今季6勝目狙うトヨタ、10年ぶりのWRCニュージーランドへ。ラトバラ「優勝争いができると確信」

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、9月29日から10月2日に、ニュージーランドで開催される2022年シーズン第11戦『ラリー・ニュージーランド』で今季6回目の総合優勝を目指す。

 2012年以来、10年ぶりにWRCイベントとして開催されるラリー・ニュージーランドに向けて、同チームからはエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)をはじめ、選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が出場する。

Mスポーツ、アドリアン・フルモーのラリーNZ欠場をアナウンス。復帰はWRC第12戦スペインに

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているMスポーツ・フォードWRTは、9月29日から10月2日にかけてニュージーランドで開催される、2022年シーズン第11戦『ラリー・ニュージーランド(ラリーNZ)』で予定されていたアドリアン・フルモーのエントリーを撤回した。

 オセアニア地域では2018年のラリー・オーストラリア以来4年ぶり、ニュージーランドでは2012年以来、10年ぶりの開催となるラリーNZ。Mスポーツ期待の若手ドライバーであるフルモーは、このグラベル(未舗装路)イベントでフォード・プーマ・ラリー1を走らせる予定だったが、イギリスの名門ラリーチームは9月19日に声明を発表し、彼が同ラウンドに出場しないことを明らかにした。

【動画】モリゾウ&カンクネン駆る“水素エンジンGRヤリス”がWRC公式チャンネルに登場

 9月21日、WRC世界ラリー選手権の公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/user/wrc)において、今季第9戦『イープル・ラリー・ベルギー』に登場したトヨタの水素エンジン搭載車両、GRヤリスH2 コンセプトのデモンストレーション走行の様子が公開された。

 既報のとおり、8月18~21日にベルギーで開催されたイープル・ラリーでは、TOYOTA GAZOO Racingがカーボンニュートラルへの取り組みを示す一環として、カーボンニュートラルを実現するこの実験的車両をラリーの競技ステージ(SS)で走らせた。

愛知県庁前でWRCマシンがデモ走行。ラリージャパン1カ月前イベント、10月1~2日開催へ

 9月20日、ラリージャパン事務局は、WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』を盛り上げる事前PRイベント『1Month to go! RALLY JAPAN!」(ワンマンストゥーゴー!ラリージャパン!)』を10月1~2日、愛知県庁前で開催すると発表した。

 11月10~13日に愛知県と岐阜県にて、2022年のWRCシーズン最終戦として開催されるラリージャパン。『1Month to go! RALLY JAPAN!』は文字どおり、WRC日本ラウンドを約1カ月前に控えたタイミングで行われるイベントだ。

トヨタのセバスチャン・オジエ、『ラリージャパン』を含むWRC終盤3戦への出場が決定

 TOYOTA GAZOO Racing WRTは9月19日、WRC世界ラリー選手権で通算8回のワールドチャンピオンとなったセバスチャン・オジエが、2022年シーズンの残り3ラウンドに出場することを明らかにした。

 現王者であるオジエは2021年限りでフルタイムドライバーを引退。今季はエサペッカ・ラッピ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)と3台目のマシンをシェアするかたちで、開幕戦モンテカルロや第4戦ポルトガルなど、パートタイムで『トヨタGRヤリス・ラリー1』をドライブしている。

【動画】2022WRC第10戦ギリシャ ダイジェスト

 9月8日から11日にかけて、ギリシャのラミアを中心に開催されたWRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』は、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのワン・ツー・スリー・フィニッシュによって幕が閉じられた。ヒョンデにとってチーム史上初となる表彰台独占の快挙が果たされた今戦のダイジェスト動画が、シリーズのオフィシャルYouTubeチャンネルをはじめ、各チームの公式チャンネルで公開されている。

 8年ぶりのWRC復帰を果たした2021年に続き、2年連続で開催された伝統のグラベル(未舗装路)イベントは、波乱に満ちたものとなった。土曜のデイ3でトップ3がそろってアクシデントに見舞われ順位を落としたのはその最たるもので、同日には選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がコース脇の立ち木にクルマをヒットさせるミスがあり、これによって大きく順位を落としてしまった。また、チームメイトのふたりにはメカトラブルが発生。王者トヨタにとっては非常に厳しい一戦となっている。

トヨタ勢最上位も「納得いかない週末」と勝田貴元。ミスとトラブル、チームの不振も重なったWRCギリシャ

 WRC世界ラリー選手権に唯一フル参戦している日本人ドライバーの勝田貴元。TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから、9月8~11日にギリシャで開催されたシーズン第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』に参戦し、総合6位でフィニッシュした彼はイベント後の合同オンライン取材会において、「ミスもあり全然納得のいくような週末ではありませんでした」と今戦を振りかえった。

 初参戦となったギリシャのグラベル(未舗装路)イベントで、トヨタ勢最上位となる総合6位入賞を果たし、開幕戦から続く完走記録を「10」に伸ばした勝田だが、取材時の声のトーンは低く、明らかに満足のいくラリーではなかったことが窺えた。

デビューウイン以来、勝利から遠ざかるMスポーツ。名門ラリーチームが苦戦する理由【WRC Topic】

 WRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー』でティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が今季初優勝。ヒョンデ・シェル・モビスWRTにとってはシーズン4勝目であり、トヨタの5勝に次ぐ勝利数だ。一方、Mスポーツ・フォードWRTは開幕戦モンテカルロでセバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)があげた1勝のみ。アクロポリスではローブがデイ2で首位に立っていたが、マシントラブルによりリタイアとなってしまった。

 出走順のアドバンテージがあったとはいえ、Mスポーツのプーマ・ラリー1に速さはあった。それは、若手のピエール-ルイ・ルーベが一時総合2番手につけていたことからも間違いない。それでも、速さを結果に結びつけられないのは、信頼性が不足しているからである。

今季初優勝のヌービル「特別な勝利であり、歴史的な結果だ」/WRC第10戦ギリシャ デイ4後コメント

 9月11日、WRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』の競技最終日、デイ4がギリシャのラミアを中心に行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が今季初優勝を飾った。さらに、チームメイトのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)とダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合2位、同3位に続いたため、ヒョンデがチーム史上初のワン・ツー・スリー・フィニッシュを達成している。そんな今季第10戦を終えた選手たちのコメントが各陣営から発表されている。

■Mスポーツ・フォードWRT

トヨタにとって試練の週末となったWRCギリシャ「将来に向けて改善する必要がある」とラトバラ代表

 9月11日(日)、WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のデイ4がギリシャのラミアを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合15位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合22位でフィニッシュした。

 総合4番手で競技最終日を迎えたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、マシントラブルによってリタイアとなった。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、トヨタ勢最上位となる総合6位で入賞を果たしている。