2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権の最終戦となった第10戦『JAF鈴鹿グランプリ』の決勝後、鈴鹿サーキットで2022年シーズンのシリーズチャンピオン会見が行われ、第9戦終了時点でドライバーズタイトル2連覇を決めた野尻智紀(TEAM MUGEN)、そして野尻、笹原右京を擁してチームタイトルを獲得したTEAM MUGENの田中洋克監督が登壇。タイトルを獲得した喜びを語った。
■野尻智紀(TEAM MUGEN)
ドライバーズポイント:154pt
「今年からタイヤが少し変わって、第1戦富士の予選では『あれ?ちょっと今年は厳しくなるのかな』と思ったりもしたのですけど、そこはさすがのチーム力で。翌日(第2戦富士)の予選では素晴らしいリカバリーをして、ポール・トゥ・ウィン。そこでこのシーズンの流れを作れたと僕は思っています」
「そこからもチームはミスなく毎回僕を送り出してくれましたし、本当にみんなの頑張りが常にかたちになり続ける。そんな奇跡のようなシーズンは、もうこれ以上ないのじゃないかというくらい。最終戦でまた優勝できて、この会見を迎えられたこともなによりも嬉しいですし、またここにチャンピオントロフィーがありますけれど、ずっとこのトロフィーが僕のものであってほしいと心から思うくらい、チャンピオンというものは素晴らしいものです。去年もそうと思いましたが、何回でも経験したい。そういうものだと思います」
「(来季の3連覇に向けて)このチャンピオン会見は通常、みんな喜んでワーッ!!ていうのが基本だと思うのですけど。僕はこれほどまでのシーズンを送った後。今年の結果が自分自身を苦しめることになると思っています。それを超えられるような野尻智紀にならないといけない。そういう思いが今強くあります」
「それがレーシングドライバーというか、戦う選手として必要になってくると思うので頑張らないと。それができなかったら3連覇はないし、その先のドライバー人生もなくなると思うので、来年も(チームと)一緒に戦い続けたいなと、そんな思いです」
■田中洋克監督(TEAM MUGEN)
ドライバー:野尻智紀/笹原右京
チームズポイント:187pt
「まず、チャンピオンを決まった第9戦のレースですけども、TEAM MUGENはチームタイトルは初めてで。しかも昨日は右京が優勝し、野尻が2位でワン・ツー・フィニッシュというのもチームとしては初めてでした」
「そういう最高のかたちでドライバーズタイトルとチームタイトルが決まって、本当にこれ以上ないくらいの内容で決められたので、どう嬉しさを表現していいのかわからなかったのですけども。(サーキットでは)実感もなく、ただ、ホテルに帰ってからすごく実感が湧いてきました」
「本当によかったなと思いますし、こういう強いTEAM MUGENを見せることができて本当に嬉しく思います。勝ちを独り占めしてるような気持ちで……こんなこと言うのも変ですけども。ただ、スーパーフォーミュラでこういう強いチームを見せられるということは、非常に大事なことでもあると思います」
「シーズン初めから振り返りますと、チームタイトルを獲りたいという気持ちは当然ありました。ただその前に、野尻の2年連続ドライバーズタイトルを獲るということをメインで、チームとしては考えていました。そのためにも2台体制で、2台をお互いにフィードバックしながら。チーム力を高めつつ、野尻のチャンピオンを獲りにいくというのがうまくいったかなと思っています」
「ただ、右京の方がシーズン前半、すごくトラブルが。『なんでこういうトラブルが出るんだ』というのが結構出たりして、本当に右京には申し訳ないなとは思いましたけども、シーズン終盤には本当良い結果が出て、2勝もしましたし。そこは修正できてよかったなと思います」
「野尻に関しましては、シーズン序盤からポールも連続して獲って、優勝もして、本当にすごい勢いだなと。でも、中盤から少しチャンピオンを意識しつつ、なんとなくライバル勢を見ながらレースを戦うような。ちょっと守りに入ったかなというのは感じていて、ちょっと心配だなと。なにか修正できないかなと思ってはいました」
「でも、第9戦でもポールポジションを獲って、決勝は2位ではありましたけど、チャンピオンを決めて。本当にほっとしました。今日はもうはちきれたようにポールを獲って優勝したので、よかったなと思います。そして念願のチームタイトルが獲得できて本当によかったと思います」
「(来季の野尻の3連覇に向けて)良い成績を出せば出すほど、プレッシャーは出てきます。嬉しいことではあるのですけれども、好成績をキープする。キープしなくちゃいけないプレッシャーというのはすでに感じています。ただ、やはりやらなければならないので、来シーズンの3連覇に向けて、もう準備をしたいと思っています」