2022年F1シンガポールGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは9位、ジョージ・ラッセルは14位に終わった。
3番グリッドのハミルトンはスタート直後にカルロス・サインツ(フェラーリ)に押し出されるような形になり、4番手にポジションを落とすとともに、コース外の水たまりを通ったことでタイヤの温度を失った。さらにレース前半はDRSが使えなかったために、サインツよりペースが良いと感じながらも、オーバーテイクすることができなかった。
マシンバランスにも苦しみ、フロントタイヤが厳しくなっていたことで、ターン7でロックアップしてコースオフ、バリアにヒットしてフロントウイングにダメージを負った。ノーズ交換が必要となったためピットイン、しかし他の多数のマシンはセーフティカー出動時にタイヤ交換を行うことができたため、ハミルトンは9番手に落ちてしまった。
レース終盤、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に挟まれる形で走りながら、ベッテルを抜こうとしてワイドになり、ポジションを落とし、9位フィニッシュという結果に終わった。
ラッセルは、新たな信頼性の問題が見つかったとして、チームが決勝前にパワーユニットの新エレメントを投入、ピットレーンからのスタートとなった。
早い段階でスリックに交換するというギャンブルをし、最初は大幅にタイムをロスしたものの、その後、ペースが上がり、ポイント圏内を狙えるかと思われた。しかしミック・シューマッハー(ハース)との間で接触が起きたことでタイヤがパンクし、ピットインせざるを得ず、ポジションを落とした。
トラックサイド・エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンは「忘れてしまいたいレースになったが、鈴鹿までの数日で態勢を立て直し、次戦では全体的にもっと優れたパフォーマンスを発揮したい」と述べている。
■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム)
決勝=9位
3番グリッド/タイヤ:インターミディエイト→ミディアム
今回の週末はとても良い形でスタートしたけれど、最終的に本当に残念な結果に終わった。どんなに頑張っても、オーバーテイクすることが不可能だったんだ。
今日は誰が最初にスリックを履くかが大きな問題で、カルロスとのバトルにおいてそれを考えていこうとしていた。でも、僕がターン7入口でロックアップしたことで、ウインドウから外れてしまったんだ。心が少し沈んでいるが、また立ち上がって頑張るよ。
チームの皆に謝罪する。もっと多くのポイントを獲得することができなくて残念だ。でも僕たちは生きているなかで学び、そして挽回する。今週末の出来事から再分析すべきことはたくさんある。次の鈴鹿が楽しみだよ。
■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム)
決勝=14位
ピットレーンスタート/タイヤ:インターミディエイト→ミディアム→ミディアム→ソフト→ソフト
ファステストラップを記録(1分46秒458)
今日はリスクを取って早々にスリックに交換した。セーフティカーでそれが報われるかと思ったが、ミックとの間でインシデントが起きた。今の段階では何が起こったのか分からないから、これから見返してみる必要がある。
ノーポイントに終わり、がっかりしている。でもFP3で経験したブレーキの問題は解決したので、また自信を持って走れるようになった。僕たちのマシンがどれだけ速いかを示すことができ、大きく前進したから、チームを誇りに思っている。今日の経験から、このマシンの競争力は高いという大きな自信と楽観的な考えを得ることができた。
ポイント圏外を走っていたけれど、楽しいレースだったよ。僕はシンガポールのチャレンジングなコンディションが好きなんだ。とはいえ、もっと上位でフィニッシュしたいけどね。
鈴鹿に向けてたくさんやるべきことがある。でも今日、マシンのポテンシャルを感じることができたのは、ポジティブだったよ。