【F1第21戦無線レビュー】「そういうことは二度と頼まないでくれ」無線に応えず、順位の返還を拒否したフェルスタッペン

 2022年F1第21戦ブラジルGP。予選ではケビン・マグヌッセンが自身、そして所属するハースF1チームにとっても初となるポールポジションを獲得し、決勝ではジョージ・ラッセルがキャリア初優勝を飾るなど、新たなヒーローが誕生した週末となった。一方ダブルタイトルを獲得したレッドブルでは、レース終盤に思わぬ問題が発生した。そんなブラジルGPを無線とともに振り返る。

【全ドライバー独自採点/F1第21戦】最速ハミルトンと夢のシナリオを実現したラッセル。フェルスタッペンの子供じみた態度

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回はブラジルGPでの戦いぶりを振り返る。

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■評価 10/10:最速にもかかわらず、不運で勝利をつかめなかったハミルトン

ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選8番手/スプリント3番手/決勝2位

ハースのシートを失ったシューマッハーがコメント「とてもがっかりしているが、F1キャリア継続を諦めていない」

 2022年F1最終戦アブダビGPの後、ハースF1チームを離脱することが決まったミック・シューマッハーがコメントを発表、F1でのキャリアを続けることを諦めないという強い意志を示した。

 アブダビGPを前にした11月17日、ハースは2021年から所属しているシューマッハーとの契約を今季を持って終了し、2023年には後任としてニコ・ヒュルケンベルグを起用することを発表した。

「アロンソと戦うつもりはなかった」オコン、無線のやり取りを説明。意図がうまく伝わっていなかったと語る/F1第21戦

 アルピーヌのエステバン・オコンは、F1第21戦ブラジルGPでの最後のセーフティカーからのリスタートを前に、チームは彼に指示を出す必要はなかったと述べている。オコンは自分より速いチームメイトのフェルナンド・アロンソにどう対処すればいいか分かっていたという。

 オコンはリスタートに備えていた時、8番手につけていた。アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルの後ろだったが、アロンソの前にいたのだ。しかしながら、アロンソはオコンより新しいタイヤで走行していたため、アルピーヌのピットウォールはオコンに対し、アロンソに集中せず、彼が「うまくクリーンに」走れるようにするよう伝えた。

“スーパー・サブ”ヒュルケンベルグ、経験と知識を買われてF1復帰が実現。アブダビテストでハース初走行へ

 ハースF1チームは、2023年にミック・シューマッハーに代わり、ベテランのニコ・ヒュルケンベルグをレースドライバーとして起用することを決定、ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンの経験豊富なドライバーラインアップに大きな期待を寄せている。この数年は“スーパー・サブ”としてF1にスポット参戦してきたヒュルケンベルグは、2019年末以来のレギュラードライバーへの復帰を果たすことになった。

体調不良によるレースへの影響は「何もなかった」とノリス。それでもリタイア直前には悪化したと明かす/F1第21戦

 マクラーレンのランド・ノリスは、F1第21戦ブラジルGPでリタイアせずにすんだとしても、体調不良によってレースをフィニッシュするのに苦しんだだろうと述べている。

 ノリスは先週末のブラジルGPを前に、ひどいウイルス性胃腸炎にかかってしまった。木曜日にはインテルラゴスでのメディア対応を免除され、ノリスはホテルの部屋で休養していた。それでも彼は金曜日に走行可能と判断され、予選では4番手という好位置につけ、土曜日のスプリントを7番手でフィニッシュした。

アロンソとオコンの同士討ちの後、ヘイトコメントが殺到。アルピーヌF1が断固たる措置を取ると警告

 アルピーヌF1チームは、F1ブラジルGPでのスプリントで起きたフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンの同士討ちの後に、多数のヘイトコメントが寄せられたことを受け、行動を起こした。チームは、ソーシャルメディアチャンネルでこうした嫌がらせを行っている人々に対して「行動を起こす」と警告した。

 オコンとアロンソは土曜スプリントのオープニングラップで激しいポジション争いを繰り広げ、その結果、接触が起きてしまった。ターン4で行き場をなくしてコース外にはみ出したアロンソは、スライドして、すぐ横を走るオコンに接触。そのすぐ後にスタート/フィニッシュラインでアロンソは前を走るオコンを抜こうとしてヒットし、フロントウイングを壊した。アロンソはウイング交換のためにピットストップをしなければならず後退、オコンは徐々にペースが落ちていった。

マクラーレンF1、アブダビGP用スペシャルカラーのMCL36を発表。アーティスト支援キャンペーンの一環

 マクラーレン・レーシングは、2022年F1第22戦アブダビGPで、スペシャルカラーをまとったMCL36を走らせることを発表した。オフィシャルパートナーであるBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)の電子たばこブランド『Vuse』とのコラボレーションによるものだ。

 Vuseは『Driven by Change』キャンペーンとして、ふさわしい認知度を得ていない新進気鋭のクリエーターを支援する取り組みを行い、マクラーレンの協力を得て、モータースポーツを通じて、彼らが作品を披露する場を提供している。

アルファタウリF1の2023年エースは角田裕毅かデ・フリースか。トスト代表は明言を避ける

 アルファタウリF1のフランツ・トスト代表は、角田裕毅とニック・デ・フリースのどちらが来季2023年シーズンのリーダーになるかは、まだわからないと語った。

 ピエール・ガスリーのアルピーヌ移籍により、アルファタウリは角田とルーキーのデ・フリースのコンビで来シーズンを戦うことになった。