ランボルギーニ・スクアドラ・コルセは9月19日、LMDhマシンの最初の技術的詳細を明らかにした。2024年にWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にデビューするプロトタイプマシンは、ツインターボV8エンジンを搭載するとしている。合わせて、リジェのシャシーをベースにしたこの新型プロトタイプの最新レンダリング画像を公開した。
90度のバンク角を持つV8エンジンは、サンタアガタ・ボロニェーゼのモータースポーツ部門で開発される。このパワーユニットは、LMDhの共通ハイブリッドユニットと組み合わされ、最高出力500kW(670ps)を発生する。
今回のV8ツインターボ採用決定は、ウラカンの市販車後継モデルにもハイブリッドユニットを含む同様のパワートレイン構成が採用されるとの噂もあるなかで行われたものだ。
「アウトモビリ・ランボルギーニがロードカーの生産においてハイブリッド化の未来に着手するなか、LMDhは次世代スポーツカーの経験に基づいた特定のエネルギー/パフォーマンスプロジェクトを象徴しており、コル・タウリ(※ランボルギーニのエコロジー移行方針)の企業戦略に完全に合致している」と、ランボルギーニの声明は述べている。
「したがって、スクアドラ・コルセは、ハイブリッド推進によって駆動されるモータースポーツの世界に踏み出すことによって、ランボルギーニのハイブリッド技術への移行に完全に適合することになる」
以前から明らかとなっているように、ランボルギーニLMDhの骨格はリジェ・オートモーティブと共同で設計され、タブはスクアドラ・コルセのGT3およびスーパートロフェオのプラットフォームにおける長年のパートナーであるHPコンポジッツがイタリアで生産する予定だ
HP社は、長年スポーツカーで活躍するジャック・ニコレがオーナーを務めており、リジェ・オートモーティブ社の姉妹会社でもある。
「リジェ・オートモーティブと提携することで、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセは、定評あるシャシー・プロバイダーとともに耐久レースのトップクラスに参入することができる」と声明には記されている。
「さらに、リジェ・オートモーティブの有能で柔軟な構造(スクアドラ・コルセとの間に特定の接点を持つ)が、LMDhプロジェクトにとってこのパートナーシップを論理的に選択させたのだ」
■初年度のIMSA参戦は長距離レースのみか
ランボルギーニは、まだ発表されていないパートナーチームとともにWECのフルシーズンを戦うことを計画している。一方、IMSAのプログラムについては、その最初のシーズンはミシュラン・エンデュランス・カップのレースを中心としたものになりそうだとの見方を示している。
声明の中では「IMSAエンデュランス・カップとWECの双方にデビューする」と記されており、北米では長距離レースを中心に活動することになるようだ。
ランボルギーニ・スクアドラ・コルセのボスであるジョルジョ・サンナは以前、Sportscar365に対し、2024年1月のロレックス・デイトナ24時間でのデビューはあり得ないと示唆しており、(3月の)セブリングがより現実的な可能性と考えられているが、(セブリングでの併催が予想される)WECとウェザーテック選手権の両レースで同時にデビューするかどうかはまだ不明である。
IMSAにおけるランボルギーニの追加参戦レースとしては、ワトキンス・グレン6時間レース、2024年にエンデュランス・カップのラウンドに追加されるインディアナポリス・モータースピードウェイのバトル・オブ・ザ・ブリック、ウェザーテック選手権のシーズン最終戦として伝統のあるプチ・ル・マンなどが考えられる。