終盤のギャンブルを当てたトヨタのベルが、大逆転のラウンド・オブ8進出決定/NASCAR第32戦

 2022年NASCARカップシリーズのプレーオフも、いよいよ”ラウンド・オブ12”の最終戦に到達。第32戦として10月8~9日開催された今季最後のロードコース戦『バンク・オブ・アメリカ・ローバル400』は、ドラマ満載の展開となった終盤に、タイヤギャンブルを成功させたクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が勝利を飾り、滑り込み大逆転での“ラウンド・オブ8”進出が確定。その一方、ディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、わずか2ポイント差でタイトル防衛を逃す結果に終わった。

 今季より導入された新規定車両“Next-Gen”で初のシーズンを戦ってきた一行だが、このプレーオフに入ってからもワンメイクタイヤのバーストによるアクシデントの影響が色濃く残り、第30戦テキサスでタイヤ不具合による“ハードヒット”を強いられたアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、引き続き脳震盪症状に対処するため2戦連続でドクターストップが掛かり、これでプレーオフ・ドライバーの権利を消失。同じく足首の骨折と診断されながら、前戦タラデガに強行出場したコディ・ウェア(リック・ウェア・レーシング/フォード・マスタング)も、今回は療養を余儀なくされた。

プレーオフ“脱落組”のタイラー・レディックが波乱に満ちた長い1日を制し3勝目/NASCAR第30戦

 プレーオフもいよいよ第二段階、16名から12名に絞られた“ラウンド・オブ12”初戦となった2022年NASCARカップシリーズ第30戦『オートトレーダー・エコパーク・オートモーティブ500』は、今季頻発するワンメイクタイヤ“バースト”による長いドラマとなった1日を乗り切り、タイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が今季3勝目を獲得。前戦のマルチクラッシュにより、僚友のオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)とともにプレーオフ進出権を逃していたレディックが、この日最多の77周をリードしてカップ戦オーバルでの初勝利を収めている。

ラウンド・オブ12進出を賭けた緊迫のプレーオフは、伏兵ブッシャーが今季19人目の勝者に/NASCAR

 2022年NASCARカップシリーズのプレーオフ3戦目、16名から12名に絞られる“ラウンド・オブ・16”最終ラウンドとなった第29戦『バスプロショップス・ナイトレース』は、最後の50周で執拗な追い上げを見せたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を振り切り、伏兵クリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)が待望のシーズン初優勝をマーク。今季19人目のカップウイナーとなっただけでなく、チームにとっては2017年7月にリッキー・ステンハウスJr.がトップチェッカーを受けて以来、そしてブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)をオーナードライバーに迎え入れたRFKにとっても初の勝利に。

 これで今季のプレーオフは、エリック・ジョーンズ(ペティ・GMSモータースポーツ/シボレー・カマロ)、ダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)、そしてブッシャーと“非進出”ドライバーが3戦連続の勝利を飾る異例の展開となっている。