トヨタとタイトルを争うアルピーヌ「チャンスをものにする準備はできている」とラピエール/WECバーレーン

 WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦するアルピーヌ・エルフ・チームのドライバー、ニコラ・ラピエールは、トヨタGAZOO Racingとのタイトルをかけた最終決戦となる2022年第6戦バーレーン8時間レースに向けて「戦う準備はできている」と語っている。

 36号車アルピーヌA480・ギブソンをドライブするラピエールとアンドレ・ネグラオ、マシュー・バキシビエールの3人は、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮からなるトヨタ8号車と同ポイントで並び、11月12日に決勝が行われるシーズン最終戦へと臨む。

トヨタがエンジニアを変更。妻の出産が迫るドライバーetc.【WECバーレーン水曜Topics】

 11月9日(水)、バーレーン・インターナショナル・サーキットは、WEC世界耐久選手権第6戦『バーレーン8時間』レースの走行前日を迎えた。いよいよ2022年最終戦、すべてのタイトルが決する舞台とあってパドックの緊張感は高まりつつあるようだが、水曜日のサーキットでは関係者が皆、空を見上げていたという。

 そんなバーレーンから、走行前日に得られた各種トピックスをお届けする。すでに来季に向けても、いろいろと動き出しているようだ。

■サーキットに響く轟音の正体

トヨタ、2023年のGR010ハイブリッドに“エボ・ジョーカー”を投入へ。完全な新車の導入は否定

 WEC世界耐久選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racingのテクニカルディレクター、パスカル・バセロンは、2023年シーズンに向けてトヨタが新型車両を開発することを否定し、現行のGR010ハイブリッドを進化させて対応することを認めた。

■「“ジョーカー”の公表はしたくない」

注目はトヨタとアルピーヌの同点対決。最終レースのGTEプロも激戦必至【スケジュール&基本情報/WEC第6戦バーレーン】

 全6戦で争われる2022年のWEC世界耐久選手権は、いよいよ最終戦のバーレーン8時間レースを迎える。すべてのクラスのタイトルが決まる第6戦は11月10〜12日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される。決勝は現地時間の土曜午後スタート、夜を迎えてのフィニッシュとなる。

フェラーリからランボルギーニへの移行に“空白の一年”。アイアン・リンクス、ポルシェでのWEC参戦を検討?

 ランボルギーニとパートナーシップを結び、2024年からWEC世界耐久選手権およびIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で公式オペレーティングチームとしてランボルギーニLMDh車両を走らせることになったイタリアのアイアン・リンクス。

 彼らはGT3プログラムにおいても2023年からランボルギーニのウラカンGT3 EVO2へと車両を切り替えることを明らかにしているが、ここで問題となるのが2023年のWECプログラムだ。

プジョー9X8は軽量化、トヨタは出力微減の調整。WEC最終戦バーレーンのBoPが発表

 今週11月10日に開幕するWEC世界耐久選手権2022年シーズンのフィナーレに向け、ハイパーカークラスとLMGTEクラスのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)が発表された。トップクラスを戦う『プジョー9X8』は、第6戦バーレーンで軽量化が認められた一方、前戦富士6時間レースで圧勝したトヨタのハイパーカーは若干の出力制限を受けている。

 FIA国際自動車連盟が発表したハイパーカーBoPテーブルによると、プジョーの最低重量は1049kgとなっており、第5戦富士の設定から12kgの軽量化が図られている。一方、“ウイングレス”のハイパーカーはスティントあたりの最大エネルギー量が1MJ減り908MJとなった。

緊迫の“同点決戦”に臨むトヨタ「気持ちを楽にして、レースウイークを迎える」と平川亮/WEC第6戦

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は11月10日(木)から12日(土)にかけて中東バーレーンで行われるWEC世界耐久選手権の2022年最終戦、第6戦バーレーン8時間レースで、シリーズタイトルをかけた大一番に臨む。

 WECのハイパーカーカテゴリーは、今季ここまで5戦にわたる激戦を続けられてきたが、マニュファクチャラーとドライバーのチャンピオン争いは、共にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される最終戦へと持ち込まれた。

アイアン・リンクス、GTもランボルギーニに鞍替え。ウラカンGT3 EVO2で2023年からIMSAとGTWCに参戦

 現在フェラーリの車両でGTレースを戦っているアイアン・リンクスが、来季からランボルギーニのファクトリーサポートを受けてGT3レースに挑むことが発表された。IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のミシュラン・エンデュランス・カップと、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSに参戦する。

 11月5日にポルティマオで開催されたランボルギーニ・グランド・ファイナルズで発表されたとおり、2024年から参戦が始まるLMDhプログラムにおいて、ランボルギーニはアイアン・リンクスと提携することになった。

 だが、両者のコラボレーションはひと足早く2023年のGTカテゴリーで始まり、アイアン・リンクスはIMSA開幕戦のデイトナ24時間にランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO2を3台投入、そのうちの1台は女性ドライバーラインアップの“アイアン・デイムズ”として参戦する予定だ。

WEC&IMSA参戦予定のキャデラック、セブリングで新型LMDhの24時間耐久テストを実施

 キャデラックV-LMDhで2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスと、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦するチップ・ガナッシ・レーシングは、来年1月にデビューする新型プロトタイプカーの24時間耐久テストを完了させた。

 このテストの会場となったのはアメリカ、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイ。チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)は、1台のキャデラックと6人のドライバーでセブリング12時間レース2回分に相当するシミュレーションを実施した。

ランボルギーニがアイアン・リンクスと提携。LMDhの公式運営チームとして2024年WEC&IMSAに参戦へ

 ランボルギーニは11月5日、2024年から始まるWEC世界耐久選手権およびIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権におけるLMDhプログラムで、アイアン・リンクスが公式運営チームとなることを発表した。

 アイアン・リンクスはこれまで、フェラーリとともにWEC、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、ファナテックGTワールド・チャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSなどのGTレースを戦ってきており、2021年のスパ24時間レースでは優勝も果たしているが、トップレベルのスポーツカーレースへのデビューにおいては、新たなマニュファクチャラーと手を組むこととなった。