カート・ブッシュの代役を務めたタイ・ギブスがカップ昇格。ライアン・プリースも復帰へ/NASCAR

 2022年のNASCARエクスフィニティ・シリーズで新チャンピオンに輝き、最高峰カップシリーズではカート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)の代役としてシーズン後半を戦ったタイ・ギブスが、来季よりフルタイムでのカップ戦昇格を果たすことが確定。デニー・ハムリン、クリストファー・ベル、マーティン・トゥルーエクスJr.らとともに、移籍を決めたカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)の後任として4台目をドライブすることが決まった。

 7月のポコノ・レースウェイでクラッシュを喫し、脳震盪とその影響で長期離脱を強いられたカートは、終盤プレーオフに突入した地元ラスベガスでの1戦を前に、惜しまれつつの引退を表明。そのキャリアに幕を閉じる決断を下した。その離脱期間中に45号車(プレーオフではダレル“バッバ”ウォレスJr.へのナンバー引き継ぎで23号車)を託されたジョー・ギブス・レーシング(JGR)の御曹司は、カップ3戦目のミシガンで10位フィニッシュを果たしたのを最上位に、最高峰クラスで15戦に出走していた。

衝撃の結末。チャスティンが最終周に“ゲーム走り”を敢行し最終ステージ進出へ/NASCAR第35戦

 10月最後の週末となる29〜30日に、アメリア・ヴァージニア州に位置する最短トラック、マーティンスヴィル・スピードウェイで開催された2022年NASCARカップシリーズ第35戦『エクスフィニティ500』は、まさに前代未聞、衝撃的なファイナルラップの幕切れとなった。

 プレーオフ第3段階“ラウンド・オブ8”の最終戦として、次週フェニックスでの“チャンピオンシップ4”に向けた生き残りに熾烈な勝負が繰り広げられるなか、クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が『勝たなければならないレース』で2度目の奇跡を披露し、シーズンフィナーレ最後の4人に滑り込むプレーオフ2度目の必勝劇を演じてみせる。

終盤のギャンブルを当てたトヨタのベルが、大逆転のラウンド・オブ8進出決定/NASCAR第32戦

 2022年NASCARカップシリーズのプレーオフも、いよいよ”ラウンド・オブ12”の最終戦に到達。第32戦として10月8~9日開催された今季最後のロードコース戦『バンク・オブ・アメリカ・ローバル400』は、ドラマ満載の展開となった終盤に、タイヤギャンブルを成功させたクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が勝利を飾り、滑り込み大逆転での“ラウンド・オブ8”進出が確定。その一方、ディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、わずか2ポイント差でタイトル防衛を逃す結果に終わった。

 今季より導入された新規定車両“Next-Gen”で初のシーズンを戦ってきた一行だが、このプレーオフに入ってからもワンメイクタイヤのバーストによるアクシデントの影響が色濃く残り、第30戦テキサスでタイヤ不具合による“ハードヒット”を強いられたアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、引き続き脳震盪症状に対処するため2戦連続でドクターストップが掛かり、これでプレーオフ・ドライバーの権利を消失。同じく足首の骨折と診断されながら、前戦タラデガに強行出場したコディ・ウェア(リック・ウェア・レーシング/フォード・マスタング)も、今回は療養を余儀なくされた。

カイル・ブッシュがトヨタ陣営を電撃離脱、2023年はRCRのシボレーをドライブへ/NASCAR

 現地9月13日の火曜午前に、NASCARカップシリーズで2度のタイトルを獲得するカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が、在籍15年間でカップ通算56勝をともにしたトヨタ陣営を電撃離脱し、2023年から3台体制へと拡充するリチャード・チルドレス・レーシングへ移籍することを発表。2005~2007年以来のシボレー陣営加入となるカイルは、現在のタイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)がドライブする8号車のチームを引き継ぎ、クルーチーフのランドル・バーネットと協力することがアナウンスされた。

 9月9~11日にカンザスで争われたプレーオフ第2ラウンド、第28戦『ハリウッド・カジノ400』と前後して、カイル移籍の噂はパドックの“ホット・トピック”となっていた。