F1アメリカGP:ルクレールら4人のPUペナルティでグリッドに変動。フェルスタッペンは2番手 角田は13番手に繰り上がり

 F1第19戦アメリカGP土曜時点で、4人のドライバーがパワーユニット(PU)に新エレメントを投入し、グリッド降格ペナルティを受けることが決まっている。これによって決勝グリッドは予選結果とは大きく異なるものになる。

 金曜の時点でセルジオ・ペレス(レッドブル/予選4番手)と周冠宇(アルファロメオ/予選14番手)がそれぞれシーズン5基目のICEを投入、5グリッド降格されることが決まっていた。土曜になり、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ/予選9番手)は6基目のICE投入により5グリッド降格が決定。さらにシャルル・ルクレール(フェラーリ/予選2番手)は6基目のICEとターボチャージャーが入れられたことで、10位グリッドダウンされることになった。

角田裕毅「Q3に進める速さがなく悔しい」順調に進めてきたはずのセットアップが予選で効果を見せず/F1第19戦

 2022年F1アメリカGPの土曜予選で、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は15番手でQ2敗退となった。Q2最後のアタックラップで1分36秒439を記録したが、このラップはターン9でのトラックリミット違反により抹消、1分37秒147で予選15番手となった。抹消されたタイムは予選13番手に当たるものだった。

 角田は予選中にピットレーン速度違反(10.3km/h超過)を犯し、チームに1000ユーロ(約14万円)の罰金が科された。

【角田裕毅F1第19戦密着】丁寧なメディア対応で見えた成長。2023年は「リーダーシップをとれるようなドライバーに」

 F1シンガポールGP後に新型コロナウイルスに感染したため、筆者は日本GPを欠席した。国際自動車連盟(FIA)の新型コロナのルールにより、陽性になった場合は週末にサーキットに入ることができないため、この『角田裕毅密着』と『レッドブル&HRC密着』の執筆担当はお休みとなった。急きょ代役として担当していただいた吉田知弘さんと柴田久仁夫さんには、この場を借りてお礼を申し上げたい。

 欠席はしたが、じつは日本GPを取材するために鈴鹿には行っていた。またアルファタウリの広報や取材仲間たちが、角田裕毅(アルファタウリ)の音声データを送ってくれたので、日本GPで角田がどんな戦いをしていたのかはその音声データを通して伺い知ることができた。

角田裕毅「マシンは快適。あとはQ3進出のため、まとめ上げるだけ」チームも「期待どおり」とポジティブ/F1第19戦金曜

 2022年F1アメリカGPの金曜、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅はフリー走行1=14番手/2=12番手だった。

 チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズは、一日を次のように振り返った。

「今回FP2ではピレリの(2023年用プロトタイプタイヤの)テストを実施するため、FP1で2セッション分のセットアップ作業とレースに向けたタイヤの理解を進めなければならず、非常に忙しい一日だった」

角田裕毅、COTAのバンピーな路面を警戒「新世代マシンがどう動くのか興味深い」/F1第19戦プレビュー

 アルファタウリの角田裕毅は、今週末の2022年F1第19戦アメリカGPに向け、バンピーな路面のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でF1の新世代マシンがどのような動きを見せるのかということに関心を持っていると語った。

 3年ぶりに開催された日本GPで、F1ドライバーとして初めて鈴鹿を走った角田。大雨の影響を受けたレースで入賞は叶わなかったが、初の母国レースを楽しんだと振り返った。

【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:日本GP】入賞につながらなくても大きな成長が見えた。新チームメイトに負けるな!

 2022年、アルファタウリの角田裕毅は、F1での2シーズン目を戦っている。昨年に続き、エディ・エディントン氏が、グランプリウイークエンドを通して角田の動きをくまなくチェックし、豊富な経験をもとに、彼の成長ぶり、あるいはどこに課題があるのかを忌憚なく指摘する。今回は2022年F1第17戦シンガポールGP、第18戦日本GPについて語ってもらった。

──────────────────

「ラッキーなことが起こるなら、アレックス・アルボンの方に起こればよかったのに」と、今はウイリアムズに関わっている旧友が言った。F1日本GPの数時間後の会話だ。まあ、彼の気持ちも分かる。せっかくアルボンが得意としているレースコンディションになり、大量得点を期待していたのに、アルボンはアクシデントが原因で1周目にリタイアしてしまったのだ。

【動画】自称「神の舌」を持つ角田裕毅が目隠し寿司ネタ当てに挑戦。リカルドシェフも友情出演

 大のグルメとして知られる角田裕毅(アルファタウリ)だが、果たしてその舌は確かなのだろうか。そう疑問に思ったチームとピエール・ガスリーは、角田の味覚をテストすることにしたようだ。

 ガスリーに連れられ、目隠しをした状態でカメラの前にやってきた角田。彼の前には、チームが用意した高級寿司が並んでいる。

【全ドライバー独自採点/F1日本GP】新王者フェルスタッペンがウエットで別次元の速さ。冷静でなかったガスリー

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回は日本GPでの戦いぶりを振り返る。

───────────────────────────

■評価 10/10:難コンディションで驚異的な速さを発揮。勝利でタイトルを決めたフェルスタッペン

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選1番手/決勝1位
エステバン・オコン(アルピーヌ):予選5番手/決勝4位

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の2022年ドライバーズタイトル確定の瞬間は、レギュレーションの解釈の問題でいささか混乱したが、彼自身の日本GPでのパフォーマンスは圧倒的だった。

角田裕毅、F1で3年目を迎える2023年は「チームに一貫したフィードバックを与える」ことを目標に据える

 アルファタウリF1の角田裕毅は、2023年シーズンに向けた課題として、今まで以上にチームにフィードバックをする必要があると語った。

 9月22日、アルファタウリは角田が来季もチームに残留することを発表した。自身にとってF1での3年目となるシーズンが決定したことで勢いに乗りたい角田だが、今季は苦戦が続いている。

アルファタウリ&HRC密着:「初日からタイヤにダメージがあった」状況に応じた細かな変更を施すも、鈴鹿での入賞は叶わず

 タイトル連覇を決めたレッドブル陣営が歓喜に沸く一方で、アルファタウリのスタッフたちはガレージで淡々と撤収作業を行っていた。期待されたF1第18戦日本GPだったが、角田裕毅13位、ピエール・ガスリー18位完走と、いずれも満足のいく結果を出すことはできなかった。

 同じようにウエット路面だった初日フリー走行でも、時おり速さは見せたものの最終的に角田14番手、ガスリーは19番手に終わっていた。さらに好天に恵まれた2日目は、今度は原因不明のブレーキトラブルに見舞われた。それでも角田はなんとかQ2に進めたが、ガスリーは17番手が精一杯だった。