【全ドライバー独自採点/F1第19戦】ハミルトンの速さに陰りなし。決勝はパーフェクトだったフェルスタッペン

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回はアメリカGPでの戦いぶりを振り返る。

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■評価 10/10:今季初優勝は実現しなかったが、変わらぬ速さを見せつけたハミルトン

ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選5番手/決勝2位

 ほんの数周の間だったが、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がついに今季初優勝を挙げる時が訪れたと思った。マックス・フェルスタッペンはシャルル・ルクレールを抜くのに手間取り、タイヤをかなり使ってしまったのだ。結局はRB18の速さが勝り、ハミルトンは首位を明け渡したのだが、アメリカGPの週末を通して、彼のパフォーマンスは完璧だった。ハミルトンは過去10戦の予選で8回、チームメイトに勝っている。今回のレースではレッドブル1台とフェラーリ1台に勝ち、7度のワールドチャンピオンは昨年までと同様に速くて強いということを改めて証明した。

ブラッド・ピット主演のF1映画に大きな期待を寄せるハミルトン。ドメニカリCEOも「F1の成長のステップ」と重視

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、ブラッド・ピットが主演するF1映画のプロジェクトが始動していることに大きな期待を寄せており、「史上最高のレース映画になる」だろうと考えている。

 Apple Original Filmsによる超大作の背後にいるのはピットや『トップガン マーヴェリック』で有名な映画監督のジョセフ・コシンスキー、脚本家のイーサン・クルーガー、伝説的な大ヒットプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーらで、あたかもハリウッドの名士録を眺めているかのようだ。これにハミルトンも共同プロデューサーとして同映画に関わっている。

F1 Topic:最高の栄誉であるコンストラクターズタイトルは「ホンダにとって一番欲しかったもののひとつ」

 F1第19戦アメリカGPでレッドブルが2013年以来、9年ぶりにコンストラクターズチャンピオンに輝いた。

 ホンダは昨年マックス・フェルスタッペンのドライバーズチャンピオン獲得をサポートしたが、コンストラクターズ選手権はメルセデスが制していた。ドライバーズ選手権が文字通りドライバーのものであるのに対して、コンストラクターズ選手権は車体を製造したコンストラクターとそのコンストラクターにパワーユニットを供給しているマニュファクチャラーの栄誉であり、そこで仕事をするエンジニアやメカニックたちにとって特別なタイトルだ。

厳しい1年を過ごし、悲願のタイトル獲得「後ろにいるみんなを信じてやってきた」/HRC本橋TDインタビュー

 2022年F1第19戦アメリカGPで、オラクル・レッドブル・レーシングがコンストラクターズタイトルを獲得した。レッドブルのタイトル獲得は2013年以来だ。そのレッドブルのパートナーとして、パワーユニットの開発や製造、運用をサポートするHRCの本橋正充テクニカルディレクターは、今回のタイトル獲得を「素直にうれしいです」と喜んだ。しかしその一方で、前任者の田辺豊治氏からテクニカルディレクターを引き継いだこの1年を振り返り、「実際にやってみると厳しかった」と明かした。

ノリス、COTAのバンプに対処するため薬を服用「飲んでも大差ないが、大変な思いをしていた」/F1第19戦

 マクラーレンのランド・ノリスは、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のバンピーな路面のせいで起きたひどい頭痛を抑えるために「頭痛薬を飲まなければならなかった」と語っている。

 バンプはCOTAにおける長年の問題だ。土地の土壌の特に柔らかい部分に水が浸食し、一部の場所で地表の沈下が起きているのだ。今年初め、コース一部で大規模な研磨と再舗装が行われたが、先週末のレース開始時も地表の起伏は懸念事項のままだった。

F1コストキャップ違反問題:不正との批判に憤るレッドブル代表。ライバルは軽い罰を懸念、FIAとの協議結果を注視

 レッドブル・レーシングが2021年F1コストキャップ規則に違反し、上限額を超過していたことが明らかになり、他チームからは厳しいペナルティを求める声が相次いでいる。レッドブルとFIAは合意について協議、レッドブルの創設者ディートリッヒ・マテシッツ氏の死去を受けて、話し合いが一時中断された後、今週半ばから再開される予定となっている。

【浅木泰昭HRC四輪開発部長インタビュー後編】HRCの存在意義はレースでの研究「レース屋だからこそ社会に貢献できることもある」

 量産部門ではEV(電気自動車)へと大きく舵を切ったホンダだが、そんな状況だからこそ「内燃機関屋としてまだまだやることはある」、そして「レース屋だからこそ社会に貢献できることもある」と、HRC(ホンダ・レーシング・コーポレーション)四輪レース開発部部長の浅木泰昭は力説する。

 果たしてその流れで、パワーユニット規約の大きく変わる2026年以降に、ホンダのF1への復帰も選択肢としてあり得るのだろうか。多くの要因が絡んでくるだけに、もちろん予測は不可能だ。しかしHRCの四輪開発部門は、どんな状況になっても対応できるだけの準備をしている。浅木の言葉からは、そんな自負が感じられた。

F1メキシコGP金曜FP1:ローソンが角田裕毅に代わり出場へ。デ・フリースはメルセデスで最後の走行

 スクーデリア・アルファタウリは、F1第20戦メキシコGPの金曜フリー走行1に、レッドブルジュニアドライバーのリアム・ローソンを起用することを明らかにした。若手ドライバーのFP1起用レギュレーションにより、ローソンは角田裕毅のマシンで走行する。

 レッドブルのリザーブドライバーを務め、現在FIA F2に参戦するローソンは、2021年12月のアブダビ・ヤングドライバーテストにアルファタウリから参加した後、今年のベルギーGPでは同チームでピエール・ガスリーのマシンに乗り、FP1デビューを果たした。

F1メキシコGPを前に母国の英雄ペレスがデモラン。13万人を超えるファンの集結に「夢が叶った」

 2022年F1第20戦メキシコGPの開催を控え、オラクル・レッドブル・レーシングと所属ドライバーでありメキシコの英雄でもあるセルジオ・ペレスが“レッドブル・ショーラン”のデモランを実施。13万人を超えるファンの集結に「今日は夢が叶った」とペレスも笑顔を見せた。

 今回のデモランはメキシコ人ドライバーの“チェコ”ことペレスの故郷であるハリスコ州グアダラハラで行われ、デモラン当日には実に13万人以上のファンが集まった。