS4ではベストタイムを記録し、ティエリー・ヌービルと同タイムで総合首位に浮上する。
さらに、午後のステージでもエバンスの勢いは止まらず。SS5で連続ベストタイム、続くSS6では2番手タイムを刻み、総合2位ヌービルとの差を3秒に拡大すると、デイ2最後のSS7がステージキャンセルとなったため、エバンスはそのまま首位でラリー2日目を終えることとなった
デイ1総合5番手となったロバンペラは、オープニングのSS2と、SS6でベストタイムを記録。総合2番手のヌービルと2.1秒差、首位エバンスとは5.1秒差となる総合3番手に順位を上げ、優勝を狙える位置につけた。
一方、デイ1で首位に立ったオジエはSS2を走行中にタイヤにダメージを負い、ホイール交換作業を行なったため2分半以上タイムを失うことに。この影響で大きく順位を下げ総合10番手でデイ2を終えている。
初の母国開催ラリー出場となる勝田は、ステージ5番手前後のタイムを刻むなど速さと安定性を高いレベルで両立。総合4番手オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)と6.7秒差、首位エバンスと20.6秒差の総合5番手となった。
「残念ながら本来の予定よりも短い1日になってしまったが、それでもドライバーたちにとっては非常にタフな1日だった」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「コーナーの数がとても多く、ステージは曲がりくねっているし、森の奥深くにあるため路面のグリップレベルがつねに変化していた。簡単なコンディションではなかったが、ドライバーもクルマも非常に調子が良く、とても満足できる1日になった」
「残念なことにセブ(セバスチャン・オジエ)は朝のステージでタイムを大きく失ってしまったが、エルフィン(・エバンス)とカッレ(・ロバンペラ)は順位が近く、(勝田)貴元もホームラリーでいい戦いをしている」
「このような僅差の戦いはファンにとってうれしいことだし、タイム差は少なく明日以降も新しいステージが続くため、とても興味深い戦いになると思う」