トヨタのラトバラ代表、4台目のGRヤリスをプライベーターに貸し出す可能性を明言/WRC

 11月18日に早くも2023年シーズンの参戦体制を発表したTOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表は、来季のWRC世界ラリー選手権において、4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1を貸し出す可能性があることを明らかにした。

 2021年シーズンに続き、2年連続で“トリプルクラウン”を達成したトヨタ。同陣営は既報のとおり、来シーズンに向けて一部体制変更を行い日本人WRCドライバー勝田貴元をワークスチームに昇格させることを決定。新王者カッレ・ロバンペラ、エルフィン・エバンスの2名をフルタイムドライバーとして継続起用しつつ、勝田と8冠王者セバスチャン・オジエが3台目のワークスカーをシェアしながらシーズンを戦っていくことをアナウンスした。

恐るべきスピードで他を圧倒。WRC最年少王者ロバンペラ、半数以上のパワーステージで最速タイム

 2022年、WRC世界ラリー選手権に新しい歴史が刻まれた。トヨタのカッレ・ロバンペラが、22歳と1日という新記録でシリーズ史上もっとも若いワールドチャンピオンとなったのだ。

 これまでのレコードは1995年にWRC王者となった故コリン・マクレーの27歳と109日であったことから、その更新幅の大きさには驚くばかり。しかし、今季のロバンペラの活躍を見る中でもうひとつの驚きとなったのは、ステージ上位5台のクルーとマニュファクチャラーにボーナスポイントが付与される“パワーステージ”でのずば抜けたスピードだった。

勝田貴元がトヨタ最上位の3位獲得。GRヤリス・ラリー1は、計11本のステージで最速タイムを記録

 11月13日(日)、WRC世界ラリー選手権第13戦『ラリー・ジャパン』の競技最終日デイ4が、豊田スタジアムのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合4位でフィニッシュ。チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合5位、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合12位でフィニッシュした。

 サテライトチームのTOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから初のWRC母国ラウンドに出場した勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はトヨタ勢最上位となる総合3位となり、表彰台を獲得した。

ヌービル「来年はもっと強くなりたい」勝田「本当に特別な日です」【ラリージャパン・トップ3会見】

 愛知県と岐阜県で開催されたWRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』。11月13日、ラリー最終日の戦いを終えて今戦の勝者となったティエリー・ヌービル、2位のオット・タナク、母国ラリーで3位を獲得した勝田貴元、そして優勝マニュファクチャラーであるヒョンデのチーム副代表ジュリアン・モンセが会見に登場しそれぞれの想いを語った。

優勝:ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)

愛知出身の勝田貴元が地元開催のラリージャパンで3位フィニッシュ「何とか乗り切ることができました」

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し、WRC世界ラリー選手権にフル参戦している勝田貴元が、11月10日(木)から13日(日)にかけて愛知県と岐阜県で開催されたWRC第13戦『ラリージャパン』に出場。お馴染みのアーロン・ジョンストンとのペアでトヨタGRヤリス・ラリー1を駆り、2022年シーズン2度目となる総合3位表彰台を獲得した。

 愛知県出身の勝田にとって、2010年大会以来12年ぶりの開催となった『ラリージャパン』は、初のWRC母国ラウンドであり“ホームラリー”でもあった。とはいえ、以前の北海道大会と打って変わってターマック(舗装路)イベントとなった今大会については、勝田も他の選手と同様に初出場であり、アドバンテージはほとんどない状態でラリーを開始することとなった。

勝田貴元、今季2度目の3位表彰台も「嬉しいですが、まだまだ満足できない」/ラリージャパン

 11月10日から13日にかけて、愛知県と岐阜県で開催されたWRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』において、日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合3位表彰台を獲得した。

 自身初の母国開催となったWRCイベントで総合4番手を走り、最終日となった13日(日)にそこから順位をひとつ上げた勝田。彼は、最後のステージとなったSS19で8度の世界王者であるセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)の追撃を振り切って3位表彰台を手にしたいま、「正直、本当にほっとしています」と語った。

トヨタ、優勝を争うエバンスが2番手で最終日へ。勝田は4番手につける「雨はチャンスにもなり得る」

 11月12日(土)、WRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン』の競技3日目が、愛知県豊田市のサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合2番手、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合5番手につけた。

 一方、総合3番手でラリー3日目を迎えたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合11番手に後退。TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから今戦に出場している勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合4番手に順位を上げている。

トヨタ、波乱続きのデイ2でエバンスが首位浮上「ドライバーもクルマも非常に調子が良い」

 11月11日(金)、WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』の競技2日目が豊田スタジアムのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立った。また、チームメイトのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合3位に順位を上げたが、デイ1で首位に立ったセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合10番手に後退している。
 
 TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから参戦している勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は総合5番手でデイ2を走破した。

12年ぶりのWRC日本ラウンド『ラリージャパン』が開幕。トヨタのオジエが初日首位

 11月10日(木)、WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン』が愛知県豊田市で開幕した。同日、4日間にわたるラリーのオープニングステージとしてナイトステージが1本行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマーク。総合首位に立った。
 
 チームメイトのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合5番手、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)33号車)が総合6番手につけた。また、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから参戦している勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は総合7番手でラリー初日を走破している。

【いざ、ラリージャパン2022】注目の参戦ドライバー紹介/Vol.4『セバスチャン・オジエ』

 いよいよ日本に帰ってくる、ラリージャパン。WRC世界ラリー選手権『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』が、11月10~13日にシーズン最終戦として愛知県と岐阜県を舞台に開催される。北海道での開催以来、実に12年ぶりのカムバックとなる日本での世界選手権を楽しみ尽くすべく、ここではエントリーリストに名を連ねる有力参戦ドライバーや、今季より導入の最高峰“ラリー1”クラスの最新ハイブリッド車両の成り立ちや個性を紹介する。その第4回は、初代“セバスチャン”の後継者としてWRC黄金時代を継承したフランス出身の天才、フォルクスワーゲンとフォード時代の6連覇を含む、8度のワールドチャンピオンに輝いた新世代レジェンド【セバスチャン・オジエ】にスポットを当てる。

 体操選手として代表クラスの実力を持っていたセバスチャン・ローブの“絶対王政”を止めたのは、同じくラリーストになる前にスキーインストラクターとして仕事をしていたオジエだった。