10月23日、WRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』の競技最終日デイ3が行われ、競技初日から首位を守ってきたTOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が今季初優勝を飾った。この結果、トヨタの2022年WRCマニュファクチャラーズタイトル獲得が決まっている。そんな今季第12戦の戦いを終えた各陣営からドライバーコメントが発表された。
■Mスポーツ・フォードWRT
●ポール・ネイグル(クレイグ・ブリーンのコドライバー #42 フォード・プーマ・ラリー1)/総合9位
「少し感動している。信じられないような旅だった。僕は若い頃にこのスポーツを始め以来、ずっと夢を追いかけてきた。僕は5回の優勝を飾った。多くの思い出とともに、夫として、父親として去っていくよ」
「隣にいる彼(クレイグ・ブリーン)は僕にとっては兄弟のようなものだった。彼は多くの成功をもたらしてくれた。また、クリス・ミークについても言及しなければいけない。彼らがいなければ、僕はどこにも行けなかった。本当にありがとう」(SS19後)
●ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)/リタイア
「よい週末ではなかったが、これも現実だ。今日もラリーに出走することができて喜んでいるよ。日本は新たな冒険だから楽しめるだろう」(SS19後)
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/総合8位
「とても満足している。週末を通してマシンは素晴らしかったし、ラリーのスタート時のプレッシャーを考えれば、僕たちのペースはかなり興味深いものだった。ステージを楽しんだし、戻ってくることができてよかったよ」(SS19後)
●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)/総合10位
「道路にはそれほど砂利はなかった。もう少しスムーズに進もうとしていた。(早朝よりも)昼間の方がよかったね」(SS18後)
●ジョルダン・セルデリディス(#9 フォード・プーマ・ラリー1)/総合28位
「ここは我々にとって初めて走るステージだったが、何の問題もなかった。だから、よい終わり方になった。とても素晴らしいラリーで気に入ったよ。レベルを上げることができたと思うし、今週末はとても楽しかった」(SS19後)
※コメントはいずれもSS直後のインタビューより
■ヒョンデ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合2位
「総合2位は今週末の僕たちにとっていい結果だ。チャレンジングなイベントであり激しい戦いだった。終盤に向けて、なんとかさらにスピードを出せるようになり、より楽しむことができた。ラリーの初めの方では少々パフォーマンスが足りていなかった。金曜日はトリッキーなコンディションだったしね」
「残念ながらその序盤のうちに優勝争いのチャンスは失っていた。でも、ふたたび表彰台を獲得できたことを、チームのためにうれしく思うよ。今ではラリージャパンを楽しみにしている。日本で何が期待できるかは分からないが、戦いに加わるためにスペインで学んだことを活かせるよう願っている」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合4位
「長い週末だったことは間違いない。初日はいくつかハイブリッドの問題があったが、それ以外はかなりスムーズな走行ができた。パフォーマンスの面では少々欠けていたけどね。走行中のバランスを取ったり、自分に合うように機能させることがあまりできなかったんだ」
「ラリー・スペインはチャレンジングなラリーで、まるでレーストラックのようだ。マシンパフォーマンスがとても重要で、バランスとフィーリングを良くすることが不可欠だ。高速で路面が滑らかで、流れるようなところだからね。それでも無事にラリーをフィニッシュできたし、ポイントを獲得して有用なデータを多く集めることができた。日本は誰にとっても新しい場所だから、現地に着いてさらに調べるまで待たないといけない」
●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合5位
「今週末は全力を尽くした。初日は先頭集団に対してタイムを失ったが、ラリーが進むにつれてますます自信がついた。パワーステージではハードにプッシュした。マシンは終わりに向かってオーバーステアになって、ラインをキープするのが難しかった。でもとても楽しめたよ」
「ホームラリーでふたたび戦うチャンスと、このようなマシンを用意してくれたチームに感謝している。僕たちはつねにマシンについて学び、さらに快適な走行ができるようにしている。ここに多くのファンがいたのは素晴らしかったし、彼らのサポートを感じることができた。表彰台に上がれなかったので、ある意味ではがっかりしているけれど、一方では彼らとこの週末をともにできたことをうれしく思っている」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合6位
「チームがマニュファクチャラーズタイトルを獲得したことは、もちろんとてもうれしい。今年のために新しいマシンを作るのは大変な作業だったし、素晴らしいシーズンを送ってきたので、チームの皆を心から祝福したいと思う」
「ただし、僕とスコット(・マーティン)にとってはあまりいい週末にならず、全体的にペースが良くなくて苦しんだので、今後に向けて改善しなければならない。この週末はセットアップやドライビングスタイルについていろいろなことを考え、改善しようと試みた。それによっていい方向に進んだと思いたいし、他にもいくつかアイデアがあるので、日本に向かう前に作業を進めたいと思っている」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合3位
「チームを祝福し、感謝したいと思う。素晴らしい才能を備えたチームのスタッフたちがいたからこそ、新しいクルマを最強で最速、そしてもっとも信頼性の高いものにすることができたんだ」
「我々選手はただコクピットに座っているだけで良かったのだから、みんなに感謝する。ただし、我々も今シーズンは自分たちの役割をしっかりと果たし、チームに多くのポイントをもたらすことができたので満足しているよ。自分たちも含むチーム全員が、成し遂げたことを本当に誇りに思うべきだろう」
「今大会は、もし首位争いについていけるだけのペースがなかった場合、それを賢明に見極めて少しでもいい結果を残すことを目標にしていた。結果的にいい週末になったと思う。セブ(セバスチャン・オジエ)は週末を通して非常に速く、自分が最高の力を発揮したとしても、彼についていくことはできなかっただろう。セブは優勝に値する戦いをしたし、今回も我々の2台が表彰台を獲得することができたので、うれしく思う」
●セバスチャン・オジエ(#1 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合優勝
「とても素晴らしい気分だ。もっとも重要なのは、チームの全員でマニュファクチャラーズタイトルを勝ちとったことだ。彼らはシーズンを通して、タイトル獲得に価する素晴らしい仕事をしてきた」
「また、個人的にも、今年出場したイベントでは不運が続いていたので、優勝することができて非常にうれしい。とても楽しい週末になり、クルマはドライビングが非常に楽しく感じられ、タイムもついてきた」
「しばらくこのクルマでターマックを走っていなかったし、テストも1日だけだったので、ラリーが始まってすぐに速く走ることができたのはうれしい驚きだった。金曜日は出走順があまり良くなかったから、なおさらだった。また、ベンジャミンが初優勝したことも本当にうれしい。ここまでカッレ(・ロバンペラ)が6勝、僕が1勝しているから、日本ではラッキーナンバーである8勝目を目指したいと思う」