10月27日、TOYOTA GAZOO Racing WRTは、11月10~13日に開催されるWRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン』でのドライバーラインアップを発表。この中でセバスチャン・オジエのコドライバーが、ベンジャミン・ヴェイラスからヴァンサン・ランデに替わることが確認された。
先週末に行われたラリー・スペインで2022年シーズン初優勝、そしてペアとしても初勝利を果たしたオジエ/ヴェイラス組。ヴェイラスにとっては、昨シーズン限りで引退したジュリアン・イングラシアの後任として“8冠王者”のコドライバーとなって以来、自身初のWRC優勝でもあった。
そんなヴェイラスに代わり最終戦ラリージャパンでは、ランデがオジエのコドライバーを務めることが決定した。オジエとTGR WRTは、将来のコラボレーションを視野に入れ、新進気鋭のコドライバーである彼にチャンスを与えることにしたのだ。
オジエとイングラシアの両名は、ともに8回のワールドチャンピオンとなった経験から若く才能のある選手を育成し、その経験を継承したいと考えている。これはTGRにも共有されている目標だ。彼らは以前からランデを知っており、ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)とともに今季のWRCに参戦した31歳のフランス人がこの分野で成功する資格を持っていると信じている。
「まず初めに、今年のラリープログラムでのベンジャミンのハードワークと献身に感謝したい。スペインでの初勝利は特別な瞬間だった」とヴェイラスへの感謝を述べたオジエ。
「チームは3つのチャンピオンシップを獲得し、シーズンの主な目標を達成した。もちろん、TOYOTA GAZOO Racingのホームラリーである日本で最高の形で終わりたいと思っている。しかし、この最終戦は将来のための準備と、評価の場でもあると考えているんだ」
「才能があり意欲的な若いコドライバーにチャンスを与えたい。ヴァンサンはグラベルクルーとして僕たちと働いてくれている。彼と一緒に最初のラリーに出場し、どのように機能するかを見ることに興奮している」
開幕戦モンテカルロから計5戦を8冠王者と戦ってきたヴェイラスは、「今シーズン、セブと一緒に戦えたことは、僕にとって信じられないような経験だった」とコメント。
「スペインで開催されたWRCで優勝できたことは、僕にとって夢のような出来事だったし、TOYOTA GAZOO Racingの成功の一翼を担えたことを誇りに思っている」
「ラリーの週末に長時間プレッシャーのかかるこの仕事に就くのは簡単なことではなかった。若くて才能のあるコドライバーにチャンスを与えるという決断は、とても理解できるものであり、僕も全面的に支持している。今シーズンのセブとチームの協力に感謝し、日本での幸運を祈っているよ」
ランデは与えられたチャンスについて、「セブとTOYOTA GAZOO Racingチームに加わり、ラリージャパンに参戦できることを大変光栄に思う」と語った。
「セブとジュリアンは、すべてのフランス人ドライバーやコドライバーにとってロールモデル(お手本)のような存在なんだ。ジュリアンは僕のキャリアにおいて多くの手助けをしてくれたし、今年のモンテカルロではセブのグラベルクルーとして一緒に仕事をする機会もあった」
「日本は大きな挑戦で、学ぶこともたくさんあると思うけど、いつもどおりベストを尽くすことに集中し、このチャンスを最大限に生かしたいと思っている」
「最後に、Mスポーツ、ピエール-ルイ・ルーベ、そして彼のスポンサーに今シーズン、ともに良い成績を残すことができたことを感謝したい」