Mスポーツ、複数年契約のブリーンを1年で放出「競争力のあるラインアップ確保に目を向ける」

 Mスポーツ・フォードWRTは11月17日、同チームのフルタイムドライバーとして2022年シーズンのWRC世界ラリー選手権を戦ったクレイグ・ブリーンとの契約を1年早く終了させ、双方の友好的な決定のうえで2023年は異なる道を進むことを確認した。

 ブリーンは昨年、ヒョンデからMスポーツ・フォードへ電撃移籍。イギリスの名門チームと複数年契約を結んだ。チームのエースドライバーとして迎えられた彼は、開幕戦モンテカルロで3位表彰台を獲得し、イタリアでは自己ベストリザルトとあんる2位となりふたたび表彰台に登った。

【いざ、ラリージャパン2022】注目の参戦マシン紹介/Vol.1『フォード・プーマ・ラリー1』

 いよいよ日本に帰ってくる、ラリージャパン。WRC世界ラリー選手権『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』が、11月10~13日にシーズン最終戦として愛知県と岐阜県を舞台に開催される。北海道での開催以来、実に12年ぶりのカムバックとなる日本での世界選手権を楽しみ尽くすべく、ここではエントリーリストに名を連ねる有力参戦ドライバーや、今季より導入の最高峰“ラリー1”クラスの最新ハイブリッド車両の成り立ちや個性を紹介する。その新規定車両解説初回は、時代の変わり目で歴代モデルを”ウイニングカー”に仕立ててきた名門Mスポーツが手掛ける【フォード・プーマ・ラリー1】にスポットを当てる。

 トヨタ、スバル、ミツビシと、WRCに参戦した日本のマニュファクチャラーも各マシンを製作するなど一時代を築いたWRカー規定は、1997年に導入されて以降、幾度かの改変を経て2017年に最後の大幅変更を実施。2021年にその役目を終えるまで、実に25シーズンにわたって採用されてきた。

WRC引退のネイグルに感謝するブリーン「彼は僕にとって、兄弟のような存在だった」

 Mスポーツ・フォードWRTのレギュラードライバーであるクレイグ・ブリーンは、先のラリー・スペインをもってWRC世界ラリー選手権のコドライバーを引退したポール・ネイグルとの10年にわたる思い出に感謝している。

 ネイグルは、10月21~23日に開催された今季第12戦スペインの閉幕と同時に、WRCでのキャリアにピリオドを打った。このアイルランド人はラリー・スペインで102回目の出走をマーク。日曜朝のパンクでタイムを失った後、ブリーンとともにフォード・プーマ・ラリー1で総合9位フィニッシュを果たした。

ブリーン、ラリージャパンは新コドライバーのフルトンと参戦へ。ネイグルはWRCスペインで引退

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているMスポーツ・フォードWRTは10月11日、次戦スペインをもって引退するポール・ネイグルに代わり、ドイツ人のジェームス・フルトンがクレイグ・ブリーンの新たなコドライバーに指名されたことを明らかにした。新しいペアは最終戦ラリージャパンで初陣を戦うことになる。

 この新しいコンビの結成は、ネイグルが今シーズン途中でのコドライバー引退を発表したことを受けてのもの。44歳の彼は、10月20~23日に開催されるWRC第12戦ラリー・スペインを最後にキャリアにピリオドを打つ。

【動画】ラリーカーの迫力に圧倒されるノリス。真横を駆け抜けるマシンに「気が狂ってる」

 ランド・ノリス(マクラーレン)は、自らが運営するブランド『Quadrant』のPR撮影の様子を自身のYouTubeチャンネルにアップした。この撮影でラリーカーとの共演を果たしたノリスは、その迫力に思わず圧倒されてしまったようだ。

 多忙なスケジュールのなかイングランド北部のカンブリア州にやってきたノリス。この日の彼の目的は、自身が運営するファッションブランドQuadrantの新商品と、そのPR動画の撮影を行うことだ。

Mスポーツ、アドリアン・フルモーのラリーNZ欠場をアナウンス。復帰はWRC第12戦スペインに

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているMスポーツ・フォードWRTは、9月29日から10月2日にかけてニュージーランドで開催される、2022年シーズン第11戦『ラリー・ニュージーランド(ラリーNZ)』で予定されていたアドリアン・フルモーのエントリーを撤回した。

 オセアニア地域では2018年のラリー・オーストラリア以来4年ぶり、ニュージーランドでは2012年以来、10年ぶりの開催となるラリーNZ。Mスポーツ期待の若手ドライバーであるフルモーは、このグラベル(未舗装路)イベントでフォード・プーマ・ラリー1を走らせる予定だったが、イギリスの名門ラリーチームは9月19日に声明を発表し、彼が同ラウンドに出場しないことを明らかにした。

デビューウイン以来、勝利から遠ざかるMスポーツ。名門ラリーチームが苦戦する理由【WRC Topic】

 WRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー』でティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が今季初優勝。ヒョンデ・シェル・モビスWRTにとってはシーズン4勝目であり、トヨタの5勝に次ぐ勝利数だ。一方、Mスポーツ・フォードWRTは開幕戦モンテカルロでセバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)があげた1勝のみ。アクロポリスではローブがデイ2で首位に立っていたが、マシントラブルによりリタイアとなってしまった。

 出走順のアドバンテージがあったとはいえ、Mスポーツのプーマ・ラリー1に速さはあった。それは、若手のピエール-ルイ・ルーベが一時総合2番手につけていたことからも間違いない。それでも、速さを結果に結びつけられないのは、信頼性が不足しているからである。