【動画】フェラーリ、ティフォシの大歓声も伝わるF1イタリアGPレースウイークの舞台裏を公開

 スクーデリア・フェラーリは、チームのホームレースある2022年F1第16戦イタリアGPの舞台裏を動画で公開。フェラーリにとって母国イタリアでのグランプリは、シーズンで最も重要なレースといっても過言ではない。しかも今年はモンツァ・サーキット開場100周年とフェラーリ創業75周年の記念イヤーだ。チームも例年以上に力が入る。

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第12回】速度で勝るライバル勢を追い抜いたミックと、またも疑問の残るレース運営

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。3連戦の最後を飾るのは、超高速サーキットのモンツァを舞台に争われるイタリアGPだ。ハースはモンツァ仕様のパッケージを持ち込んでいないため、苦戦を覚悟していたが、フリー走行を十分に走れなかったミック・シューマッハーが入賞には届かないながらも素晴らしいリカバリーを見せた。そんなイタリアGPの現場の事情を小松エンジニアが振り返ります。

F1イタリアGPでの黄旗無視は「無線で誤解があり減速しなかった」と角田裕毅。再発防止を誓う

 角田裕毅(アルファタウリ)は、2022年F1第16戦イタリアGPのフリー走行2回目で受けたペナルティについて「不必要だった」と振り返ったうえで、それがエンジニアとの「コミュニケーションミス」によるものだったと説明した。

 角田はF1イタリアGPのFP2で、イエローフラッグ下で十分な減速をしなかったとして3グリッドの降格処分を受けた。角田はすでにパワーユニット交換による最後尾スタートが決定していたためレースへの影響はなかったが、ペナルティポイントが2点加算され累積8点となった。

アルファタウリF1コラム:アップデートの理解が深まり、パフォーマンス改善が見えた3連戦。角田は予選一発の安定感を発揮

 シーズン後半戦のスタートを飾る3連戦で、アルファタウリにはポジティブとネガティブの両面があった。

 ポジティブだったのは、マシンにポテンシャルがあったということだ。第14戦ベルギーではやや苦戦してピエール・ガスリーが予選12番手止まりだったものの、角田裕毅もフロアダメージ起因のターン13でのスナップがなければ同等のタイムが出せていたはずだ。そして2台ともにピットレーンスタートとなったもののガスリーが入賞を果たす速さを見せた。第15戦オランダ、第16戦イタリアでもQ3に進出し、シーズン前半戦に停滞していたピュアパフォーマンスを改善できたのは大きかった。

F1イタリアGP主催者が観客に謝罪。週末3日間で33万人が来場も、インフラや運営面の不備で不満続出

 F1イタリアGPの主催者は、モンツァでのレースに来場したファンに対し、イベントを通じて多くの不便があったことを謝罪した。

 2022年F1世界選手権第16戦イタリアGPは、3日間で33万6000人の観客がモンツァのゲートを通り抜け、大成功を収めた。しかしながら、この数字はサーキットのインフラと運営にとって重圧となった。

【全ドライバー独自採点/F1第16戦】話題をさらったルーキー、デ・フリース。急な代役出場で非の打ち所がない走り

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回はイタリアGPでの戦いぶりを振り返る。

───────────────────────────

■評価 10/10:準備不足の状態で完璧なパフォーマンスを発揮したデ・フリース

ニック・デ・フリース(ウイリアムズ):予選13番手/決勝9位

 ルーキーのニック・デ・フリース(ウイリアムズ)が話題をさらった週末だった。イタリアでアレクサンダー・アルボンの病欠により思わぬチャンスが訪れ、夢のようなデビューを飾ったデ・フリース。5月のスペインGPにおいてウイリアムズからFP1走行を経験した後、フランスではメルセデスから、イタリアではアストンマーティンからFP1に参加した。とはいえ、ウイリアムズに関する最新情報は知らず、ピレリC4タイヤでの経験もなく、もちろんF1レースで走ったこともない。そんな彼がFP3で36分走っただけで、予選に臨まなければならなかった。

【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第14/15/16戦】ドライバーに心の平和を与えないチームのやり方に疑問

 2022年、アルファタウリの角田裕毅は、F1での2シーズン目を戦っている。昨年に続き、エディ・エディントン氏が、グランプリウイークエンドを通して角田の動きをくまなくチェックし、豊富な経験をもとに、彼の成長ぶり、あるいはどこに課題があるのかを忌憚なく指摘する。今回は2022年F1第14戦ベルギーGP、第15戦オランダGP、第16戦イタリアGPについて語ってもらった。

──────────────────

 翌年の契約がないまま9月を迎えた場合、ドライバーは非常に強いストレスを抱えた状態に置かれる。チームボスは、毎日のように「君は来年残れるよ」と言っているかもしれないし、チームオーナーも毎週電話をしてきて「来年誰かと交代させるつもりはない」と保証してくれているかもしれない。それでも実際に書類にサインをするまでは、疑心暗鬼の状態で、熟睡はできないし、仕事に100パーセント集中もできない。

フレッチェ・トリコローリのパフォーマンス実施を批判したベッテル。F1イタリアGP主催者は「非礼」と反論

 モンツァでのF1イタリアGPのレース直前にイタリア空軍のアクロバット部隊によるフライバイが行われたことを、4度の世界チャンピオンであるアストンマーティンのセバスチャン・ベッテルが激しく批判したことについて、F1イタリアGP主催者であるイタリア自動車クラブ(ACI)ミラノ支部が反論した。

 サステナビリティを追求する熱心な運動家となっているベッテルは、その批判のほとんどを、日曜日のレース開始2時間ほど前に珍しくモンツァに姿を見せたイタリア大統領セルジョ・マッタレッラに向けた。マッタレッラは、過去に何度も行われたように、レース開始15分前の国歌斉唱の後に曲芸飛行隊フレッチェ・トリコローリがパフォーマンスをすべきだと主張した人々のうちのひとりだったようだ。ACIのミラノ支部はベッテルが「礼を欠いている」と非難し、「不毛な論争をけしかけている」としたうえで、「マッタレッラ大統領と全イタリア国民に謝罪する」ことを促した。

虫垂炎の手術を受けたアルボン、麻酔の併発症で呼吸不全に。一時は集中治療室に運ばれるも13日には退院予定

 ウイリアムズ・レーシングの発表によると、アレクサンダー・アルボンは9月10日に虫垂炎の緊急手術を受けた影響で、呼吸不全を起こし集中治療室で1日を過ごす羽目となった。

 アルボンは10日の朝に痛みを感じ、急遽診察を受けたところ虫垂炎の診断が下った。そのためイタリアGPの欠場を余儀なくされ、モンツァにあるサンジェラルド病院の処置室に運び込まれたアルボンは、滞りなく虫垂切除の手術を受けることができた。

メルセデスF1代表、デビュー戦で入賞を果たしたデ・フリースを高く評価「ニキも帽子を脱いで称賛しただろう」

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウォルフは、メルセデスのリザーブドライバーを務めるニック・デ・フリースを大いに称賛した。デ・フリースは第16戦イタリアGPでウイリアムズからF1デビューを飾って入賞を達成したのだ。ウォルフは、友人で同僚だった故ニキ・ラウダがいたら、デ・フリースに対しトレードマークの赤いベースボールキャップを脱いで敬意を示しただろうと考えている。

 デ・フリースはイタリアGPの土曜の朝に指名を受け、虫垂炎にかかったアレクサンダー・アルボンの代役という難しい仕事を任された。デ・フリースが初めてのF1の週末に向けてウォームアップができたのは、金曜日のフリー走行1回目だけで、しかもそれはアストンマーティンでのことだった。