11月13日(日)、WRC世界ラリー選手権第13戦『ラリー・ジャパン』の競技最終日デイ4が、豊田スタジアムのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合4位でフィニッシュ。チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合5位、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合12位でフィニッシュした。
サテライトチームのTOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから、初のWRC母国ラウンドに出場した勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はトヨタ勢最上位となる総合3位となり、地元で表彰台を獲得した。
『ラリージャパン』のデイ4は、愛知県豊田市は豊田スタジアムに置かれたサービスパークの北側エリア、岐阜県と愛知県で“アサヒ・コウゲン”、“エナ・シティ”、“ネノウエ・プラトー”という3本のステージが戦いの舞台に。エナ・シティとアサヒ・コウゲンは再走ステージも設定され、SS15からSS19までの計5本、合計距離69.82kmで争われた。
13日(日)は雨が降るという予報だったが、3本目のSS17まで雨は落ちてこず、その間は大部分がドライコンディションとなった。しかし、デイ4終盤のSS18とSS19は路面に水が浮かぶほどの雨となり、これらのステージは今大会初となるウェットコンディションで行われることとなった。
デイ3終了時点で首位ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と4秒差の総合2番手につけていたエバンスは、オープニングのSS15で今大会4回目となるベストタイムを記録し、首位ヌービルとの差を0.6秒に縮める。だが、続くSS16で下りの右コーナーでわずかにラインが膨らみ、タイヤにダメージを負ってしまう。その後エバンスはホイール交換を余儀なくされ大幅にタイムロス。首位から1分47秒3おくれの総合4番手に順位を下げてしまう。
エバンスが順位を下げたことで総合3番手には、初の母国ラウンドに臨む勝田が浮上。彼は激しい雨が降った終盤の2ステージも走破し、コドライバーのアーロン・ジョンストンとともに今季第6戦サファリ・ラリー・ケニア以来となるシーズン2度目の表彰台を獲得した。
金曜のデイ2にタイヤにダメージを負い、ホイール交換作業のために2分44秒の遅れを取り一時は総合10番手まで順位を下げたオジエは、土曜日と日曜日のステージを最速で駆け抜け順位を挽回。4日間で5本のベストタイムを刻むなど速さを示し、優勝したヌービルから2分23秒6遅れての総合4位フィニッシュとなった。
■ラトバラ代表「望んでいたような週末にはならなかったが、我々にはスピードがあったと言える」
第11戦ニュージーランドで、22歳と1日というWRC史上最年少記録でドライバーズタイトルを獲得したロバンペラは、金曜日終了時点で総合3番手につけた。しかし、土曜のオープニングとなったSS8でコーナリングラインが膨らみ、クルマが壁に当たったことでタイヤにダメージを受け、同ステージでのホイール交換作業で大幅にタイム失ってしまう。
その後は日本の特殊なコンディションでクルマのセットアップを進めるべく、テストとして以降のステージを走行したロバンペラ。将来に向けて非常に重要なデータを収集し、最終的には総合12位で2022年シーズン最後のラリーを終えている。
「最終的に、ラリージャパンは我々が望んでいたような週末にはならなかった。セブ(セバスチャン・オジエ)はおそらくラリー期間中最速だったと思うし、エルフィン(・エバンス)もラリーの大半でリードしていたので、我々にはスピードがあったと言える」と語るのはチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ。
「ただし、残念ながら各ドライバーに起きたアクシデントが不利に働いてしまった。日本のステージは非常に厳しく、道幅もとても狭かったので、そのようなアクシデントが起こりやすい環境だったのは確かだ」
「3冠達成という目標を達成して今シーズンを終えることができたのは、素晴らしいことだ。TOYOTA GAZOO Racingのホームイベントで勝つことができたらさらに良かったが、(勝田)貴元がホームで表彰台に上ったことは、それと同じくらい素晴らしいことだ。ラリーはそれぞれが異なるチャレンジであり、そのすべてで優勝することはできないんだ」