11月11日(金)、WRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン』の競技2日目が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立った。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合5番手につけている。前日のSS1から今朝のSS4にかけて、4ステージ連続で競技がキャンセルされる異例の展開となったデイ2を戦った選手たちのコメントが、各陣営から発表されている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合6番手
「人生最悪のステージだった。ステージ中ずっと様子を見ながら走行していた。明日もこのような状態なら意味がないので、今日も遅くまで作業が必要になりそうだ」
※SS6後インタビューコメントより
■ヒョンデ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合2番手
「予想より短い日になったけれど、それでも厳しいチャレンジだった。ドライバーもコドライバーも多くの労力をつぎ込む必要があった。僕たちは今日1日をかなりうまくやり遂げたと思うよ」
「道路の性質から多少のアップダウンがあり、コンディションの変化もあった。まったく新しいラリーに挑むのは難しいものだ。ゼロから始めなければならないし、さまざまなオプションやセッティングを試さなければならない。できる限りの準備をしたけれど、これほど多くのグリップの変化は予想していなかった。適切な妥協点を見つける必要がある」
「今の時点ではそのことに力を尽くしているところだ。最終的には、よい仕事ができた。トップに近いし、いいタイムも出せた。この調子で引き続きベストを尽くしていくよ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合4番手
「午前中の2ステージをなんとかこなした。最初のステージはとてもきつくて、グリップが頻繁に変化した。全体的にドライビングは簡単ではなかった。その次はほぼ逆で、グリップは高くなったが、視界がトリッキーになったし、デフにも問題があった」
「午後は少しよくなり順位をいくつか上げたり、抜かれたりだったが、全体としては改善したと言える。ターマック(舗装路)でしっかりとしたフィーリングを見つけるのが難しいが、僕たちはトップに近いところにいる」
「もちろんチャレンジングだけど、グリップレベルが高ければOKだ。明日のステージもおおよそ今日と同じだろう。最初のステージはかなり低速で曲がりくねっている。でも他はもう少し「レースらしく」なるだろう。僕たちはまだ上位争いに加わっている。先は長いから、最後にこのラリーがどうなるのか見ていこう」
●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)/リタイア
「SS2のある時点で、車内に大量の煙が充満し始めた。そしてすべてはあっという間に起きた。僕たちはクルマを止めて、小さな消火器で火を消そうとした。ただし残念ながらそれ以上のことはできなかった」
「できることはすべて試したけれど、不可能だった。マシンを失ってしまってチームに申し訳ない。こんなことが起きたのは初めてだ。この件を正確に調査して、学ばなければいけない」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合首位
「1日を終えて首位に立てたことはもちろんうれしいが、明日以降もまだ長い距離を走らなくてはならないので、順位にそれほど大きな意味はないと思っている」
「朝の最初のステージは非常に難しく、一気に目が覚めた。少しタイムを失ってしまったけれど、2本目のステージではいい走りができたし、午後もうまく走れたと思う。それでも、やはりステージはかなり難しく、非常にツイスティかつテクニカルで、路面のグリップレベルも常に変化していた」
「ステージのキャラクターが途中で変わるので、どのような状況にもうまく対応できるクルマが求められる。明日もまた、きっといろいろなことが起きると思うが、いつものようにベストを尽くして戦っていくつもりだ」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合3番手
「今日は決して悪い1日ではなかったし、タイム差は少ないので、ある程度満足しても良いのではないかと思う。ステージはとにかくコーナーが多く、簡単ではなかった。事前にテストをすることなく完全に新しい道に挑む時は100%の手応えを得ることは難しいし、とくに自分はこのような道では他のドライバーと少し違ったクルマのバランスで走るのが好きだから、なおさらだね」
「ミッドデイサービスでセッティングを少し変更したところ、午後のステージではフィーリングが良くなった。クルマの動きの精度をもう少し高めることができれば、明日はよりハードに攻めることができると思う」
●セバスチャン・オジエ(#1 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合10番手
「上位フィニッシュの望みは、最初のステージでのパンクにより残念ながら早々に絶たれてしまった。もちろん、とても悔しいし、なぜそうなったのか分からないが、ホイール交換のために止まらなければならず、トップとの差を2分半以上失ってしまった」
「優勝争いから脱落した今、昨日までと同じ気持ちでいることはできないが、もちろんこれからもプッシュし続け、日本のステージを楽しみたいと思っている。
「また、ここまでとてもいい仕事をしてくれている新しいコドライバーのヴァンサン(・ランデ)と仕事を進めたり、クルマのセットアップを行なう上でもいい機会だ。日本のステージはとてもユニークなので、前戦スペインの時のような良いフィーリングはまだ得られていない」