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 TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパ(TGR-E)の副会長を務めている中嶋一貴が、10月7~8日にドイツのニュルブルクリンクで開催されるニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)第7戦、第54回ツェボターム・ADAC・バルバロッサ杯のSP3クラスに、TOYOTA GAZOO Racingジャーマニー・パワード・バイ・リングレーシングからエントリーする284号車トヨタGT86(日本名トヨタ86)から参戦することになった。

 元F1ドライバーであり、三度のル・マン24時間総合ウイナーである一貴は、TGR-E副会長としてWEC世界耐久選手権やWRC世界ラリー選手権に参戦するチームを統括する立場だが、ひさびさに一貴のドライブが、しかもニュルで観られることになりそうだ。今回の参戦については、ニュルブルクリンク24時間レースへ参戦するための専用ライセンスを取得するのが目的と思われ、長年トヨタ/レクサス車でニュルでレース活動を行っているリング・レーシングに所属するハイコ・テンゲスと組み、一貴にとってのノルドシュライフェ(北コース)での初のレース参戦となる。

 ニュルブルクリンクでは長年に渡ってさまざまな事故が起きてきたが、そのなかでドライバーのモラルや技術の向上、安全の強化を目的としてノルドシュライフェのライセンス制度が設けられている。一貴のようにF1を経験しているプラチナカテゴリーのドライバーであっても、事前に座学と実践の講習会を受講し、合格しなければならず、ニュル24時間に参戦するためには、事前にNLSや予選レースに参戦し、規定回数などをクリアする必要がある。

 すでに地元のドイツメディアではル・マン24時間総合ウイナーである一貴の登場に話題が集まっているが、現時点では、TOYOTA GAZOO Racingから一貴の参戦等についてのアナウンスはされていない。ニュルのライセンスを取得するからには将来的にニュル24時間レースへの参戦に期待したいところだが、本人の意向も気になるところ。こちらは近日掲載予定のインタビューでも語られるのでお見逃しなく。

 今回のNLS7では、2023年デビュー予定の新型ポルシェ911 GT3 Rがレースの実戦テストとして、マンタイ・レーシングからカーナンバー911をつけ、SP-Xクラスにエントリーしている。ドライバーはフレデリック・マコウィッキと、ポルシェ契約ドライバーのジュリアン・アンドロワーというベテランと若手のフランス人コンビで、ニュルデビューを飾る予定だ。

 10月8日に行われるNLS7は予選が日本時間14時30分~17時(現地時間7時30分~10時)、決勝が日本時間19時~23時(現地時間12~16時)に行われる予定となっており、レースの模様はNLSの公式Youtubeチャンネルでも視聴可能だ。

2023年型ポルシェ911 GT3 R(タイプ992)
2023年型ポルシェ911 GT3 R(タイプ992)