論争の当事者であり“プレーオフ脱落組”の王者カイル・ラーソンがマイアミ完全制覇/NASCAR第34戦

 2022年NASCARカップシリーズ第34戦『ディキシー・ウォッカ400』が、10月22~23日にマイアミ・スピードウェイで開催され、前戦“場外乱闘”の当事者として不名誉な注目を浴びた現王者カイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が快走を披露し、267ラップ中199周をリードする展開に。

 全ステージ勝利の週末完全制覇を達成したラーソンにとって、今季3勝目とホームステッドでの初優勝を獲得したのに加え、プレーオフ“ラウンド・オブ8”の2戦目となった週末に、前ステージ敗退のチャンピオンが記録したこの勝利は、ここまで8戦が開催されたプレーオフにおける“非選出”ドライバーによる5勝目ともなっている。

終盤のギャンブルを当てたトヨタのベルが、大逆転のラウンド・オブ8進出決定/NASCAR第32戦

 2022年NASCARカップシリーズのプレーオフも、いよいよ”ラウンド・オブ12”の最終戦に到達。第32戦として10月8~9日開催された今季最後のロードコース戦『バンク・オブ・アメリカ・ローバル400』は、ドラマ満載の展開となった終盤に、タイヤギャンブルを成功させたクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が勝利を飾り、滑り込み大逆転での“ラウンド・オブ8”進出が確定。その一方、ディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、わずか2ポイント差でタイトル防衛を逃す結果に終わった。

 今季より導入された新規定車両“Next-Gen”で初のシーズンを戦ってきた一行だが、このプレーオフに入ってからもワンメイクタイヤのバーストによるアクシデントの影響が色濃く残り、第30戦テキサスでタイヤ不具合による“ハードヒット”を強いられたアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、引き続き脳震盪症状に対処するため2戦連続でドクターストップが掛かり、これでプレーオフ・ドライバーの権利を消失。同じく足首の骨折と診断されながら、前戦タラデガに強行出場したコディ・ウェア(リック・ウェア・レーシング/フォード・マスタング)も、今回は療養を余儀なくされた。

ついに“プレーオフ”ドライバーが制圧。チェイス・エリオットが今季最多5勝目/NASCAR第31戦

 10月1~2日の週末に、アメリカはアラバマ州タラデガ・スーパースピードウェイで開催された2022年NASCARカップシリーズ第31戦、プレーオフ“ラウンド・オブ12”の2戦目ともなる『イェラウッド500』は、ラストラップ・バトルでライアン・ブレイニー(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)を退けたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、今季最多となるシーズン5勝目を獲得。

 プレーオフ突入からここまでの4戦すべてで“非進出ドライバー”が勝利を挙げる前例のない展開を打ち破ったエリオットは、自身にとっても前戦のクラッシュで失ったポイントリーダーの座をわずか1戦で取り返す、起死回生のトップチェッカーとなった。

プレーオフ“脱落組”のタイラー・レディックが波乱に満ちた長い1日を制し3勝目/NASCAR第30戦

 プレーオフもいよいよ第二段階、16名から12名に絞られた“ラウンド・オブ12”初戦となった2022年NASCARカップシリーズ第30戦『オートトレーダー・エコパーク・オートモーティブ500』は、今季頻発するワンメイクタイヤ“バースト”による長いドラマとなった1日を乗り切り、タイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が今季3勝目を獲得。前戦のマルチクラッシュにより、僚友のオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)とともにプレーオフ進出権を逃していたレディックが、この日最多の77周をリードしてカップ戦オーバルでの初勝利を収めている。