F1イタリアGP主催者が観客に謝罪。週末3日間で33万人が来場も、インフラや運営面の不備で不満続出

 F1イタリアGPの主催者は、モンツァでのレースに来場したファンに対し、イベントを通じて多くの不便があったことを謝罪した。

 2022年F1世界選手権第16戦イタリアGPは、3日間で33万6000人の観客がモンツァのゲートを通り抜け、大成功を収めた。しかしながら、この数字はサーキットのインフラと運営にとって重圧となった。

レッドブルF1、RB18の開発がペレスの利益になっていないと認める「マックスに勝つための自信を持つのが困難に」

 レッドブルは、2022年型マシン『RB18』の開発はセルジオ・ペレスにとっては不利益なものだったことを認めている。優勝を狙えるマシンが進化するにしたがって、ペレスの自信は低下していったという。

 今シーズンこれまでに11勝を上げているマックス・フェルスタッペンは、ミハエル・シューマッハーとセバスチャン・ベッテルがともに保持している1シーズン13勝の記録に並ぶか、もしくは越える勢いだ。フェルスタッペンの猛攻はシーズン序盤から緩やかに始まったもので、その頃はペレスがフェルスタッペンと肩を並べていた。ペレスはサウジアラビアGPでポールポジションを獲得したし、モナコでの輝かしいレースでは完勝だった。

【全ドライバー独自採点/F1第16戦】話題をさらったルーキー、デ・フリース。急な代役出場で非の打ち所がない走り

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回はイタリアGPでの戦いぶりを振り返る。

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■評価 10/10:準備不足の状態で完璧なパフォーマンスを発揮したデ・フリース

ニック・デ・フリース(ウイリアムズ):予選13番手/決勝9位

 ルーキーのニック・デ・フリース(ウイリアムズ)が話題をさらった週末だった。イタリアでアレクサンダー・アルボンの病欠により思わぬチャンスが訪れ、夢のようなデビューを飾ったデ・フリース。5月のスペインGPにおいてウイリアムズからFP1走行を経験した後、フランスではメルセデスから、イタリアではアストンマーティンからFP1に参加した。とはいえ、ウイリアムズに関する最新情報は知らず、ピレリC4タイヤでの経験もなく、もちろんF1レースで走ったこともない。そんな彼がFP3で36分走っただけで、予選に臨まなければならなかった。

元F1王者ビルヌーブがアルピーヌA521をドライブ「スピードの理解に苦労。映画を早送りで見ているようだった」と衝撃

 元F1チャンピオンのジャック・ビルヌーブは、モンツァでアルピーヌの2021年型マシン『A521』のテスト走行を行ったが、かつて彼が知っていたF1とはまったく違う経験をしたことを認めた。彼は頭のなかで現代のグランプリマシンの「速さとグリップを理解するのに苦労した」という。

 1997年のF1世界チャンピオンであるビルヌーブは、アルピーヌからイタリアGP後のA521テスト走行に招待された。このためにビルヌーブは、アルピーヌのシミュレーター作業をしてマシンに慣れるための準備をした。

ピアストリ問題を語るアルピーヌCEO。契約上ミスがあったと認めるも「彼はウイリアムズ行きを嫌がるべきでなかった」

 アルピーヌのCEOを務めるローラン・ロッシは、オスカー・ピアストリはアルピーヌのレギュラードライバーになる前にウイリアムズで経験を積むというルートを辿ることを嫌がったとして、彼の価値観を受け入れることはできないと語った。ルノー/アルピーヌの育成ドライバーで今年はリザーブドライバーを務めるピアストリは、アルピーヌから2023年にF1デビューを果たす道筋ができたにもかかわらず、マクラーレンへの移籍を選んだ。

 FIA契約承認委員会は、ピアストリとアルピーヌ、マクラーレンの契約問題を審査した結果、ピアストリとアルピーヌは正当な契約関係になく、ピアストリは来シーズン、マクラーレンに移籍することができるという裁定を下した。

アルファタウリF1加入が噂されるデ・フリース、レッドブル首脳と会談と認める。ウイリアムズやアルピーヌとも交渉中

 アルファタウリの2023年ドライバー候補に浮上したとうわさされているニック・デ・フリースは、レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコと会談したことは事実であると認めた。ただ、デ・フリースは、ウイリアムズやアルピーヌとも交渉を行っており、来季F1参戦についてはまだ何も決まっていないと述べている。

 FIA F2選手権とフォーミュラE選手権でタイトルを獲得した経験を持つデ・フリースに、ようやくF1フル参戦への大きなチャンスが訪れようとしている。イタリアGPの土曜、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが虫垂炎により欠場を強いられた際、デ・フリースが急きょ代役を務め、予選で13番手、決勝では9位入賞を果たし、大勢の人々から賞賛を受けた。

アルピーヌF1、次戦シンガポールGPでアップデートを予定。新フロア投入でダウンフォース改善を狙う

 アルピーヌは、次戦F1第17戦シンガポールGPでは、A522の新たなフロアと「ダウンフォースの大幅な改良」から恩恵を受けることになるだろうと述べている。

 チームにとってこのアップデートは、開発上タイムリーなものとなった。チームはシーズン終盤戦に臨むにあたり、コンストラクターズ選手権においてマクラーレンに18ポイント差で先行しており、この2チームは選手権4位争いをしている。

【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第14/15/16戦】ドライバーに心の平和を与えないチームのやり方に疑問

 2022年、アルファタウリの角田裕毅は、F1での2シーズン目を戦っている。昨年に続き、エディ・エディントン氏が、グランプリウイークエンドを通して角田の動きをくまなくチェックし、豊富な経験をもとに、彼の成長ぶり、あるいはどこに課題があるのかを忌憚なく指摘する。今回は2022年F1第14戦ベルギーGP、第15戦オランダGP、第16戦イタリアGPについて語ってもらった。

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 翌年の契約がないまま9月を迎えた場合、ドライバーは非常に強いストレスを抱えた状態に置かれる。チームボスは、毎日のように「君は来年残れるよ」と言っているかもしれないし、チームオーナーも毎週電話をしてきて「来年誰かと交代させるつもりはない」と保証してくれているかもしれない。それでも実際に書類にサインをするまでは、疑心暗鬼の状態で、熟睡はできないし、仕事に100パーセント集中もできない。

デ・フリースは引く手数多か。ウイリアムズにとってアルボンとのペアは「魅力的すぎる」と元F1ドライバーが指摘

 元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、ウイリアムズにとってアレクサンダー・アルボンとニック・デ・フリースのラインアップは、却下するには魅力的すぎるだろうと考えている。

 2021年以来、デ・フリースはウイリアムズのドライバー候補として取り沙汰されている。前戦イタリアGPではアルボンが突然虫垂炎にかかり、想定外の欠場をしたことから、チームはデ・フリースを代役に抜擢したのだ。

ブラウンGPのF1タイトル獲得を扱うドキュメンタリー番組の配信が決定。キアヌ・リーブスが制作に携わる

 ブラウンGPの2009年F1世界選手権タイトル獲得までの驚くべきストーリーを記録した4部構成のドキュメンタリーが、ストリーミングサービスの『Disney+』から配信される予定であることが明らかになった。

 これは『ブラウン:1ポンドのF1チーム』というタイトルのドキュメンタリーシリーズで、『マトリックス』や『ジョン・ウィック』への出演で知られるスター俳優キアヌ・リーブスがナレーションを担当し、F1における並外れたサクセスストーリーのひとつに関与した、すべての重要人物が登場するという。