デビューウイン以来、勝利から遠ざかるMスポーツ。名門ラリーチームが苦戦する理由【WRC Topic】

 WRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー』でティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が今季初優勝。ヒョンデ・シェル・モビスWRTにとってはシーズン4勝目であり、トヨタの5勝に次ぐ勝利数だ。一方、Mスポーツ・フォードWRTは開幕戦モンテカルロでセバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)があげた1勝のみ。アクロポリスではローブがデイ2で首位に立っていたが、マシントラブルによりリタイアとなってしまった。

 出走順のアドバンテージがあったとはいえ、Mスポーツのプーマ・ラリー1に速さはあった。それは、若手のピエール-ルイ・ルーベが一時総合2番手につけていたことからも間違いない。それでも、速さを結果に結びつけられないのは、信頼性が不足しているからである。

TGR WRCチャレンジプログラム2期生がイタリアのターマックラリーに参戦。3台揃って完走果たす

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生である、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の3名が9月9~10日、イタリア北部で開催された『ラリー・サンマルティーノ・ディ・カストロッツァ』に参戦し、全員がラリーを完走した。

 3選手が出場したラリー・サンマルティーノ・ディ・カストロッツァは、イタリア・ターマックラリー選手権の一戦。イタリア北部に位置するトレンティーノの山岳部を舞台に、9日(金)と10日(土)の2日間に計5本SSで争われた。SSの合計距離は92.29kmだ。

今季初優勝のヌービル「特別な勝利であり、歴史的な結果だ」/WRC第10戦ギリシャ デイ4後コメント

 9月11日、WRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』の競技最終日、デイ4がギリシャのラミアを中心に行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が今季初優勝を飾った。さらに、チームメイトのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)とダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合2位、同3位に続いたため、ヒョンデがチーム史上初のワン・ツー・スリー・フィニッシュを達成している。そんな今季第10戦を終えた選手たちのコメントが各陣営から発表されている。

■Mスポーツ・フォードWRT

トヨタにとって試練の週末となったWRCギリシャ「将来に向けて改善する必要がある」とラトバラ代表

 9月11日(日)、WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のデイ4がギリシャのラミアを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合15位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合22位でフィニッシュした。

 総合4番手で競技最終日を迎えたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、マシントラブルによってリタイアとなった。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、トヨタ勢最上位となる総合6位で入賞を果たしている。