ピレリは、F1が今年から18インチタイヤを導入したことと、マリーナ・ベイ・市街地サーキットでは路面の再舗装が行われたことから、チームは今週末のシンガポールで「ほぼ完全に新しいレース」に直面するだろうと述べている。
世界的な新型コロナウイルスの大流行により、シンガポールは2020年と2021年の2年連続でF1の開催中止を余儀なくされた。したがって、F1が前回シンガポールを訪れた2019年から3年が経っている。その年はセバスチャン・ベッテルがフェラーリにおり、最後の勝利を飾った時だが、それからコース自体とF1の双方において変化があった。
シンガポールのコースの3つのセクションでは、F1のパートナーである専門企業のドローモ社によって再舗装が行われた。それに加えてグラウンドエフェクトマシンと18インチタイヤの導入があったということは、前回のセットアップデータはもはや頼りにできないということだ。
「18インチタイヤは3年前のタイヤと比べると、完全に異なるコンパウンドと構造をしている。また、今年はアスファルトが新しくなっているので、まったく新しいレースのようになるだろう」とピレリのレーシングマネージャーであるマリオ・イゾラは主張している。
ピレリは今週末のナイトレースに向け、最もソフト寄りのC3、C4、C5タイヤを選んだ。マリーナ・ベイの典型的なストリートサーキットの特性に合わせた選択だ。
「シンガポールで重要なのは23カ所すべての低速コーナーと、トラクションの最大化だ。スピードとグリップを最大化するために、最もソフト寄りの3つのコンパウンドを選んだが、必要とされる走行ができるようにリヤタイヤを労わることが重要だ」
「最近のマシンはアンダーステアの傾向にあるため、リヤでの加速を妥協せずにフロントエンドを強力にするための適切なセットアップバランスを見つけることはさらに重要になる」
ピレリは週末には高いレベルでコースが改善すると予想している。ひとつにはマリーナ・ベイではそれほど多くのサポートレースが予定されていないので、ラバーを残しやすくなるからだ。レースデーの夜のコース温度は一定ではあるものの、高い湿度は61周のレースの間、ドライバーにとって大きな身体的負荷となり、タイヤデグラデーションにも影響を及ぼすだろう。