10月20日、WRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』のシェイクダウンが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマーク。8冠王者と0.9秒差の2番手に、日本人WRCドライバー勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)がつけた。
GRヤリス勢がワン・ツーを占めたシェイクダウン・セッションは、小雨が降るなか全長4.21kmのターマック(舗装路)ステージで実施された。
オジエと勝田にエルフィン・エバンスと、前戦ニュージーランドでドライバーズタイトル獲得を決めたカッレ・ロバンペラ(ともにトヨタGRヤリス・ラリー1)を加えたトヨタ陣営は、雨で濡れた路面でよりグリップするソフトコンパウンドのピレリ・Pゼロタイヤを選択。その中で百戦錬磨のオジエがタイヤのウエット性能を最大限に活かし、3回目の走行で全体ベストを記録した。
なお、2番手となった勝田も同じく3走目に2分41秒0の自己ベストタイムを記録したが、今大会でラリー1初優勝を狙う前年王者には0.9秒及ばなかった。
今季5回目のパートタイム参戦となっているオジエは、このラリー・スペインへのアプローチについて「とにかく熱心に取り組み、クルマに自信を持って挑む必要がある」と語った。
「明日は僕たちにとって簡単な1日ではないだろう。新しいステージはカットが多いため、何台かが通過した後は厄介かもしれない。この週末は失うものは何もないから、挑戦し続けないといけない」
ライバル陣営が固いタイヤをチョイスしたため、トヨタ勢は一時1-2-3-4体制を築いてみせた。しかし、セッション終盤にソフトタイヤに履きかけたピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)が間に入り3番手に。彼のタイムは2分41秒3で、オジエとは1.2秒差だった。そこから0.2秒遅れてWRC史上最年少王者が4番手に続き、エバンスがトップと1.5秒差の5番手となっている。
ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)はMスポーツの僚友と同様のアプローチをとり、4走目に2分42秒6を記録。これで6番手に入り、この後方にチームメイトのアドリアン・フルモーとクレイグ・ブリーン(ともにフォード・プーマ・ラリー1)が続いた。
9番手はWRC2クラストップにつけたアレハンドロ・カション(シトロエンC3ラリー2)、ヒョンデ勢はハードタイヤの選択が災いしオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)の11番手が最上位という結果に。“地元のヒーロー”ダニ・ソルド、僚友ティエリー・ヌービル(ともにヒョンデi20 Nラリー1)が12、13番手となっている。
■2022年WRC世界ラリー選手権第12戦ラリー・スペイン シェイクダウン結果
Pos. | No. | Driver | Machine | Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | S.オジエ | トヨタGRヤリス・ラリー1 | 2’40.1 |
2 | 18 | 勝田貴元 | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +0.9 |
3 | 7 | P-L.ルーベ | フォード・プーマ・ラリー1 | +1.2 |
4 | 69 | K.ロバンペラ | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +1.4 |
5 | 33 | E.エバンス | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +1.5 |
6 | 44 | G.グリーンスミス | フォード・プーマ・ラリー1 | +2.5 |
7 | 16 | A.フルモー | フォード・プーマ・ラリー1 | +6.0 |
8 | 42 | C.ブリーン | フォード・プーマ・ラリー1 | +10.3 |
9 | 29 | A.カション(WRC2) | シトロエンC3ラリー2 | +12.2 |
11 | 8 | O.タナク | ヒョンデi20 Nラリー1 | +12.8 |
12 | 6 | D.ソルド | ヒョンデi20 Nラリー1 | +13.1 |
13 | 11 | T.ヌービル | ヒョンデi20 Nラリー1 | +13.2 |
15 | 9 | J.セルデリディス | フォード・プーマ・ラリー1 | +15.0 |
※リザルトは編集部集計