オリバー・ジャービス離脱の王者MSR、アキュラARX-06のドライバーにコリン・ブラウンを起用/IMSA

 2022年にIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスを制したメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)は、新型LMDh車両『アキュラARX-06』を新たな最高峰クラスであるGTPへと投入する2023年のレギュラードライバーとして、コリン・ブラウンを起用すると発表した。

ポルシェ963のデイトナ参戦はワークス車のみの公算大。カスタマーカーの用意は「非常に難しい」

 2023年から新しいLMDhカーをWEC世界耐久選手権と、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方で走らせるポルシェは、できるだけ早期に『ポルシェ963』のカスタマーカーを顧客の手に渡そうと「プッシュしている」という。しかし、ポルシェ・モータースポーツのトーマス・ローデンバッハは、これらの新型マシンがデイトナ24時間に間に合う可能性を基本的に否定している。

 来年のWECハイパーカークラスと、IMSAのDPiクラスに取って代わるGTPクラスに向けて、計4台のポルシェ963を顧客に割り当てているドイツのメーカーは、プライベーターチームがクルマを受け取る時期を確定させていない。

最後のふたりはマコウィッキとタンディ。ポルシェ963の10名のワークスドライバーが確定

 11月14日、ポルシェは2023年のLMDhワークスチームのドライバーとして、ニック・タンディとフレデリック・マコウィッキを起用すると発表した。

 2023年、ポルシェはファクトリーチームの『ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ』として、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスと、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスに、それぞれ2台の新型LMDh車両『ポルシェ963』を投入する。

 通常、WECでは3名体制、IMSAでは長距離戦を除き2名体制となることから、4台のワークス963に対して10名のドライバーが必要となるが、すでに発表されていた8名に、新たにタンディとマコウィッキの名前が加えられることとなった。

WEC&IMSA参戦予定のキャデラック、セブリングで新型LMDhの24時間耐久テストを実施

 キャデラックV-LMDhで2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスと、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦するチップ・ガナッシ・レーシングは、来年1月にデビューする新型プロトタイプカーの24時間耐久テストを完了させた。

 このテストの会場となったのはアメリカ、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイ。チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)は、1台のキャデラックと6人のドライバーでセブリング12時間レース2回分に相当するシミュレーションを実施した。

MSRに最強助っ人ふたたび。カストロネベス、パジェノーを起用しデイトナ連覇を目指す/IMSA

 エリオ・カストロネベスとシモン・パジェノーは、2023年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦のドライバーとして、メイヤー・シャンク・レーシング(MSR)から来季第1戦デイトナ24時間レースに出場する。また、カストロネベスはデイトナ以外にも3つある長距離イベントにも同チームから参加することが決定した。

 MSRのパイロットとしてNTTインディカー・シリーズに参戦している両名は、ウェザーテック選手権のフルシーズン・ドライバーであるトム・ブロンクビストと未発表のもうひとりとともに、同チームの新型LMDhマシン『アキュラARX-06』でデイトナ大会に参戦する。

キャデラックV-LMDh、1万1千kmを超えるテストで「大きな進歩」24時間テストも実施へ

 GMのスポーツカー・レーシング・プログラムマネジャーのローラ・ウォントロップ・クラウザーによれば、キャデラックは新型LMDh車両『V-LMDh』の開発において11,000kmを超えるテストを行い、「大きな進歩」を遂げているという。

 キャデラックは2023年、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスに2台、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに1台のキャデラックV-LMDhを投入する。

アキュラARX-06、次週IMSA公認テストで“2台目”を追加。ポルシェ963は不参加、セブリングでの36時間テストへ

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権は、10月1日にジョージア州ロード・アトランタで開催される『プチ・ル・マン』10時間レースをもって、2022年シーズンを終了する。このレースをもって、現行トップカテゴリーであるDPiはその歴史に幕を下ろす。

 そして最終戦のレースウイーク明けには、LMDh車両がトップカテゴリーにデビューする2023年に向け、シリーズは早くも動き出すことになる。10月3〜5日、最終戦の舞台と同じロード・アトランタにて、IMSA公認テストが開催され、ここでアキュラ、キャデラック、BMWの新型LMDhマシンが走行を予定しているのだ。

 最終戦のレースウイークに入り、これらのテストを含めたLMDhマニュファクチャラーの最新動向が見えてきたので、以下にまとめてお伝えする。

■プロトンが両シリーズでポルシェ963のカスタマーに?

ファーフス、BMWの開発状況に自信。新型LMDhは「正しい道を進んでいる」/IMSA

 BMW MチームRLLのフルタイムドライバーとして、来季のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスで新型LMDhマシンをドライブするアウグスト・ファーフスとニック・イェロリーは、BMW MハイブリッドV8がこれまでのテストにおいて有望な進歩を遂げ、箱から出してすぐにでも競争力を発揮することができると考えている。

 ファーフスとイェロリーは先週、同じくBMWワークスドライバーであるコナー・デ・フィリッピ、フィリップ・エングとともにBMW MチームRLLでIMSA GTPの最初のフルシーズンを戦うドライバーとなることがアナウンスされた。

トヨタドライバーのIMSA参戦は「ケース・バイ・ケース」で判断も「可夢偉には別の問題がある」とバセロン

 WEC世界耐久選手権に参戦するトヨタGAZOO Racingのテクニカル・ディレクターを務めるパスカル・バセロンは、同チームに所属するドライバーが2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に他メーカーのLMDh車両で参戦することを「ケース・バイ・ケース」で許可すると明らかにした。