10月21日、WRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』の競技初日デイ1が、スペイン北東部のサロウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合2番手、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合6番手につけた。
2022年シーズン3戦目のターマック(舗装路)イベントである『ラリー・スペイン』は、バルセロナの西側に広がるコスタ・ドラダ(黄金海岸)のビーチリゾート、サロウのサービスパークを中心に行われる。
21日(金)の競技初日は、サロウの北~北西エリアで4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走るアイテナリーとなり、そのうち最初の2本は新ステージとなった。SS1からSS8まで計8本のステージの合計距離は118.92kmだ。
そのデイ1は、オジエと勝田がワン・ツーを占めた前日のシェイクダウンと同様に雨混じりの天気となり、路面状況も場所によってドライ、ウエットと変化。選手たちは難しいラリーを強いられた。そんななか、前戦のラリー・ニュージーランドでWRC史上最年少22歳で初王座を獲得したロバンペラが、オープニングの2ステージでベストタイムを記録して首位に立った。
一方、オジエは出走順が7番手と遅かったため、前走車のコーナーのインカットで路肩の土や砂利が掻き出されたダーティな路面を走行するなど、不利な条件での戦いに。それでも、デイ1最長となる22.64kmのSS3でベストタイムを刻むとチームメイトを逆転して首位に浮上した。
続くSS4ではティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に首位の座を明け渡すことになったが、日中のサービスの挟んで迎えたSS5でベストタイムを刻み首位のポジションを取り返してみせた。
その後SS6、SS7と連続でベストタイムを記録したロバンペラが総合2番手に順位を上げ、首位オジエとの差を3.6秒に縮める。しかし、1日の最後のSS8ではオジエがこの日3本目のベストタイムを記録。ギャップ4.8秒に拡げ、デイ1をトップで走り終えている。
エバンスは、SS6終了時点で総合5番手につけていたが、SS7で左前輪にダメージを負ったことで30秒以上を失い総合6番手に後退してしまう。
■リンドストローム「エルフィンと貴元はSS7で非常にアンラッキーだった」
また、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから参戦している勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)はSS6で4番手タイムを刻むなど午後のステージで速さを示したが、こちらもエバンスと同様にSS7でパンクに見舞われタイムロス。総合8番手で初日を終えることとなった。
「総合首位と2番手で1日を終えることができてうれしく思う」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのスポーティング・ディレクターを務めるカイ・リンドストローム。
「今日のステージはコンディションが難しく、非常にトリッキーだったが、クルマもドライバーも力強い走りを見せてくれた。セブ(セバスチャン・オジエ)が優勝争いをリードしているのはうれしいことだし、カッレ(・ロバンペラ)はチャンピオンを決めた後も勝利に飢えている。ふたりとも1日を通してとてもいい仕事をしてくれた」
「一方、エルフィン(・エバンス)と(勝田)貴元はSS7で非常にアンラッキーだった。このようなリスクはつねに存在するものだし、今日は運が彼らに味方しなかったと言える」
「まだまだ先は長いが、まずは初日を終えてとても満足しているし、明日も同じように戦いたいと思っている」
競技2日目となる22日(土)のデイ2は、サロウの北東エリアで3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。1日の最後にはサロウの海岸付近で2.15kmの市街地ステージも行われる。SS9~15の合計距離は118.75km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は478.29kmだ。