9月30日、同日に開催されたWRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・ニュージーランドのデイ2を総合首位で終えたオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)と、チームメイトのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)にタイムペナルティが科せられた。これにより土曜日のデイ3を前に、ラリーリーダーがTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)に替わっている。
ヒョンデ・シェル・モビスWRTの“ダブルエース”は、ともに同じ違反行為によって5秒加算ペナルティを受けた。30日(金)夜遅くに行われたスチュワードの公聴会で、両者のマシンが前日29日(木)に実施されたSS1において、ハイブリッドブーストの使用時に放出されたエネルギーが当該ステージで許容される最大値240kJをわずかに超えていたことが確認された。
測定された数値はヌービル車が243.83kJ、2度の違反があったタナク車は241.03kJと242.04kJだった。
公聴会に出席したチーム副代表のジュリアン・モンセと、チームマネージャーのパブロ・マルコスは、いずれもこの測定値を受け入れた。そして、9月21日に発行されたブルテンNo.2においてSS1でのハイブリッドブーストの最大値が変更されたこと知らなかったエンジニアのひとりが間違いを犯したことを認め、人為的なミスによって発生した違反について謝罪している。
スチュワードはこの違反について、パフォーマンス上のアドバンテージは無視できるレベルであると判断した。しかし、既定値を超えていたことは事実であり、つねにコンプライアンスを確保することがが競技者の責任であることから、タナクとヌービルの両名にそれぞれ5秒のタイムペナルティを科すことを決定した。
前述のとおり、これによりデイ2を首位で終えたタナクは順位をひとつ落とし0.2秒のリードから一転、新ラリーリーダーとなったエバンスを4.8秒差で追う立場となった。一方、ヌービルのポジションは総合6番手から変わらないものの、首位とのタイム差は50.4秒となっている。