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 北海道で行われた2010年以来、12年ぶりの“復活”を果たし11月10~13日に愛知県と岐阜県で開催された『ラリージャパン』を振り返る動画が、WRC世界ラリー選手権の公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@wrc)で公開されている。

 動画のタイトルに『Top 5 Moments』とあるように、このムービーはWRC日本ラウンドが行われた週末において、象徴的な瞬間や出来事をピックアップしたものとなっている。その最初に登場するのは、デイ2のオープニングステージとなったSS2でクルマを壊してしまったカエタン・カエタノビッチのクラッシュシーンだ。

 カエタノビッチはシーズン最終戦となったラリージャパンでWRC2タイトルを争うひとりだったが、旧伊勢神トンネル出口直後の右コーナーを曲がりきれず、シュコダ・ファビア・ラリー2エボの左リヤをウォールに打ち付けてしまう。このアクシデントによって彼は競技2日目にしてリタイアとなり、逆転タイトルの夢は潰えてしまった。

 一方、カエタノビッチのライバルとして今戦に臨んだエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)はWRC2クラス3位/総合9位でラリーを完走し、戦前までランキング1位だったアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)を逆転。第10戦ギリシャで、すでに7戦を戦い終えた前年度王者を7ポイント上回り新チャンピオンとなった。この出来事が動画のふたつめのモーメントとしてラインアップされている。

WRC2チャンピオンとなったエミル・リンドホルム(右)とリータ・ハマライネン(左) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
WRC2チャンピオンとなったエミル・リンドホルム(右)とリータ・ハマライネン(左) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
旧伊勢神トンネル内を走行するカエタン・カエタノビッチのシュコダ・ファビア・ラリー2エボ。この直後にクラッシュを喫しリタイアに。 2022年WRC第13戦ラリージャパン
旧伊勢神トンネル内を走行するカエタン・カエタノビッチのシュコダ・ファビア・ラリー2エボ。この直後にクラッシュを喫しリタイアに。 2022年WRC第13戦ラリージャパン

 3つめの出来事は思わず胸を押さえてしまうアオ光景、SS2でのダニ・ソルド車の炎上シーンだ。幸いにもクルーに怪我はなかったものの、ガス・グリーンスミスがドライブするフォード・プーマ・ラリー1のオンボードカメラで確認された火災の様子、その後撮影された全焼したヒョンデi20 Nラリー1の姿はショッキングなものだった。

 だが、ヒョンデ陣営にとって、ラリージャパン2022は最終的には良い思い出として残ったかもしれない。なぜなら、シーズンの終わりにトヨタのお膝元でワン・ツー・フィニッシュを飾ることができたからだ。これが4つめの出来事。

 優勝したティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は競技2日目からトップ争いに加わると、優勝を争ったトヨタのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)とエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)の相次ぐ脱落によって大量リードを獲得。最後は僚友オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)に1分11秒1の差をつけてシーズン2勝目を飾った。

 最後のモーメントは、地元愛知県出身で今月18日には来季のワークスチーム昇格がアナウンスされた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)の表彰台獲得だ。自身初のWRC母国イベントに臨んだ勝田は、持ち前の安定感のある走りで徐々にポジションを上げていき、最終日となった13日に総合3番手に浮上した。

 最終盤のステージでは雨が降り非常に難しいコンディションとなったなかで、総合4番手につけるセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)の追撃を振り切り見事、総合3位表彰台を獲得してみせた。公開中の動画ではこれらの出来事を映像で楽しむことができる。

総合3位表彰台を獲得した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
総合3位表彰台を獲得した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン

■Top 5 Moments | WRC FORUM8 Rally Japan 2022

https://youtu.be/LnD8PQ0NSfw