【動画】夜明け前の峠道でタイム差わずか0.3秒。ヒョンデドライバーによる好バトル/WRCスペイン

 ラリー・スペイン3日目の朝、まだ夜が開けていない暗闇のなかで行われたSS16で、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのダニ・ソルドとティエリー・ヌービル(ともにヒョンデi20 Nラリー1)がステージベストと2番手タイムを記録。当該ステージのオンボードビデオが、2台の比較映像としてWRC公式YouTubeチャンネルで公開されている。

 WRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』が開催されたのは10月21~23日。この時期のヨーロッパは陽が短く、最終日のSS16は朝7時過ぎに開始されたが、辺りは暗闇に包まれていた。しかし、ラリーにおいては珍しいことではない。夜間走行でも視界を確保する“ライトポッド”と呼ばれる補助ライトを装着し、選手たちは真っ暗なステージを駆け抜けていくのだ。

【動画】2022WRC第12戦スペイン ダイジェスト

 10月21日から23日にかけて、スペイン北東部のリゾート地サロウを中心にWRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』が開催され、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が2022年シーズン初優勝を飾った。同イベントのダイジェスト動画が、シリーズのYouTube公式チャンネルをはじめ、ヒョンデ、トヨタの各オフィシャルチャンネルで公開されている。

 ドライバー/コドライバー選手権のチャンピオンが前戦ニュージーランドで決定したため、ラリー・スペインはマニュファクチャラーズタイトルの行方が注目される一戦となった。

オット・タナク、今季限りでのヒョンデ離脱を発表。2023年の契約残るも早期解消

 10月23日、ヒョンデ・モータースポーツは、オット・タナクが「一身上の都合により」2022年シーズン限りで同陣営を離脱することを明らかにした。

 2019年のWRC世界ラリー選手権シリーズチャンピオンであるタナクは、週末に行われた第12戦ラリー・スペインを総合4位でフィニッシュした数時間後、韓国メーカーと袂を分かつ旨を発表。これに続き、所属チームであるヒョンデ・シェル・モビスWRTも声明を発表し、彼が今季限りでチームを離れることを確認した。

Wタイトルを狙うトヨタの新王者ロバンペラ「スペインで達成できたら最高」/2022WRC第12戦 事前コメント

10月21日から23日にかけて、スペイン北東部のリゾート地サロウを中心に、2022年シーズンのWRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』が開催される。2年続けてピュア・ターマック(舗装路)ラリーとして行われる同イベントは、フラットでグリップレベルの高いステージでハイスピードコーナーが連続することから、ドライバーに人気のあるラリーだ。そんな今戦に向けてトヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードの各陣営からドライバーコメントが発表されている。

■Mスポーツ・フォードWRT

ヒョンデ副代表、WRCメーカータイトル奪還は厳しい状況になるも「我々はまだ諦めていない」

 ヒョンデ・モータースポーツの副チーム代表を務めるジュリアン・モンセは、ニュージーランドで開催されたWRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・ニュージーランド(ラリーNZ)でペース不足となったヒョンデi20 Nラリー1について、問題の解決策を探るようチームに呼びかけた。また、同氏は2022年シーズンのマニュファクチャラータイトル獲得がきわめて困難な状況となった現在も、「まだ諦めたわけではない」と奮起を促している。

 ヒョンデ・シェル・モビスWRTは、第8戦フィンランドから3連勝し、好調の波に乗ってニュージーランド最大の都市オークランドで9月29日から10月2日にかけて開催されたラリーNZに挑んだ。しかし、同ラウンドではトヨタ勢に対して苦戦を強いられ、ライバルにワン・ツー・フィニッシュを許す結果に。期待された4連勝は果たせなかった。

【動画】2022WRC第11戦ニュージーランド ダイジェスト

 9月29日から10月2日にかけて、ニュージーランド最大の都市オークランドを中心にWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が今季6勝目を飾った。これと同時に、22歳のロバンペラが史上最年少でのドライバーズタイトル獲得を確定させた同イベントのダイジェスト動画が、シリーズのYouTube公式チャンネルをはじめ、ヒョンデ、トヨタの各オフィシャルチャンネルで公開されている。

 2022年シーズン最後のグラベル(未舗装路)イベントとなったラリー・ニュージーランドは、WRCイベントとしては10年ぶりの開催となった。同イベントが行われた週末は断続的に雨が降り、コンディションは難しいものとなった。各所でアクシデントが発生するなか、今季幾度も難コンディションで強さを発揮してきたロバンペラは、ここでも持ち前のスピードを披露。デイ3に総合首位に立つと最終パワーステージも制して“フルポイントマーク”でラリーNZを制圧。今季6勝目を挙げるとともに自身初のドライバー選手権タイトルを獲得した。

ヒョンデ、オリバー・ソルベルグと2023年の契約を結ばず。経験豊富なクルーを起用する意向/WRC

 10月6日、WRC世界ラリー選手権に参戦しているヒョンデ・モータースポーツ(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)は、同チームとオリバー・ソルベルグとの間で来季の契約を結ばないことを確認した。これにより21歳のソルベルグは、ヒョンデの2023年ラインアップから外れることとなった。

 ヒョンデの育成プログラム出身ドライバーであるソルベルグは今シーズン、チームメイトのダニ・ソルドと3台目の『ヒョンデi20 Nラリー1』をシェアするかたちでシリーズのトップカテゴリーに参戦。8月に行われた第9戦イープル・ラリー・ベルギーではキャリアベストとなる総合4位フィニッシュを果たした。

首位タナクとヌービル、ヒョンデの2台にペナルティ。トヨタのエバンスがトップ浮上/WRC第11戦

 9月30日、同日に開催されたWRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・ニュージーランドのデイ2を総合首位で終えたオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)と、チームメイトのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)にタイムペナルティが科せられた。これにより土曜日のデイ3を前に、ラリーリーダーがTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)に替わっている。

 ヒョンデ・シェル・モビスWRTの“ダブルエース”は、ともに同じ違反行為によって5秒加算ペナルティを受けた。30日(金)夜遅くに行われたスチュワードの公聴会で、両者のマシンが前日29日(木)に実施されたSS1において、ハイブリッドブーストの使用時に放出されたエネルギーが当該ステージで許容される最大値240kJをわずかに超えていたことが確認された。

オジエ「ニュージーランドは今年出場したかったラリーのひとつ」/2022WRC第11戦 事前コメント

 9月29日から10月2日にかけて、ニュージーランド北島のオークランドを中心に、2022年WRC世界ラリー選手権第11戦『レプコ・ラリー・ニュージーランド』が開催される。2012年以来、10年ぶりにWRCカレンダーに復帰した同イベントの開幕を前に、最高峰カテゴリーを戦うトヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードの各陣営からドライバーたちの事前コメントが届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

ミリタリールックのプーマ見参。雨がロバンペラの味方に? ラリーNZ直前現地情報【WRC Topic】

 WRC世界ラリー選手権として10年ぶりに開催される、ラリー・ニュージーランド最大の見どころは、トヨタのカッレ・ロバンペラが初のドライバーズタイトルを獲得できるかどうか。ポイントとなるのは、不利な出走順トップで走行する金曜日のステージで、どれだけ遅れを少なく留めることができるかどうかだ。そこで、実際に金曜日のステージを走り、どのような展開になりそうか予想することにした。

 金曜日は、サービスパークが置かれるオークランドの南側エリアが舞台。とはいってもオークランドから金曜日最初のステージまでは約170kmも離れていて、片道2時間半以上のロングドライブ。ステージに到着するまでにかなり疲れてしまったが、いざステージを走行するとその素晴らしい景色に圧倒された。