「グッドスマイルの1勝は素晴らしい」メルセデスAMG首脳に聞く2022年総括と次期GT3車両、そしてル・マン参戦

 11月19〜20日に行われたマカオGTカップでは予選レース、メインレースともにメルセデスAMG GT3が優勝するなど、世界のGT3レースシーンで常にトップを走り続け、数多くの勝利を挙げるメルセデスAMG。現行GT3車両であるメルセデスAMG GT3 Evoのホモロゲーション期限も迫るなか、2024年にはWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間がGT3車両に対して門戸を開くタイミングを迎える。

 そんなメルセデスAMGを取り巻く環境のいまと将来について、カスタマーレーシングを率いるシュテファン・ヴェンデル代表に聞いた。

■日本人のワークスドライバー誕生も願う

最終戦も大荒れのサバイバル。シェルドン・ファン・デル・リンデが初タイトルへ逃げ切る/DTMホッケンハイム

 10月7〜9日、ドイツのホッケンハイムでDTMドイツ・ツーリングカー選手権の2022年最終戦となる第8ラウンドが行われ、大きなアクシデントによる赤旗中断のあった土曜日のレース1ではルーカス・アウアー(メルセデスAMG・チーム・ウィンワード/メルセデスAMG GT3)が、日曜日のレース2ではマルコ・ウィットマン(ワーケンホルスト・モータースポーツ/BMW M4 GT3)がそれぞれ勝利を飾った。

 タイトル争いでは、このラウンドにランキング首位で臨んだシェルドン・ファン・デル・リンデ(シューベルト・モータースポーツ/BMW M4 GT3)が2レースとも表彰台に登壇し、悲願の初チャンピオンに輝いた。

■シューマッハーとプライニングを引き金とした戦慄の大クラッシュ

IGTC第3戦インディアナポリス8時間はクラフト・バンブーのメルセデスAMG GT3が0.8秒差で勝利

 10月8日、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ・パワード・バイ・ピレリの一戦となるインディアナポリス8時間レースがアメリカ・インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われ、クラフト・バンブー・レーシングの77号車メルセデスAMG GT3(ダニエル・モラド/ダニエル・ジュンカデラ/ラフェエル・マルチェッロ)が、AFコルセの71号車フェラーリ488 GT3 Evoを抑え、優勝を飾った。

 77号車のマルチェッロは、終盤に繰り広げられた71号車との接近戦を制し、フェラーリを駆るアントニオ・フォコに対して0.8秒の差でフィニッシュラインに逃げ切った。これによりメルセデスAMGは、最終戦を前にIGTCのマニュファクチャラーズタイトルを決めている。

フォコ追い上げ及ばず、ASPトリオが耐久王に。優勝はダナイミック・ポルシェ/GTWCヨーロッパ最終戦

 10月2日、スペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)最終戦が行われ、ダイナミック・モータースポーツの54号車ポルシェ911 GT3 R(クラウス・バクラー/アレッシオ・ピカリエッロ/マッテオ・カイローリ組)が予選3番手から逆転勝利を飾った。

 チャンピオンシップ争いにおいては、ランキング1位でエンデュランスカップの最終第5ラウンドとなった同イベントに臨み、3時間レースの末に総合5位となった88号車メルセデスAMG GT3(アコーディスASPチーム)のラファエル・マルチェッロ/ダニエル・ジュンカデラ/ジュール・グーノン組が、2022年のエンディランスカップでドライバー、チームのダブルタイトルを獲得している。

フォコ追い上げ及ばず、ASPトリオが耐久王に。優勝はダナイミック・ポルシェ/GTWCヨーロッパ最終戦

 10月2日、スペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)最終戦が行われ、ダイナミック・モータースポーツの54号車ポルシェ911 GT3 R(クラウス・バクラー/アレッシオ・ピカリエッロ/マッテオ・カイローリ組)が予選3番手から逆転勝利を飾った。

 チャンピオンシップ争いにおいては、ランキング1位でエンデュランスカップの最終第5ラウンドとなった同イベントに臨み、3時間レースの末に総合5位となった88号車メルセデスAMG GT3(アコーディスASPチーム)のラファエル・マルチェッロ/ダニエル・ジュンカデラ/ジュール・グーノン組が、2022年のエンディランスカップでドライバー、チームのダブルタイトルを獲得している。

WRTペアがスプリントカップ3連覇。雨のレース2では劇的な逆転勝利も/GTWCヨーロッパ第9戦

 9月17~18日、バレンシア・サーキットでファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第9戦が行われ、土曜のレース1はシルバーカップエントリーの53号車フェラーリ488 GT3エボ(AFコルセ)を駆るユリース・ド・ポー/ピエール-アレクサンドル・ジョン組がポール・トゥ・ウインで今季2勝目をマーク。ウエットレースとなった日曜のレース2は、前日にスプリントカップ3連覇を決めた32号車アウディR8 LMSエボII(チームWRT)のシャルル・ウィーツ/ドリス・ファントール組が、ファイナルラップでトップを奪う逆転劇で今季最後の60分スプリントを締めくくってみせた。

 年間5戦で争われるスプリントカップ最終戦の舞台は、スペインのバレンシア。土日の2日間で天候が様変わりした週末最初のレースは、第6戦ミサノでシルバーカップクラスのスプリントカップ王者を決めたAFコルセのペアが速さをみせた。