WECハイパーカー3連覇を目指すトヨタの懸念。新しいライバルに対し「後手に回っている」と技術責任者

 TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、日本のメーカーがWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦するライバルメーカーに比べ、自分たちはテストの面で「後手に回っている」と考えている。

 昨シーズンに続き2022年もダブルチャンピオンを獲得したトヨタは、2023年にトヨタGR010ハイブリッドで3年目のシーズンを迎える予定だ。その来シーズンはLMDhカーでファクトリープログラムを行うポルシェとキャデラック、そして、先月発表された新型LMH規定車『499P』でプロトタイプレースに復帰するフェラーリと競争を繰り広げることになる。

“謙虚で速い”19歳の新鋭現る。プジョー9X8で新人最速のヤコブセン「大きな夢が実現」/WECルーキーテスト

 11月13日にバーレーンで行われたWEC世界耐久選手権のルーキーテスト。WECに参戦する各チームは、シリーズ内外のさまざまなドライバーを走らせることができるが、ハイパーカークラスで目立ったタイムを残したのは、プジョー・トタルエナジーズからエントリーしたデンマーク籍の19歳、マルテ・ヤコブセンだった。

 WEC最終戦翌日に計5時間行われたセッションで、ルーキー最速タイムをマークしたヤコブセンは、「1秒1秒をエンジョイした」と走行を振り返っている。

オリバー・ジャービス離脱の王者MSR、アキュラARX-06のドライバーにコリン・ブラウンを起用/IMSA

 2022年にIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスを制したメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)は、新型LMDh車両『アキュラARX-06』を新たな最高峰クラスであるGTPへと投入する2023年のレギュラードライバーとして、コリン・ブラウンを起用すると発表した。

CARGUY Racingの2日間に渡るイベントは盛況に終わる。雨でも多くのクルマ好きが満喫

 11月20日、GTワールドチャレンジ・アジアやヨーロピアン・ル・マン・シリーズ等で活躍するCARGUY Racingが、静岡県小山町の富士スピードウェイショートコースで、『CARGUY RUN』と題したイベントを行った。レーシングチーム単独のイベントとしてはなかなか類をみないほどの大規模なイベントで、集まった多くのクルマ好きがイベントを楽しんだ。

新たな御殿場巨大工場で『CARGUY NIGHT』がド派手に開幕! スーパーカーが集結

 11月19日、GTワールドチャレンジ・アジアやヨーロピアン・ル・マン・シリーズ等で活躍するCARGUY Racingが、静岡県小山町に購入した新たなファクトリー『御殿場巨大工場』を使って、チーム代表である木村武史が社長を務める株式会社ルーフ、さらにCARGUYとともにモータースポーツやクルマ業界に携わる仲間、さらには一般のクルマ好きの一般のファンも招き、『CARGUY NIGHT』と題したパーティを開催した。

【動画】ファーフスらBMWドライバーに密着したドキュメンタリーが公開。新型LMDhテストの様子も

 2023年に新設されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のトップカテゴリー、GTPクラスに『BMW MハイブリッドV8』を投入し、北米の耐久シリーズを戦っていくBMWが、開発中の新型LMDhカーのテストやロサンゼルスでの発表会の様子を紹介する映像を公開した。

 BMW Mの公式YouTubeチャンネルで視聴可能となっている『MBEDED』シリーズは、BMW Mモータースポーツのレースプログラムに関する独占的な洞察を提供するものだ。担当者に密着し、主要な決定がどのようになされるのかなど、普段は決して見ることのできない面を視聴者に届けている。

ABS付きで“政治が絡む”GT3に興味なし。トップアマのベン・キーティング、2023年でWEC参戦は終了へ

 2022年のWEC世界耐久選手権LMGTEアマクラス王者となったベン・キーティングは、新たにシボレー・コルベットC8.Rを走らせることになる2023年シーズンが、WECフル参戦最後の年になる見込みであることを明らかにした。

2023年『タイヤウォーマー禁止』で様相一変? 「最も挑戦的なのはスパ」「アマに寄り添う」

 WEC世界耐久選手権にタイヤを供給しているミシュランとグッドイヤーは、2023シーズンから始まるとされるタイヤウォーマー使用禁止に向け、準備を進めている。

 この禁止措置は、タイヤを加熱することによる環境負荷をなくすために行われるものとみられており、シリーズ主催者であるFIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブから正式に発表されたものではないものの、タイヤサプライヤーとチームはすでに2022年のうちから、この措置に向け動いてきた。

■ハイパーカーではタイヤ設計を「見直し」

チームWRT、BMWへのスイッチ初年度から“大所帯”に。総勢7〜8台のM4 GT3を導入へ

 チーム代表のヴァンサン・ボッセは、チームWRTが2023年、7~8台のBMW M4 GT3でレースプログラムに取り組む予定であることを明らかにした。

 2022年シーズンをもって13年に及んだアウディとの関係を終了させたWRTは、2024年にBMW Mハイブリッド V8でWEC世界耐久選手権に参戦するが、GT3レースでは2023年からBMWとのプログラムを開始する。彼らはその初年度から、大規模なフリートを編成する構えだ。