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 ヒョンデ・シェル・モビスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)は11月10~13日、日本で開催されたWRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン』で、僚友ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に次ぐ総合2位となった。彼は今季最終戦となった同イベントにおいて、3年間過ごしたヒョンデチームでのプログラムにピリオドを打った。

 このエストニア人は2019年、当時トミ・マキネン代表が率いていたTOYOTA GAZOO Racing WRTで自身初となるドライバーズタイトルを獲得。その翌年、マルチタイムスチャンピオンとなるべく、ドイツはアルゼナウに拠点を置くチームに籍を移した。

 過去3年間のプログラムでの最高位は、シーズン中に3度勝利を挙げた今季のランキング2位だ。ヒョンデi20クーペWRCをドライブした初年度2020年は、チームとしてはマニュファクチャラー選手権を制したものの彼自身はシーズン3位に。翌年はシーズン5位と苦戦した。

 今年35歳となったタナクは、ヒョンデ移籍後に計5勝を挙げたが、順風満帆だったわけではなかった。前述のとおり苦しんだシーズンもあれば、大きなクラッシュも経験した。そのうちのひとつはヒョンデi20クーペWRCでのデビュー戦となった2020年開幕戦モンテカルロで、彼のキャリアの中でももっとも大きなアクシデントと言えるものだ。

「僕たちがヒョンデ・モータースポーツにやってきた理由は、もう一度タイトル獲るためだ。しかし、望んでいたようにはならなかった」と、現在のチームとともに戦う最後のラリーとなったWRC日本ラウンド後にコメントしたタナク。

 彼はヒョンデでの3年間を振り返り、「だから、明らかに成功したとは言えない」と述べた。

「でも、おそらく生涯の友となるであろう友人を何人か作ることができたから、ここに来た価値はあった」

 新チャンピオンのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)に次ぐランキング2位でシーズンを終えた彼は、この1年について次のように振り返っている。

「トヨタとともにカッレ(・ロバンペラ)が勝つと思われていたフィンランドでの勝利は良かった。また、ベルギーでティエリー(・ヌービル)を破って勝利を掴んだこともいい思い出だ」

「ここ日本では、自分たちができることはすべてやった」

「ターマックでは(マシンの)スピードが足りないことは分かっていた。僕たちのクルマに(さらに)スピードが残っていたとは思えない」

 現在までにアナウンスされていない2023年シーズンや、その先の将来について尋ねられたタナクは、「今はまだ契約していない」とコメントしている。

「家に帰って、これから数週間の間に何が起こるか見てみよう」

オット・タナクがシーズン3勝目、ヒョンデでの最後の勝利を挙げたWRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー
オット・タナクがシーズン3勝目、ヒョンデでの最後の勝利を挙げたWRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー
オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン