激闘終えたGTワールドチャレンジ・アジア。“全15種”におよぶ2022年クラスタイトル獲得者一覧

 9月25日に岡山国際サーキットで行われた第10戦をもってシーズン終了となった2022年のファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイAWS。マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットを皮切りに、鈴鹿サーキット、富士スピードウェイ、スポーツランドSUGO、そして岡山と日本の4サーキットを転戦し、各週末60分の決勝レースを2回開催、トータル10レースで選手権が争われた。

 最終レースまで続いたタイトル争いの結果、GT3カテゴリーのオーバーオール(総合)ドライバー選手権は、カーガイ・レーシングの木村武史&ケイ・コッツォリーノが獲得。アジアチャンピオンに輝くこととなった。

 カテゴリー(GT3、GT4)ごとに、ドライバー構成によるクラス分けが行われていること、そして“選手権のなかの選手権”という位置付けで、日本開催の4ラウンドにおいてJAFライセンスを持つドライバーが争う『ジャパンカップ』のタイトルが設けられたことから、GTWCアジアのランキングはじつに15種も存在する。ここでは各カテゴリー・クラスにおける、2022シーズンのタイトル獲得者を整理してお伝えしよう(一覧は記事末尾)。

ファーフス、BMWの開発状況に自信。新型LMDhは「正しい道を進んでいる」/IMSA

 BMW MチームRLLのフルタイムドライバーとして、来季のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスで新型LMDhマシンをドライブするアウグスト・ファーフスとニック・イェロリーは、BMW MハイブリッドV8がこれまでのテストにおいて有望な進歩を遂げ、箱から出してすぐにでも競争力を発揮することができると考えている。

 ファーフスとイェロリーは先週、同じくBMWワークスドライバーであるコナー・デ・フィリッピ、フィリップ・エングとともにBMW MチームRLLでIMSA GTPの最初のフルシーズンを戦うドライバーとなることがアナウンスされた。

部屋に転がり込んできたザク・ブラウンとの“運命”。苦労した30年前の御殿場生活【WEC富士でズバッと直撃/リチャード・ディーン】

 WEC世界耐久選手権に参戦中の気になるドライバーたちを取り上げてきたこのコーナー。第6回目にして最終回となる今回は、番外編としてユナイテッド・オートスポーツの共同オーナーであるリチャード・ディーンを紹介したい。

 現在マクラーレン・レーシングCEOともなっているザク・ブラウンとともにチームを運営しているディーンはイギリス出身の元レーシングドライバーで、1993年にはチーム・ルマン、1994年には東名スポーツ・オペルから全日本F3に参戦。1994年には、チーム5ZIGENから全日本F3000、1995年にはジャラーナBPダンロップBMWでJTCCの最終大会にもスポット参戦している、日本に馴染みのある人物だ。

 日本のレースに出場している時には、他の外国人ドライバーと同様、御殿場在住だったディーン。約30年が経過し、ディーン自身も56歳で迎えた今回の富士戦で、当時の様子について聞いてみた。

■トム・クリステンセンとの共通項

“GT3あるある”を回避せよ。初表彰台を得たマクラーレン澤圭太が語る戦いのキモとGTWCアジアへの提言

 9月24日に岡山国際サーキットで開催されたファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイAWS第9戦。メインカテゴリーとも言えるGT3プロ/アマクラスの表彰台には、タイトルを争うカーガイ・レーシング、トリプルエイトJMRとともに、ABSSAモータースポーツの小泉洋史と澤圭太が立った。マクラーレン720S GT3でジャパンカップにエントリーするABSSAにとっては、今季最終ラウンドで念願の初表彰台を手にした形だ。

接触相手との再戦を“WEC富士で盗んだワザ”で制した木村武史。カーガイ、望外のアジア王座に歓喜/GTWC岡山

 9月24〜25日に岡山県の岡山国際サーキットで第9・10戦が行われたファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイAWS。最終ラウンドとなる岡山戦の土曜日、第9戦でジャパンカップのタイトルを決めたカーガイ・レーシングの木村武史は「日曜日もクリーンなバトルで終わりたい」と話していた。

 残るGT3オーバーオール、つまりGTWCアジアにおける最高峰タイトルを争う相手は、トリプルエイトJMR99号車メルセデスAMG GT3のH.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム/ニック・フォスター組。木村も、コンビを組むケイ・コッツォリーノも、土曜日のレース後には「ジャパンカップだけで充分。アジアタイトルも獲れたら、それはでき過ぎ」とは話していたが、3ポイント差に迫る99号車と接戦の最終決戦が繰り広げられる予感は、ひしひしと漂っていた。

 だが、迎えた第10戦で待っていたのは「クリーンなレース」という言葉とは正反対の波乱だった。

星野/藤井組アストンが今季2勝目。カーガイは1周目に接触もアジア王者に輝く/GTWCアジア第10戦岡山

 9月25日(日)、岡山県の岡山国際サーキットでファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイAWS第5ラウンドのレース2となる第10戦の決勝が行われ、ポールポジションからスタートした星野敏/藤井誠暢組Dステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3が終始レースをリードし、シーズン2勝目を飾った。

 オープニングラップの接触によりポイント圏外へと脱落した木村武史/ケイ・コッツォリーノ組カーガイ・レーシング777号車フェラーリは、アクシデント後も走行を続けて完走。ライバルの前でフィニッシュし、GT3カテゴリーのオーバーオール・タイトルを獲得している。

GTWCアジアは「スーパーGTより疲れる」と藤波清斗。タイトル決めたカーガイ木村武史は「でき過ぎです」

 岡山国際サーキットで9月24日に行われたGTワールドチャレンジ・アジア第9戦は、ヨギボー・レーシング27号車フェラーリ488 GT3(横溝直輝/藤波清斗)が今季2勝目を飾った。結果を見ればポール・トゥ・ウインだが、決して“楽勝”ではなかったという。

 金曜日の走行ではなかなかペースをつかむことができず、リズムに乗り切れずにいたというヨギボー陣営。「昨日はどうしようかと思ったけど、チームがセットアップを変えてくれて、予選で前に行けたのが大きかった」と横溝は振り返る。

ヨギボー・レーシングのフェラーリがポール・トゥ・ウインを飾る/GTWCアジア第9戦岡山

 9月24日(土)、岡山県の岡山国際サーキットでファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイAWS第5ラウンドのレース1となる第9戦の決勝が行われ、横溝直輝/藤波清斗組ヨギボー・レーシングの27号車フェラーリ488 GT3が第7戦以来となる今季2勝目を飾った。

小林可夢偉、ブレンドン・ハートレーも出場。“DPiラストレース”のプチ・ル・マンに48台が参戦へ/IMSA

 北米でスポーツカーレースを統括するIMSAは9月21日、10月1日にジョージア州のミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタで開催するウェザーテック・スポーツカー選手権最終戦のエントリーリストを発表した。5クラス計48台の車両が名を連ねている。

 IMSAの今季最終戦となるプチ・ル・マンは、同時に最高峰カテゴリーDPiのラストレースともなる。来季からはACOフランス西部自動車クラブ/FIAとのコラボレーションに基づく『LMDh』車両によるトップカテゴリー、『GTP』へと生まれ変わるからだ。

TikTokアーティストとGMの重鎮が異色コラボ。ド派手なコルベットに込められた“想い”/GTWCアジア

 岡山県の岡山国際サーキットで行われているファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSの第5ラウンド(9月24・25日決勝)には、既報のとおり2車種の初登場マシンが参戦している。

 そのうちの1台、ビンゴ・レーシングが投入している44号車コルベットC7 GT3-R(BANKCY/武井真司)は、2019年に開催されたスーパーGT×DTM特別交流戦での『auto sport web Sprint Cup』以来の登場となるC7 GT3-Rということ、またその“目立ち度抜群”のカラーリングで、すでに多くの注目を集めている。

 久々にこの車両を投入した経緯、そして特徴的なカラーリングにはどんな意図が込められているのだろうか。金曜日のパドックでチームを率いるジェントルマンドライバーの武井に実情を聞くと、想像以上に『大きなプロジェクト』であることが浮かび上がってきた。