10月21日、WRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』の競技初日デイ1のSS1~8が行われ、セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が首位に。総合2番手にカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がつけ、TOYOTA GAZOO Racing WRT勢がワン・ツー体制を築いた。日本人WRCドライバー勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合8番手につけている。
20日(木)に実施されたシェイクダウンに続くセレモニアルスタートで幕を開けた2022年のラリー・スペインは、2021年に続きピュアターマック(舗装路)イベントとして、北東部のリゾート地サロウを拠点に開催される。
4本のステージを各2回走行し、走行距離118.92kmで争われた競技初日は、前日と同様に不安定な空模様となり時折雨が落ちる場面も。そんななかデイ1の序盤で速さを見せたのは第11戦ニュージーランドでWRC史上最年少王者となったロバンペラだった。
22歳の新チャンピオンは、オープニングのSS1に続きSS2でもベストタイムを刻み、僅差ながらティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とオジエを従えてトップに立つ。
しかしSS3では、このステージで最速タイムをマークしたオジエから8.2秒の後れをとり総合3番手に後退してしまう。総合首位に浮上した8冠王者は、午前の最終ステージとなったSS4で一時ヌービルにトップを譲ったものの、午後のループ最初のSS6でふたたびベストタイムをマークしてポジションを奪還。その後、新王者に2連続ベストを許し差を詰められるも、SS8でこの日3度目の最速タイムを記録しギャップを4.8秒に拡げてみせた。
「今日は良い1日だった。ドライビングを楽しむことができたよ。今日はインカットして走るステージが非常に多かったので、7番手の出走順からトップに立てるとは思ってもいなかった」と初日を振りかえったオジエ。
「4.8秒というギャップは決して大きな数字ではないので、明日はさらに頑張らないといけない」
トヨタ勢2台に続いたのは、前年大会の覇者ヌービルだ。彼はSS4でベストタイムをマークして総合首位に浮上したが、午後はペースを保つことができず順位をふたつ落としてしまった。首位オジエとの差は12.5秒だ。
彼のチームメイトであるオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)は7.5秒差の総合4番手に。“地元のヒーロー”ダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)は約30秒遅れて総合5番手となった。両名にとってデイ1は運のない1日となり、タナクはハイブリッドユニットのトラブルに加えてオルタネーターの不具合にも見舞われた。ソルドはSS7で左フロントタイヤをパンクさせタイムを失っている。
総合6番手でラリー初日を終えたエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)もSS7でタイヤにダメージを負ったひとりだ。前日のシェイクダウンで2番手タイムを記録した勝田も同ステージでパンクに見舞われた。
そんなふたりの間に入り総合7番手となったクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)がMスポーツ勢の最上位となり、チームメイトのアドリアン・フルモー以下、ガス・グリーンスミス、ピエール-ルイ・ルーベ(いずれもフォード・プーマ・ラリー1)が総合9番手から11番手に並んでいる。
明日22日(土)のデイ2は、サロウの北東エリアで3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。1日の最後にはサロウの海岸付近で2.15kmの市街地ステージも行われる。SS9~15の合計距離は118.75km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は478.29kmだ。