ロバンペラ親子の抱擁、8冠オジエから新王者へのプレゼント。厳選写真で振り返るラリーNZ:後編【WRC Topic】

 WRC世界ラリー選手権のイベントとして10年ぶりに開催された『ラリー・ニュージーランド』で、シリーズの歴史に新しい1ページが加わった。何を隠そう弱冠22歳のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、史上最年少でワールドチャンピオンに輝いたのだ。これまでの最年少レコードは故コリン・マクレーの27歳109日であったことから、トヨタの新王者はその記録を大幅に更新したことになる。

 今回のWRC Topicでは、この歴史的瞬間が生まれた週末のラリーを現地で取材していた、モータースポーツジャーナリスト/フォトグラファーの古賀敬介さん厳選の写真を半フォトギャラリー・半ブログ形式で紹介します。前編から少し間が開きましたが、お待ちかねの後編をどうぞ。
※一部ショッキングな写真が含まれています。苦手な方はご注意ください。

ヒョンデ副代表、WRCメーカータイトル奪還は厳しい状況になるも「我々はまだ諦めていない」

 ヒョンデ・モータースポーツの副チーム代表を務めるジュリアン・モンセは、ニュージーランドで開催されたWRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・ニュージーランド(ラリーNZ)でペース不足となったヒョンデi20 Nラリー1について、問題の解決策を探るようチームに呼びかけた。また、同氏は2022年シーズンのマニュファクチャラータイトル獲得がきわめて困難な状況となった現在も、「まだ諦めたわけではない」と奮起を促している。

 ヒョンデ・シェル・モビスWRTは、第8戦フィンランドから3連勝し、好調の波に乗ってニュージーランド最大の都市オークランドで9月29日から10月2日にかけて開催されたラリーNZに挑んだ。しかし、同ラウンドではトヨタ勢に対して苦戦を強いられ、ライバルにワン・ツー・フィニッシュを許す結果に。期待された4連勝は果たせなかった。

【動画】10年ぶりの母国ラリー優勝をかけて戦った、ふたりのニュージーランド人WRC2ドライバー対決

 2012年以来、ニュージーランドで10年ぶりに開催されたWRC世界ラリー選手権『ラリー・ニュージーランド』のWRC2クラスでは、地元出身のヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)が優勝。このイベントでWRCデビューを飾ったシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(シュコダ・ファビアR5)がクラス3位となり、ふたりのニュージーランド人ドライバーが表彰台に立った。この両名が僅差の戦いの繰り広げた、SS16のオンボード映像がシリーズ公式YouTubeチャンネルで公開されている。

 ラリー初日からクラス首位に立ったパッドン。ヒョンデの元ワークスドライバーである彼は序盤の3ステーレジ連続ベストを皮切りに、その後もクラス2位以上のタイムを並べ、一度もクラスリーダーの座を譲ることなく地元ラリーNZで“完全優勝”を飾った。

地元NZで10年ぶり開催。世界戦デビューのRSC王者SVGが、WRC2でいきなりの3位表彰台を獲得

 2012年以来、10年ぶりのニュージーランド開催となったWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』に向け、オーストラリアを代表するツーリングカー・シリーズ、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップで2度のタイトル獲得を経験する“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが、旧型モデルのシュコダ・ファビアR5でWRC2クラスに参戦。畑の違うラリーの世界選手権デビューで、いきなりの3位表彰台を獲得する快走を披露した。

 RSCの強豪トリプルエイト・レースエンジニアリングのエースとして活躍し、レッドブル・アンポル・レーシングの97号車ホールデン・コモドアZBで今季もディフェンディングチャンピオンとしてシリーズを牽引するSVGは、2020年の新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延で世界各国で巻き起こった『eスポーツ勃興期』には、世界中のバーチャルカテゴリーで躍動。

【動画】2022WRC第11戦ニュージーランド ダイジェスト

 9月29日から10月2日にかけて、ニュージーランド最大の都市オークランドを中心にWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が今季6勝目を飾った。これと同時に、22歳のロバンペラが史上最年少でのドライバーズタイトル獲得を確定させた同イベントのダイジェスト動画が、シリーズのYouTube公式チャンネルをはじめ、ヒョンデ、トヨタの各オフィシャルチャンネルで公開されている。

 2022年シーズン最後のグラベル(未舗装路)イベントとなったラリー・ニュージーランドは、WRCイベントとしては10年ぶりの開催となった。同イベントが行われた週末は断続的に雨が降り、コンディションは難しいものとなった。各所でアクシデントが発生するなか、今季幾度も難コンディションで強さを発揮してきたロバンペラは、ここでも持ち前のスピードを披露。デイ3に総合首位に立つと最終パワーステージも制して“フルポイントマーク”でラリーNZを制圧。今季6勝目を挙げるとともに自身初のドライバー選手権タイトルを獲得した。

WRC新王者は日本車も収集する“クルマ大好き少年”。勝田貴元が語るロバンペラの強さと素顔

 ニュージーランドの北島、オークランドを中心に開催されたWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』は歴史的なイベントとなった。10年ぶりの復活開催という意味でもそれは当てはまるが、一番の要因はWRC史上最年少チャンピオンが誕生した点だ。

 このグラベル(未舗装路)イベントで優勝し、22歳1日という若さで今季のドライバーズチャンピオンを確定させたトヨタのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)について、彼のチームメイトでありプライベートでも仲の良い勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)に、ラリー後のオンライン取材会で話を聞いた。

ラトバラも誕生日を祝福、大破のGRヤリスにオジエ唖然。厳選写真で振り返るラリーNZ:前編【WRC Topic】

2012年以来、10年ぶりにWRCイベントとして開催された『ラリー・ニュージーランド』では、WRC世界ラリー選手権の歴史に新しい1ページが加わった。何を隠そう弱冠22歳のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、史上最年少でワールドチャンピオンに輝いたのだ。これまでの最年少レコードは故コリン・マクレーの27歳109日であったことから、トヨタの新王者はその記録を大幅に更新したことになる。今回のWRC Topicでは、この歴史的瞬間が生まれた週末のラリーを現地で取材していた、モータースポーツジャーナリスト/フォトグラファーの古賀敬介さん厳選の写真を半フォトギャラリー・半ブログ形式で紹介する。まずは前編からどうぞ。

勝田貴元、WRCニュージーランドで今季初のリタイア「プッシュ中、直前のコーナーを攻めすぎた」

 9月29日から10月2日にかけて、WRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド(ラリーNZ)』が開催された。2022年シーズン最後のグラベル(未舗装路)ラリーとなった同イベントにTOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから参戦した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、デイ3午後のステージでコースオフ。マシンを壊してしまい今季初めてリタイアを喫した。

 2012年以来、10年ぶりにWRCイベントとして開催されたラリー・ニュージーランドは、勝田を含む多くの選手たちにとって初めて出場するイベントだった。経験がものをいうラリーという競技においては通常、初めて挑むイベントは難しいものとなるが、この週末に断続的に降り続いた雨はコンディションをより難しいものとした。

トヨタ、4年連続でチャンピオン輩出。6勝目飾った22歳ロバンペラが初戴冠/WRCニュージーランド

 10月2日、WRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』の最終日デイ4がオークランドのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が今季6度目の優勝を飾った。前日に22歳になったばかりのロバンペラは、WRC史上最年少記録でドライバーズタイトルを獲得。また、総合2位にはセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が入り、TGR WRTはワン・ツー・フィニッシュを達成している。

 2012年以来、10年ぶりの開催となったラリー・ニュージーランドの最終日は、サービスパークの南東エリアで2本のステージを各2回走行するかたちで争われた。SS14~17の合計距離は31.18km、このデイ4も断続的に弱い雨が降り路面は全体的に湿った状態でのラリーとなった。

豊田章男社長、初戴冠決めたロバンペラに3つの「おめでとう!」久々参戦のオジエにも感謝/WRC第11戦

 トヨタ自動車の豊田章男社長が、WRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』で勝利し、2022年のドライバーズタイトル獲得を決めたカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)に対し祝福のメッセージを贈った。

 毎戦、ラリーの終了後にコメントを発表している豊田氏は、WRCに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingのチームオーナーでもある。そんなTGRのラリー部隊であるヤリ-マティ・ラトバラ率いるTGR WRTは、ラリー・ニュージーランドが始まる前の段階で今季5勝をマーク。それらはすべてロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組によって達成されている。