新旧WRC王者を擁すトヨタ、次戦ラリー・スペインの目標はマニュファクチャラーズタイトル獲得

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、10月21~23日に開催される2022年シーズン第12戦『ラリー・スペイン』に、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)、新チャンピオンのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)という布陣で臨む。チームがこの大会で狙うのはマニュファクチャラーズタイトルの獲得だ。

 スペイン北東部のリゾート地サロウを拠点とするラリー・スペインは、今シーズン3戦目となるピュア・ターマック(舗装路)ラリー。前回ラウンドのラリー・ニュージーランドで総合2位に入ったオジエは、スペインで過去3回の優勝経験があり、エバンスも昨年の大会で総合2位に入っている。

ラトバラも誕生日を祝福、大破のGRヤリスにオジエ唖然。厳選写真で振り返るラリーNZ:前編【WRC Topic】

2012年以来、10年ぶりにWRCイベントとして開催された『ラリー・ニュージーランド』では、WRC世界ラリー選手権の歴史に新しい1ページが加わった。何を隠そう弱冠22歳のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、史上最年少でワールドチャンピオンに輝いたのだ。これまでの最年少レコードは故コリン・マクレーの27歳109日であったことから、トヨタの新王者はその記録を大幅に更新したことになる。今回のWRC Topicでは、この歴史的瞬間が生まれた週末のラリーを現地で取材していた、モータースポーツジャーナリスト/フォトグラファーの古賀敬介さん厳選の写真を半フォトギャラリー・半ブログ形式で紹介する。まずは前編からどうぞ。

トヨタ、4年連続でチャンピオン輩出。6勝目飾った22歳ロバンペラが初戴冠/WRCニュージーランド

 10月2日、WRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』の最終日デイ4がオークランドのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が今季6度目の優勝を飾った。前日に22歳になったばかりのロバンペラは、WRC史上最年少記録でドライバーズタイトルを獲得。また、総合2位にはセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が入り、TGR WRTはワン・ツー・フィニッシュを達成している。

 2012年以来、10年ぶりの開催となったラリー・ニュージーランドの最終日は、サービスパークの南東エリアで2本のステージを各2回走行するかたちで争われた。SS14~17の合計距離は31.18km、このデイ4も断続的に弱い雨が降り路面は全体的に湿った状態でのラリーとなった。

トヨタ、デイ3でロバンペラとオジエが1-2築くも、エバンス&勝田がリタイアに/WRCニュージーランド

 10月1日、WRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』のデイ3がオークランドのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合2番手に順位を上げ、最終日を前にワン・ツー体制を築いた。

 一方、競技3日目朝の段階で総合首位に立っていたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、午前中に発生したアクシデントによってクルマにダメージを負いリタイアに。また、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)もコースオフが原因でリタイアとなっている。

勝田貴元、トヨタ勢最上位の4番手でラリー・ニュージーランド初日を走破/WRC第11戦

 9月29日、WRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』が開幕した。初日のデイ1はラリーの拠点となるオークランドでSS1が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合5番手、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合6位、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合8番手につけた。

 また、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションからの出場となっている勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は、トヨタGRヤリス・ラリー1勢最上位となる総合4番手で競技初日を終えている。

今季6勝目狙うトヨタ、10年ぶりのWRCニュージーランドへ。ラトバラ「優勝争いができると確信」

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、9月29日から10月2日に、ニュージーランドで開催される2022年シーズン第11戦『ラリー・ニュージーランド』で今季6回目の総合優勝を目指す。

 2012年以来、10年ぶりにWRCイベントとして開催されるラリー・ニュージーランドに向けて、同チームからはエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)をはじめ、選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が出場する。

トヨタのセバスチャン・オジエ、『ラリージャパン』を含むWRC終盤3戦への出場が決定

 TOYOTA GAZOO Racing WRTは9月19日、WRC世界ラリー選手権で通算8回のワールドチャンピオンとなったセバスチャン・オジエが、2022年シーズンの残り3ラウンドに出場することを明らかにした。

 現王者であるオジエは2021年限りでフルタイムドライバーを引退。今季はエサペッカ・ラッピ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)と3台目のマシンをシェアするかたちで、開幕戦モンテカルロや第4戦ポルトガルなど、パートタイムで『トヨタGRヤリス・ラリー1』をドライブしている。

トヨタ勢最上位も「納得いかない週末」と勝田貴元。ミスとトラブル、チームの不振も重なったWRCギリシャ

 WRC世界ラリー選手権に唯一フル参戦している日本人ドライバーの勝田貴元。TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから、9月8~11日にギリシャで開催されたシーズン第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』に参戦し、総合6位でフィニッシュした彼はイベント後の合同オンライン取材会において、「ミスもあり全然納得のいくような週末ではありませんでした」と今戦を振りかえった。

 初参戦となったギリシャのグラベル(未舗装路)イベントで、トヨタ勢最上位となる総合6位入賞を果たし、開幕戦から続く完走記録を「10」に伸ばした勝田だが、取材時の声のトーンは低く、明らかに満足のいくラリーではなかったことが窺えた。

トヨタにとって試練の週末となったWRCギリシャ「将来に向けて改善する必要がある」とラトバラ代表

 9月11日(日)、WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のデイ4がギリシャのラミアを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合15位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合22位でフィニッシュした。

 総合4番手で競技最終日を迎えたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、マシントラブルによってリタイアとなった。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、トヨタ勢最上位となる総合6位で入賞を果たしている。