WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦しているプジョー・トタルエナジーズは、2023年シーズンも、2022年最終戦と同じドライバーラインアップを維持することを明らかにした。一方で彼らが今季投入したル・マン・ハイパーカー『プジョー9X8』に対する見方を「豊かにする」ため、最終戦翌日のルーキーテストには新たなドライバーを起用するという。
既報のとおり、11月13日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催されるWEC恒例の『ルーキーテスト』では、マセラティフォーミュラEに加入したマキシミリアン・ギュンター、FIAワールド・ツーリングカー・カップで2度のチャンピオンに輝き、ステランティスのシミュレータードライバーでもあるヤン・エイラッシャー、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズLMP3チャンピオンのマルタ・ヤコブセンが、プジョー9X8をドライブする予定だ。
フォーミュラE世界チャンピオンのストフェル・ファンドーンも、本来このテストに参加予定だったが、虫垂炎を患ったため欠場することとなった。
ステランティス・モータースポーツディレクターのジャン・マルク・フィノーは、バーレーンで記者団に対し、プジョーは9X8に新鮮な視点をもたらすために新しいドライバーたちを乗せたい、と語った。
「ストフェルとマキシミリアンと、ステランティス・ファミリーから何人かのドライバーがいる」と彼は語った。
「残念ながら、ストフェルは虫垂炎になったため欠場する。これらのドライバーにとっては、クルマを発見する機会でもあるんだ。ヤンは2度のワールドチャンピオンで、すでに我々のシミュレータードライバーのひとりだ」
「また、ヤコブセンはLMP3でかなり速いので、そのようなドライバーをテストして、新鮮な目で情報を交えることは興味深い」
「我々のクルマに対する見方も豊かになるし、彼らにとってもいい機会になる。ウイン・ウインの関係だ」
フィノーは、バンドーンやギュンターといったフォーミュラEドライバーをテストに選ぶことで、プジョーの200kWの電気モーターに対する貴重なフィードバックが得られると示唆した。
「ストフェルを選んだのは、彼がクルマにどうフィードバックしてくれるかを見るためだったんだ」と彼は言う。
「マキシミリアンについても同じようにするつもりだが、マルテは日曜日のテストで最も若いドライバーのひとりになるはずだ 」
プジョーがバーレーンのテストドライバーたちにもっと大きな意図を持っているのか、あるいは別の機会のプライベートセッションで9X8のステアリングを握る時間がさらにあるのかは不明だ。
フィノーはまた、ポール・ディ・レスタ、ジャン・エリック・ベルニュ、ミケル・イェンセン、ロイック・デュバル、グスタボ・メネゼス、ニコ・ミューラーというバーレーンでの6人のレースドライバーが、プジョーにとって初のWECフル参戦となる2023シーズンにも残留することを認めた。
しかし、ジェームス・ロシターがマセラティフォーミュラEチーム代表に就任、チームを離脱したことで、新たなテスト兼リザーブドライバーに対して、道が開かれた状態にある。
「我々は、まだ決定を下していない」とフィノー。
「これから決める。進行中であることは明らかだ。(チーム全体で)6人かもしれないし、7人以上かもしれない。来年の編成はこれから決める」
「複数のリザーブドライバーを採用する可能性もある。何も決まっていない。リザーブの管理方法を整理しなければならない」
フォーミュラE王者のバンドーンがリザーブになる可能性はあるかと聞かれたフィノーは、こう答えた。
「まだ考えていない。ストフェルはアストンマーティンとも関係があるからね」
「まだ途中なんだ。もっと情報を得なければならない」
13日のルーキーテストでは、イェンセンとギュンターが93号車のプジョー9X8をドライブし、エイラッシャー、ヤコブセン、ミューラーが94号車のハンドルを交代で握る予定だ。