【角田裕毅F1第20戦密着】抜群のタイヤマネージメントで入賞を狙える位置を走行も接触。適切な冷却が不可能でリタイアに

 F1第20戦メキシコGPのスタートでソフトタイヤを選択した角田裕毅(アルファタウリ)。トップ3チーム以外でソフトをスタートタイヤに選択したドライバーは、角田を含めて14人中4人だけ。リスクを覚悟で、角田は勝負に出た。その勝負とは、ソフトタイヤのグリップ力を活かして、スタート直後にポジションを上げることだった。

 角田とアルファタウリはこの日のレースが1ストップになる可能性が高いと感じていた。そうなれば、ピットストップを利用した順位変更は簡単ではない。さらに1ストップになれば、各スティントが長くなるため、タイヤのマネージメントが重要になり、オーバーテイクを仕掛けづらくなるからだ。

角田裕毅、アクシデントのダメージでリタイア「リカルドの愚かなミスで、入賞のチャンスを失った」/F1第20戦

 2022年F1メキシコGP決勝で、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅はアクシデントにより50周でリタイアした。13番グリッドから1周目に11番手に上がり、ファーストスティントはそのポジションを維持。タイヤ交換の後、16番手からポジションを上げていき、46周目には11番手を走っていた。しかし後方からソフトタイヤでプッシュしてきたリカルドが、角田をオーバーテイクしようとした際に接触。角田はマシンにダメージを受けてピットインし、そのままリタイアしなければならなかった。

ガスリー予選14番手「初日の好調さを失い、解決法を見つけられなかった」:アルファタウリ/F1第20戦

 2022年F1メキシコGPの土曜予選で、スクーデリア・アルファタウリのピエール・ガスリーは14番手だった。

■ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ)
FP3 15番手(1分20秒330:ソフトタイヤ/24周)
予選 14番手(Q1=12番手1分20秒256:ソフトタイヤ/Q2=14番手1分19秒672:ソフトタイヤ)

【角田裕毅F1第20戦密着】アタックを待つ間にタイヤが冷えてグリップ不足に「ロスを取り返せず、もったいないことをした」

 F1第20戦メキシコGPの金曜日のフリー走行後、角田裕毅(アルファタウリ)は前戦アメリカGPで、1回目のセーフティカー後の再スタート直前に受けた「再スタートの際に(チームメートのピエール・)ガスリーと争うな」というチームオーダーともとれるチームからの指示について、次のように語った。

「メンションはしておきました(ひと言、言っておきました)が、話し合うまでには至っていません。話し合うというか、あれはフランツ(・トスト代表)の指示だったので、チームも何も言えなかったんじゃないですか」

角田裕毅、予選13番手「Q3に進めなくて残念。トラックポジションが良くなかったことがタイムに影響」/F1第20戦

 2022年F1メキシコGPの土曜予選で、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は13番手だった。

 ビークルパフォーマンス担当チーフエンジニアのクラウディオ・バレストリは、予選日を振り返って、次のようにコメントした。

「昨日のFP2は(2023年用の)タイヤテストに当てたので、今日のFP3でここで使用するタイヤのデグラデーションについて理解を深めるために何度か走行を行い、同時に予選に向けてマシンの最適化に取り組んだ。裕毅のマシンは良いパフォーマンスを示していたが、ピエール(・ガスリー)のマシンの方には困難な部分があり、簡単なセッションではなかった」

ガスリー「このコースとは相性がいい。予選でトップ10入りを狙う」:アルファタウリ/F1第20戦金曜

 2022年F1メキシコGPの金曜、スクーデリア・アルファタウリのピエール・ガスリーはフリー走行1=9番手/2=10番手だった。今回のフリー走行2はピレリの2023年用プロトタイプタイヤのテストに当てられ、90分に延長された。

【角田裕毅F1第20戦密着】FP1のトラブルで部品を変更、FP2は「スムーズなセッション」に。来季用タイヤテストも好調

 前戦アメリカGPに続いて、このF1第20戦メキシコGPでも初日の2回目のフリー走行で、ピレリの2023年仕様のタイヤ開発テストが行われ、セッションは通常の60分間から90分に延長されて行われた。

 このタイヤテストはピレリがデータを比較しやすいように、さまざまな条件が加えられている。セットアップの変更が許されていないのはもちろんだが、ピットレーン出口でのスタート練習も許されておらず、さらにDRSの使用も不可となっている。

ローソンがFP1で角田のマシンで走行、トラブル発生もプログラムに影響なし「現実のコースに驚いた」/F1第20戦

 2022年F1メキシコGPの金曜、スクーデリア・アルファタウリのリアム・ローソンは、ヤングドライバーのFP1起用規則に基づいて参加、角田裕毅のマシンを走らせた。

 FP1終盤、ローソンのマシンが白煙を上げてコース脇にストップ、炎が上がった。この時のトラブルについて、チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズは、『圧力低下』がみられたと述べている。チームはマシンを修復し、FP2で無事に角田をコースに送り出した。

角田裕毅、FP2から走行もポジティブな初日に「最初から感触が良く、強力なラップを走れた」/F1第20戦金曜

 2022年F1メキシコGPの金曜、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は、フリー走行1では、ヤングドライバーテスト規則によりリアム・ローソンにマシンを託した。

 今回のフリー走行2はピレリの2023年用プロトタイプタイヤのテストに当てられ、90分に延長、FP1でルーキーにマシンを譲ったドライバーたちのみ、最初の45分間は通常の作業が許された。フリー走行2では通常作業を行ったドライバーがトップ3を占め、角田は2番手タイムをマークした。

角田裕毅「ブレーキに自信を持つにはFP2が重要」終盤3戦でさらなるポイント獲得を目指す/F1第20戦プレビュー

 アルファタウリの角田裕毅は、今週末の2022年F1第20戦メキシコGPに向け、今シーズンの残りの3戦でさらなるポイントを獲得するためにも、メキシコではクリーンな週末を過ごすことが必要だと語った。

 前戦アメリカGPでは、レースの前にレッドブル社の共同創設者で、オーナーでもあるディートリッヒ・マテシッツが亡くなり、角田はマテシッツに少しでも恩返しをしようという思いで走っていたと明かした。そしてその言葉通り角田は9位でフィニッシュし、13戦ぶりとなる入賞を果たした。