ヒョンデ・モータースポーツの副チーム代表を務めるジュリアン・モンセは、ニュージーランドで開催されたWRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・ニュージーランド(ラリーNZ)でペース不足となったヒョンデi20 Nラリー1について、問題の解決策を探るようチームに呼びかけた。また、同氏は2022年シーズンのマニュファクチャラータイトル獲得がきわめて困難な状況となった現在も、「まだ諦めたわけではない」と奮起を促している。
ヒョンデ・シェル・モビスWRTは、第8戦フィンランドから3連勝し、好調の波に乗ってニュージーランド最大の都市オークランドで9月29日から10月2日にかけて開催されたラリーNZに挑んだ。しかし、同ラウンドではトヨタ勢に対して苦戦を強いられ、ライバルにワン・ツー・フィニッシュを許す結果に。期待された4連勝は果たせなかった。
ヒョンデ勢はラリーNZで優勝争いに加わるには力不足だったが、オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)は3位表彰台を獲得した。また、チームメイトのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合4位、5位で続いている。
このリザルトに対しモンセは「我々にとっては非常にフラストレーションの溜まるラリーとなり、決して求めていた結果ではなかった。問題が多すぎて、全体的にペースが上がらなかった」と述べた。
副代表が挙げた問題のひとつには3台全車が受け取ったタイムペナルティが含まれている。ヒョンデはデイ1のSS1とデイ2のSS7で、ハイブリッドシステムのオーバーブーストにつながる人的ミスを犯し複数のペナルティを科された。なかでも、タナクとヌービルは2度の違反で合計15秒(5秒+10秒)を失い痛手を負うこととなった。
モンセは、南半球からヨーロッパに戻り次第、すぐに問題の解決に取り組むと付け加えた。
「私たちはうまくいかなかったことのすべてを深く分析し、次のイベントに向けて解決策を見つける必要がある」と彼は語った。
「それでも、私たちはまだ諦めたわけではない。(ラリーNZでは)3台ともフィニッシュまで辿り着くことができた。オット(・タナク)は前方のドライバーにプレッシャーをかけ続け、最後までラリーを戦い抜いてふたたび表彰台を獲得し、競争力を見せつけた」
「ティエリー(・ヌービル)はヒョンデのために貴重なポイントを獲得した。また、オリバー(・ソルベルグ)は週末を通してトリッキーなコンディションと問題に直面しながらもミスを避け、有望なタイムを見せるなど力強いラリーを展開し、最終的に総合5位となった」
第11戦ラリーNZを終えた現時点でヒョンデはマニュファクチャラー選手権において、首位のトヨタから81ポイント差をつけられている。ここから残り2戦でライバルを逆転するのは非常に厳しい状況にあり、次戦スペインでその可能性を維持するには、ヒョンデによる上位独占とトヨタ勢苦戦の構図、第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャの再現が必要となる。