10月8日、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ・パワード・バイ・ピレリの一戦となるインディアナポリス8時間レースがアメリカ・インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われ、クラフト・バンブー・レーシングの77号車メルセデスAMG GT3(ダニエル・モラド/ダニエル・ジュンカデラ/ラフェエル・マルチェッロ)が、AFコルセの71号車フェラーリ488 GT3 Evoを抑え、優勝を飾った。
77号車のマルチェッロは、終盤に繰り広げられた71号車との接近戦を制し、フェラーリを駆るアントニオ・フォコに対して0.8秒の差でフィニッシュラインに逃げ切った。これによりメルセデスAMGは、最終戦を前にIGTCのマニュファクチャラーズタイトルを決めている。
2022年のIGTCは5月のバサースト12時間、7月のスパ24時間に続き、このインディアナポリス8時間レースが第3戦。シリーズ第4戦は当初予定のキャラミからUAEのヤス・マリーナ・サーキットで行われるガルフ12時間レースへと変更されており、12月にフィナーレを迎えることとなっている。
また、IGTCのインディアナポリス戦はファナテックGTワールドチャレンジ・アメリカ・パワード・バイ・AWSの最終第13戦を兼ねており、双方のシリーズにエントリーする車両により8時間の決勝が争われた。
18番グリッドからスタートした71号車フェラーリのダニエル・セラは、最初のスティントで2番手にまで順位を上げると、セラからマシンを引き継いだユリス・ド・ポーはピット作業後にトップへと浮上する。
しかし、4時間目にチームメイトの51号車フェラーリをスピンさせたとしてドライブスルー・ペナルティを受けると、ド・ポーはリードを失い、代わって77号車のジュンカデラがレースをコントロールすることとなった。
71号車のペナルティによりそれぞれ別々の戦略をとっていた2台だが、2回目のイエローで2台は対等な立場へと戻った。マルシェッロは終盤、フェラーリに追いつかれ、レース終了間際にはプロアマクラスのトラフィックのなかでフォコからアタックを受ける形となったが、なんとかトップチェッカーを受けた。
この結果、香港をベースとするクラフト・バンブーはIGTCでの初勝利を飾り、ジュンカデラはドライバー選手権のリードを、総合4位でフィニッシュしたジュール・グーノン(ウインワード・レーシング)から奪うこととなった。
「最後のスティントでは、クルマとかなり格闘した」とマルチェッロはレース後に語っている。
「最後のスティントに入るまでは、アントニオよりずっと速かったんだ。最終スティントは、ファステストラップを記録するほど好調なスタートを切ったけど、その後、右側のタイヤに大きなピックアップが発生してしまった」
「2周か3周できれいになったが、トラフィックに戻るとまたピックアップしてしまい、かなり苦労した」
「最後は(暗闇のなかで)バックミラーにはライトしか映っていなかったから、何も見えなかったんだよ」
「最後は簡単ではなかったけど、アントニオとは10年以上の付き合いだから、僕らの間にはリスペクトがあった。本当にうれしいよ」
ターナー・モータースポーツの96号車BMW M4 GT3(ロビー・フォーリー/マイケル・ディナン・ジョン・エドワーズ)は総合3位でフィニッシュし、同時開催のGTWCアメリカでの優勝を決めている。
GTWCアメリカ・プロクラスのチャンピオン、K-PAXレーシングは、レース5時間目にマルコ・マペッリの1号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoがパンクし、最終コーナーで高速クラッシュ。最初のイエローの原因となってしまうという、忘れ去りたいレースとなってしまった。
同チームの3号車ランボルギーニは、度々遅れをとり、5ラップおくれの総合11位でフィニッシュしている。
プロ・アマクラスでは、GTWCアメリカエントリーの94号車ビマー・ワールドの94号車BMW M4 GT3(ビル・オーバーレン/リチャード・ハイスタンド/チャンドラー・ハル)が総合6位でフィニッシュし、クラス優勝を果たしている。
クラス2位でフィニッシュしたサン・エナジー1のケニー・ハブルとマーティン・コラッドは、IGTCプロアマ・チャレンジのタイトルを確定させている。
2022年のIGTC最終戦となるガルフ12時間レースは、12月11日にUAEのヤス・マリーナ・サーキットで開催される。