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 今年1月にフルモデルチェンジされたミドルハイトミニバンのトヨタノア&ヴォクシーは、納期半年以上という大人気車である。大人気なのは最新ミドルハイトミニバンとして全体的に実にソツなくよくできていることに加え、メーカーオプションを中心とした「欲しくなる、試してみたくなる華のある装備や機能」が多数設定される点も強く後押ししているように感じる。

 しかし、ノア&ヴォクシーにはそういった装備や機能がテンコ盛りのため、それらを詳細に解説した記事というのはあまりないこともあり、ここではノア&ヴォクシーの華のある装備や機能をピックアップし、解説していく。

本文/永田恵一、写真/ベストカーWeb編集部、トヨタ

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■使い勝手関係はどうだ?

ボディ左側に設定される「ユニバーサルステップ。そのオプション設定金額はライバル車に比べて安い3万3000円

●ユニバーサルステップ(全グレードにメーカーオプション、3万3000円)

 これは左側スライドドアに付く乗降用ステップで、それほど珍しいものではない。しかし、3万3000円という価格は他モデルのものが10万円以上することを考えると激安の設定金額だ。ノア&ヴォクシーのユニバーサルステップが安いのはモーターなどを使わない機械的な機構となるためで、こういった装備の普及で重要な低価格化は大歓迎だ。

サードシートの収納にかかる負担が現行モデルではさらに減っており、ユーザーニーズに沿ったきめ細かい設定となっている

●より簡単になったサードシートの収納(全グレード標準装備)

 2007年に2世代前のノア&ヴォクシーが登場するまで、ミニバンのサードシートの収納を左右に跳ね上げて行うのは重く、かなり労力を必要とした。それが2世代前のノア&ヴォクシーでは機械的なアシストが付くようになり、サードシートの収納は飛躍的に楽になった。

 現行ノア&ヴォクシーではサードシートを跳ね上げる際の力がさらに軽くなった。さらに先代モデルまで跳ね上げた後のサードシートのロックがストラップから車体側にカチンとはまれば完了といっそう楽になり、左右のサードシートの収納を一度に行うのもやろうと思えば可能だ。この機能をショールームで見せられたら、「オー」と声を挙げる人も少なくないだろう。

7人乗りユーティリティパッケージは2万2000円分のレスオプション設定となっている。3列目へのアクセスを容易にしている

●7人乗りユーティリティパッケージ (8人乗り仕様にメーカーオプション、-2万2000円)

 これは8人乗り仕様の2列目3人掛けベンチシートを2人がけベンチシートとし、変則的な7人乗りとする仕様。この仕様はフロアに膝を突いた姿勢で2列目に座った子供の世話ができる、3列目へのアクセスがしやすいというメリットがあり、ユーザーニーズに応え、こういった仕様が設定されているという点にも感心させられる。

ボディ側面にもスイッチがついているのが特徴的なノア/ヴォクシーのパワーバックドア

●パワーバックドア(S、S-Zに左右パワースライドドアなどとセットになる「快適便利パッケージHigh」としてメーカーオプション、S-Zハイブリッド2WDで14万8500円)

 パワーバックドアは珍しいものではないが、現行ノア&ヴォクシーでは側面にもスイッチが付いており、大きなバックドアを開けるのに後ずさりすることなく、開閉を途中で止めることも可能だ。ただ、バックドアを閉める際にはスイッチが側面にあるため、つい手動で閉めてしまうと他車のパワーバックドア同様無理に閉めるようになるのでちょっと注意が必要だ。

また、手動となる通常のバックドアにも開閉角度のホールド機能が付いており便利だ。

■走行性能関係ではどうなる?

ノア/ヴォクシーのハイブリッドモデルには全グレードに実用燃費を向上させるための「先読みエコドライブ機能」が備わっている

●先読みエコドライブ(ハイブリッド車全グレードに標準装備)

 これは現行ノア&ヴォクシーのハイブリッドの実用燃費を向上させる機能だ。具体的にはカーナビの地図情報から進行方向に長い下り坂があるかを予測し、長い下り坂がある際には走行用バッテリーに電気が溜まることを想定し、長い下り坂の前に電気を使っておく下り坂SOC制御(SOCはバッテリー残量)や、カーナビの交通情報から進行方向に渋滞がある際には、渋滞に入る前にバッテリー残量を増やし、渋滞中のエンジン始動を減らす渋滞SOC制御などから構成される。

 また、現行ノア&ヴォクシーでは全グレードに自動ブレーキ&運転支援機能トヨタセーフティセンスの情報収集減のひとつとなるミリ波レーダーの情報から、先行車に近づいている際には安全のため減速気味に、先行車がいなければ空走状態として燃費を向上させる機能も装備されており、試乗した際には驚かされた。

■運転支援関係&安全装備もバッチリ!

アドバンストパークの概要。駐車スペースの真横に停車したら、メインスイッチをONにするだけで開始スイッチを押した後はブレーキペダルに足を置き、ステアリングに手を添えるだけでクルマが駐車をサポート

●トヨタチームメイトアドバンストパーク(X以外の全グレードにメーカーオプション、S-Zハイブリッドで12万6500円)

 これは自動駐車機能で、前進と後退での並列駐車と出庫、縦列駐車&出庫、メモリ機能を使うと自宅駐車場のような白線のないスペースへの駐車もノア&ヴォクシーがやってくれるというものだ。

 一度、私もスペースの狭い並列駐車で使ってみたが、まず使い方はボタンを押し、モニターで直感的に駐車スペースを指定できるなど、非常に使いやすい。また、駐車テクニックもみごとで、「これならクルマに任せたほうが楽でいいや」と感じたほどだった。

アドバンストパークのリモート機能。スマホでコントロールできるのは驚きだ

 さらに、ハイブリッドのノア&ヴォクシーにこの機能を付けると、スマホをコントローラーのように使う無人での並列&縦列駐車と出庫も可能だ。この機能も便利なのに加え、人に何度かデモンストレーションすると驚かれるという優越感だけでも元が取れるかもしれない。

●トヨタチームメイトアドバンストドライブ(X以外の全グレードに斜め後方を監視するブラインドスポットモニターなどとセットでメーカーオプション、13万4200円)

 これは自動ブレーキ&運転支援機能トヨタセーフティを発展させたもの。具体的にはドライバーを監視するカメラの装着などにより、自動車専用道路で40km/hまでの渋滞中の手放し運転が可能となるほか、渋滞中の再スタートも停止から3分まで対応する。

 さらに運転支援機能をオンにし、ドライバーを監視するカメラの情報などからドライバーの異常を検知すると、自車車線に安全に停止し、救命要請も行うドライバー異常時対応システムも装備される。

 また、現行ノア&ヴォクシー全グレードに標準装備されるトヨタセーフティセンス自体の性能も、自動ブレーキが昼夜の自転車、中間のバイク、右折時の対向車、右左折後の歩行者に対応するなど、非常に高いものとなっている。

安心降車アシスト(ドアオープン制御付)

●安心降車アシスト(X以外の全グレードに前述のトヨタチームメイトアドバンスドドライブとセットオプション)

 ブラインドスポットモニターの情報から、ドアを開ける際に後方から自転車などが近づいてきた場合にパワースライドドアを停止させるなどし、事故を防止する。事故防止の効果に加えトヨタチームメイトアドバンスドドライブとセットとなることを考えれば、リーズナブルだ。

■まとめ

華がある装備を多数持つノア/ヴォクシー。かつてのソアラGTリミテッドのような充実したクルマだと筆者は指摘する

 ここまで紹介してきた現行ノア&ヴォクシーにメーカーオプションを中心に設定される華のある装備は、かつて「トヨタのショーケース」と言われたソアラの最上級グレードとなるGTリミテッドのようにも見える。

 さらに、現行ノア&ヴォクシーではこれらの装備の金額が一つひとつはそれほど高くないのに加え、相当詰められており、実用的に使える点も凄い。

 それだけにどちらもフルモデルチェンジされたノア&ヴォクシーとステップワゴンで迷った際には、ステップワゴンのよさもあるにせよ、華のある装備を理由にノア&ヴォクシーにする人も少なくないのではないだろうか。

 ただ、現行ノア&ヴォクシーの華ある装備は10万円以上するものも多いので、最上級のS-Zハイブリッド2WD(367万円)にオプションを加えていくと、あっという間にアルファード級となる400万円を超えることも珍しくない。

 それでも現行ノア&ヴォクシーの華がある装備は魅力あるものなのに加え、新車は好みの仕様が選べるのが大きな魅力なだけに、何年に一度かの大きな買い物となるクルマを新車で買う際には好みの仕様にするのが一番幸せだと思う。

 現行ノア&ヴォクシーのグレードや仕様を選ぶ際にはメーカーオプションを含め、よく吟味して、本当に自分に合ったものを選ぶことも念頭に置いたほうがいいだろう。

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