レイトストップでラスト3周の逆転劇。ロガーノが“チャンピオンシップ4”進出確定/NASCAR第33戦

 いよいよプレーオフも大詰め、ここから8名による勝負が始まる“ラウンド・オブ8”初戦となった2022年NASCARカップシリーズ第33戦『ソウス・ポイント400』が、10月15~16日にラスベガス・モータースピードウェイで開催された。

 そのレース終盤、最後の16周を残すリスタートでフレッシュタイヤに履き替えたジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が、残り3周の“ウイニング・パス”でロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)を逆転し、今季4勝目を獲得。この段階で、早くも最終ステージ“チャンピオンシップ4”への進出を確定させた。

休養中のカート・ブッシュが現役引退を決意。タイラー・レディックが早期合流へ/NASCAR

 2004年のシリーズチャンピオンであり、今季中盤のクラッシュによる脳震盪の影響から、後半戦の欠場が続いていたNASCARカップシリーズを代表するスター選手、カート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)が、自らの決断により2023年のフルタイム参戦を回避するとアナウンスし、事実上の引退を表明。

 ドクターストップによる無念の離脱を受け、所属する23XIレーシングと“2024年”からの移籍契約を結んでいたタイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)を、双方合意のもと1年前倒しで起用する運びとなった。

終盤のギャンブルを当てたトヨタのベルが、大逆転のラウンド・オブ8進出決定/NASCAR第32戦

 2022年NASCARカップシリーズのプレーオフも、いよいよ”ラウンド・オブ12”の最終戦に到達。第32戦として10月8~9日開催された今季最後のロードコース戦『バンク・オブ・アメリカ・ローバル400』は、ドラマ満載の展開となった終盤に、タイヤギャンブルを成功させたクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が勝利を飾り、滑り込み大逆転での“ラウンド・オブ8”進出が確定。その一方、ディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、わずか2ポイント差でタイトル防衛を逃す結果に終わった。

 今季より導入された新規定車両“Next-Gen”で初のシーズンを戦ってきた一行だが、このプレーオフに入ってからもワンメイクタイヤのバーストによるアクシデントの影響が色濃く残り、第30戦テキサスでタイヤ不具合による“ハードヒット”を強いられたアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、引き続き脳震盪症状に対処するため2戦連続でドクターストップが掛かり、これでプレーオフ・ドライバーの権利を消失。同じく足首の骨折と診断されながら、前戦タラデガに強行出場したコディ・ウェア(リック・ウェア・レーシング/フォード・マスタング)も、今回は療養を余儀なくされた。

プレーオフ“脱落組”のタイラー・レディックが波乱に満ちた長い1日を制し3勝目/NASCAR第30戦

 プレーオフもいよいよ第二段階、16名から12名に絞られた“ラウンド・オブ12”初戦となった2022年NASCARカップシリーズ第30戦『オートトレーダー・エコパーク・オートモーティブ500』は、今季頻発するワンメイクタイヤ“バースト”による長いドラマとなった1日を乗り切り、タイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が今季3勝目を獲得。前戦のマルチクラッシュにより、僚友のオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)とともにプレーオフ進出権を逃していたレディックが、この日最多の77周をリードしてカップ戦オーバルでの初勝利を収めている。

ラウンド・オブ12進出を賭けた緊迫のプレーオフは、伏兵ブッシャーが今季19人目の勝者に/NASCAR

 2022年NASCARカップシリーズのプレーオフ3戦目、16名から12名に絞られる“ラウンド・オブ・16”最終ラウンドとなった第29戦『バスプロショップス・ナイトレース』は、最後の50周で執拗な追い上げを見せたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を振り切り、伏兵クリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)が待望のシーズン初優勝をマーク。今季19人目のカップウイナーとなっただけでなく、チームにとっては2017年7月にリッキー・ステンハウスJr.がトップチェッカーを受けて以来、そしてブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)をオーナードライバーに迎え入れたRFKにとっても初の勝利に。

 これで今季のプレーオフは、エリック・ジョーンズ(ペティ・GMSモータースポーツ/シボレー・カマロ)、ダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)、そしてブッシャーと“非進出”ドライバーが3戦連続の勝利を飾る異例の展開となっている。

カイル・ブッシュがトヨタ陣営を電撃離脱、2023年はRCRのシボレーをドライブへ/NASCAR

 現地9月13日の火曜午前に、NASCARカップシリーズで2度のタイトルを獲得するカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が、在籍15年間でカップ通算56勝をともにしたトヨタ陣営を電撃離脱し、2023年から3台体制へと拡充するリチャード・チルドレス・レーシングへ移籍することを発表。2005~2007年以来のシボレー陣営加入となるカイルは、現在のタイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)がドライブする8号車のチームを引き継ぎ、クルーチーフのランドル・バーネットと協力することがアナウンスされた。

 9月9~11日にカンザスで争われたプレーオフ第2ラウンド、第28戦『ハリウッド・カジノ400』と前後して、カイル移籍の噂はパドックの“ホット・トピック”となっていた。

トヨタ・カムリのウォレスが“ノーコーション”の最終ステージを制しキャリア2勝目/NASCAR第28戦

 9月9~11日にカンザスの1.5マイル“トライ・オーバル”で争われた2022年NASCARカップシリーズのプレーオフ第2ラウンド、第28戦『ハリウッド・カジノ400』は、怪我の療養でプレーオフ進出を断念したカート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)のカーナンバー“45”を引き継いだ、ダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)が、デニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)やクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)らを引き連れて、カップシリーズ通算2勝目を記録することに。