ジャマイカ出身マッコーネルが初優勝。パストラーナは今季初の“複数勝者”に/NitroRX第4-6戦

 10月29~30日にカリフォルニア州のグレンヘレンで第4戦を実施し、11月12~13日にはアリゾナ州フェニックスでの第5戦/第6戦を開催した創設2年目の『Nitro Rallycross(ナイトロ・ラリークロス/NitroRX)』は、強豪ドレイヤー&レインボールド・レーシング・ウィズ・JCレーステクニーク(DRR JC)から参戦のジャマイカ出身ドライバー、フレイザー・マッコーネルが第4戦で待望のシリーズ初優勝を達成。

 そして2020年のNASCARカップ・シリーズ王者でもあるチェイス・エリオットと、今季のデイトナ500覇者オースティン・シンドリックの“カメオ出演”も話題を呼んだフェニックス・ワイルドホースパスでの1戦は、初代シリーズチャンピオンにも輝くトラビス・パストラーナが勝利し、2022-23年シーズン初の”リピートウイナー”となっている。

衝撃の結末。チャスティンが最終周に“ゲーム走り”を敢行し最終ステージ進出へ/NASCAR第35戦

 10月最後の週末となる29〜30日に、アメリア・ヴァージニア州に位置する最短トラック、マーティンスヴィル・スピードウェイで開催された2022年NASCARカップシリーズ第35戦『エクスフィニティ500』は、まさに前代未聞、衝撃的なファイナルラップの幕切れとなった。

 プレーオフ第3段階“ラウンド・オブ8”の最終戦として、次週フェニックスでの“チャンピオンシップ4”に向けた生き残りに熾烈な勝負が繰り広げられるなか、クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が『勝たなければならないレース』で2度目の奇跡を披露し、シーズンフィナーレ最後の4人に滑り込むプレーオフ2度目の必勝劇を演じてみせる。

レイトストップでラスト3周の逆転劇。ロガーノが“チャンピオンシップ4”進出確定/NASCAR第33戦

 いよいよプレーオフも大詰め、ここから8名による勝負が始まる“ラウンド・オブ8”初戦となった2022年NASCARカップシリーズ第33戦『ソウス・ポイント400』が、10月15~16日にラスベガス・モータースピードウェイで開催された。

 そのレース終盤、最後の16周を残すリスタートでフレッシュタイヤに履き替えたジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が、残り3周の“ウイニング・パス”でロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)を逆転し、今季4勝目を獲得。この段階で、早くも最終ステージ“チャンピオンシップ4”への進出を確定させた。

終盤のギャンブルを当てたトヨタのベルが、大逆転のラウンド・オブ8進出決定/NASCAR第32戦

 2022年NASCARカップシリーズのプレーオフも、いよいよ”ラウンド・オブ12”の最終戦に到達。第32戦として10月8~9日開催された今季最後のロードコース戦『バンク・オブ・アメリカ・ローバル400』は、ドラマ満載の展開となった終盤に、タイヤギャンブルを成功させたクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が勝利を飾り、滑り込み大逆転での“ラウンド・オブ8”進出が確定。その一方、ディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、わずか2ポイント差でタイトル防衛を逃す結果に終わった。

 今季より導入された新規定車両“Next-Gen”で初のシーズンを戦ってきた一行だが、このプレーオフに入ってからもワンメイクタイヤのバーストによるアクシデントの影響が色濃く残り、第30戦テキサスでタイヤ不具合による“ハードヒット”を強いられたアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、引き続き脳震盪症状に対処するため2戦連続でドクターストップが掛かり、これでプレーオフ・ドライバーの権利を消失。同じく足首の骨折と診断されながら、前戦タラデガに強行出場したコディ・ウェア(リック・ウェア・レーシング/フォード・マスタング)も、今回は療養を余儀なくされた。

ついに“プレーオフ”ドライバーが制圧。チェイス・エリオットが今季最多5勝目/NASCAR第31戦

 10月1~2日の週末に、アメリカはアラバマ州タラデガ・スーパースピードウェイで開催された2022年NASCARカップシリーズ第31戦、プレーオフ“ラウンド・オブ12”の2戦目ともなる『イェラウッド500』は、ラストラップ・バトルでライアン・ブレイニー(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)を退けたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、今季最多となるシーズン5勝目を獲得。

 プレーオフ突入からここまでの4戦すべてで“非進出ドライバー”が勝利を挙げる前例のない展開を打ち破ったエリオットは、自身にとっても前戦のクラッシュで失ったポイントリーダーの座をわずか1戦で取り返す、起死回生のトップチェッカーとなった。

プレーオフ“脱落組”のタイラー・レディックが波乱に満ちた長い1日を制し3勝目/NASCAR第30戦

 プレーオフもいよいよ第二段階、16名から12名に絞られた“ラウンド・オブ12”初戦となった2022年NASCARカップシリーズ第30戦『オートトレーダー・エコパーク・オートモーティブ500』は、今季頻発するワンメイクタイヤ“バースト”による長いドラマとなった1日を乗り切り、タイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が今季3勝目を獲得。前戦のマルチクラッシュにより、僚友のオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)とともにプレーオフ進出権を逃していたレディックが、この日最多の77周をリードしてカップ戦オーバルでの初勝利を収めている。

ラウンド・オブ12進出を賭けた緊迫のプレーオフは、伏兵ブッシャーが今季19人目の勝者に/NASCAR

 2022年NASCARカップシリーズのプレーオフ3戦目、16名から12名に絞られる“ラウンド・オブ・16”最終ラウンドとなった第29戦『バスプロショップス・ナイトレース』は、最後の50周で執拗な追い上げを見せたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を振り切り、伏兵クリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)が待望のシーズン初優勝をマーク。今季19人目のカップウイナーとなっただけでなく、チームにとっては2017年7月にリッキー・ステンハウスJr.がトップチェッカーを受けて以来、そしてブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)をオーナードライバーに迎え入れたRFKにとっても初の勝利に。

 これで今季のプレーオフは、エリック・ジョーンズ(ペティ・GMSモータースポーツ/シボレー・カマロ)、ダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)、そしてブッシャーと“非進出”ドライバーが3戦連続の勝利を飾る異例の展開となっている。