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 鈴鹿サーキットで行われている2022全日本スーパーフォーミュラ選手権の第9戦。逆転でのチャンピオンをかけて2連戦に臨んだサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)だが、予選でQ1敗退となり、決勝も苦しいレース展開を強いられた。

 フェネストラズに、いったい何が起きていたのだろうか?

 金曜専有走行では、1分37秒966で3番手タイムを記録。今週末も予選から上位に食い込んでくるかと思われたが、いざ予選が始まるとペースが上がらず1分37秒650でQ1A組を9番手で終えることに。決勝は17番手スタートと後方に沈んだ。

 決勝も挽回を目指して周回を重ねたが、なかなかペースが上がらず、最終的に16位でフィニッシュ。レース後のフェネストラズは「ひどい1日だった」と振り返った。

「多分、今シーズンの中でワーストな1日だったと思う。こういった問題がシーズン序盤に出ていれば、問題を修正してシーズンを戦っていくことができたけど、チャンピオン争いをしている局面で出てしまうと、とても難しい状況だった」

「予選ではエアロの部分で問題が出てペースを上げられなかった。決勝ではいくぶん改善されたけど、単純にペースが遅かった。まずは、なぜそうなったのか原因をしっかり調べて、明日につなげたい。とにかく今日は本当に難しかった」

 フェネストラズは第6戦富士で大クラッシュ、新しいクルマを作り直して、終盤戦に臨んでいる。もてぎでの第7戦・第8戦では表面化しなかった不具合が、この鈴鹿で出てきたところもあるようで、「もてぎはハイスピードコーナーがほとんどなかったから(問題を)感じなかったけど、(新しいクルマで)鈴鹿を走るのは初めてだから、そこが何か関係したのかもしれない。実際に第3戦のデータと比較してみても、違っていたところが多かった」と、この週末で異変を感じた。

 4号車を担当する村田卓児エンジニアによると、金曜専有走行の段階から異変は起きていたとのこと。「金曜日は風向きが違っていたので、それの影響なのかなと思っていましたが……今のところ原因究明には至っていないです。明日に向けて改善できるように、今作業を進めているところです」と、悩ましい表情をみせていた。

 思わぬ形で、逆転チャンピオンのチャンスを失ってしまったということもあり、レース後のミックスゾーンでは、いつになく肩を落としていたフェネストラズだが、既報の通り、来季からフォーミュラEに参戦する関係で、スーパーフォーミュラでのレースは今季で“ひと区切り”になることが濃厚と見られている。

「スーパーフォーミュラで鈴鹿を走るのは、明日で一区切りとなるだろう。もちろん、これが最後にならないことを望んでいる。正直、スーパーフォーミュラを離れるのは寂しい。僕のお気に入りのカテゴリーだから、この機会を与えてくれたすべての人に感謝しているし、来季からの僕の挑戦にも理解を示してくれて、感謝している。最終戦は、とにかく良い形で終わりたいなと思っている」と、フェネストラズは最終戦でベストを尽くすことを誓っていた。

2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)