10月22日、スペイン北東部のサロウを中心に開催されているWRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』は競技2日目に突入。アクシデントによりキャンセルとなったSS11を除く計6本のSSで争われ、前日のデイ1で総合首位に立ったセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がポジションをキープした。日本人WRCドライバー勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合8番手につけている。
ラリー・スペインのデイ2は、サービスパークの北~北東エリアに設定された3本のステージが舞台に。午前と午後のループで各2回走行し、1日の終わりにはサロウの海岸近くで市街地ステージが行われた。
この日の天候は曇りがちながら雨は降らず路面はおおむねドライコンディションとなった。その中で、首位を走るオジエは1日を通して快調な走りを披露。午前中のSS10と、日中のサービス後のSS12、SS13で連続ベストを記録し、その他のステージでもトップ3圏内のタイムを並べ、総合首位の座をきっちりと守ってみせた。
「今日もいい1日だった。スピードがあり、ほとんどのステージで差を広げることができたのでいい気分だし、思い描いていたような展開になっている」と語ったオジエ。
仮に、今季5度目のパートタイム参戦でラリー1初勝利を狙う“8冠王者”がこのまま優勝した場合、TOYOTA GAZOO Racing WRTは最終戦ラリージャパンを待たずにマニュファクチャラーズタイトルを決めることになる。
一方、前日のデイ1でオジエと総合首位の座を争い総合2番手となったカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、この日は前年王者のペースに付いていくことができず。デイ2スタート時の4.8秒というギャップは20秒以上に拡がり、2日目終了時にはその差が22.1秒に。ナイトステージのSS15ではティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に逆転を許し総合3場手に後退している。なお、オジエとヌービルのギャップは20.7秒だ。
総合4番手はトップから36.6秒遅れているオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)。そこからさらに36.6秒後方の総合5番手には、SS14でベストタイムを記録した僚友ダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)がつけている。
トヨタのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、スペイン人ドライバーから14.4秒遅れての6番手に。前日のパンクで遅れた勝田は総合8番手でデイ2を終えた。
Mスポーツ勢は、タイヤマネジメントに苦労したクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)が最上位の総合7番手につけた。チームメイトのアドリアン・フルモーが総合9番手、同10番手にはピエール-ルイ・ルーベ(いずれもフォード・プーマ・ラリー1)が入っている。
一方、ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)は、午前中最後のSS11で右コーナーを曲がりきれず、アウト側のガードレールに激突。幸いにもクルーは両名とも無事だったが車両は自走不可能となりデイリタイアに。また、このクラッシュによって当該ステージがキャンセルとなった。