中東初開催イベントはアズコナ&ミケリスの“ヒョンデ・デュオ”が1-2含む週末完全制覇/WTCR第8戦

 8月以来、約4カ月ぶりの再開となった2022年WTCR世界ツーリングカー・カップ第8戦が、11月10~12日に初開催の地である中東のバーレーン・インターナショナル・サーキットで争われ、酷暑のナイトレースでBRCヒョンデN・スクアドラ・コルセのミケル・アズコナと僚友ノルベルト・ミケリスが躍動。レース1では選手権首位のアズコナが予選ポールポジションからミケリスを従え“ライト・トゥ・フラッグ”での1-2フィニッシュを達成し、続くレース2でも2019年王者ミケリスが復活の今季初優勝を飾るなど、ヒョンデ・エラントラN TCRがライバルを圧倒する速さを見せた。

フランコ・ジロラミが予選で初戴冠も強豪チーム間で“情報盗難”告発の泥試合に/TCRヨーロッパ最終戦

 全7戦のシーズンフィナーレとして、10月14~15日にスペイン・バルセロナで開催された2022年TCRヨーロッパ・シリーズ最終戦は、週末にわずか7点を獲得するだけで初チャンピオンが確定する圧倒的優位を築いて乗り込んだフランコ・ジロラミ(コムトゥユーPSSチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が、予選で4番手グリッドを確保し、今季最後の2ヒートを残して早々にシリーズタイトルを確定する展開に。

 その一方、ジロラミの所属するアウディスポーツトップカスタマーのコムトゥユー・レーシングに対し、同じくヒョンデ・モータースポーツの強豪チームとして参戦するターゲット・コンペティションが、日曜に「知的財産の盗難」を告発する非難の声明をリリース。これにチャンピオンチームが「断固否定」の態度で応じるなど、スキャンダル勃発の泥試合と化す後味の悪い状況に陥った。

本格デビュー3戦目の『トヨタ・カローラGRS TCR』がレース1で連勝劇/TCRサウスアメリカ最終戦

 創設2年目を迎えた南半球のリージョン選手権、TCRサウスアメリカ・シリーズの最終戦が10月8~9日にアルゼンチンのサン・フアンで開催され、前戦ブエノスアイレスで実戦わずか2戦目ながらポール・トゥ・ウインでのシリーズ初優勝を飾った新型『トヨタ・カローラGRS TCR』が、引き続き“実力どおりの直球勝負”となるレース1を制覇し、連勝を記録した。

 新型TCRマシン開発を託された18歳の新鋭ホルヘ・バリオは、続くレース2でも肉弾戦を演じてペナルティ裁定を受けつつも3位に喰い込み、この南米発のモデルに高い戦闘力が秘められていることを示した。

シーズン裁定2転3転のTCR規定最終年は、ロバート・ダールグレンが王座防衛に成功/STCC最終戦

 2022年のSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権シーズン最終戦、マントープパークでのタイトル決定戦が9月30~10月1日に争われたが、レースウイーク直前にスウェーデン・モータースポーツ連盟(SBF)の再調査結果が発表され、裁定が二転三転の上、従来のリザルトが復活する展開に。

 結果、選手権首位の王者ロバート・ダールグレン(PWRレーシング/クプラ・レオン・コンペティションTCR)は、週末を戦う前にポイントリードを復元してタイトル防衛に近づくと、レース2の4位入賞によりTCR規定最終年に自身4度目のチャンピオンを獲得するなど、戦う側にとっても見る側にとってもスッキリしないエンディングとなった。

SLRのジョン・フィリピが雨の高速戦で勝利。ネストール・ジロラミも初戴冠に王手/TCRヨーロッパ第6戦

 9月23~25日にイタリア伝統の高速トラック、モンツァで開催された2022年TCRヨーロッパ・シリーズ第6戦は、雨絡みの予選で自身約2年ぶりのポールポジションを獲得したジョン・フィリピ(セバスチャン・ローブ・レーシング/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が、続くレース1でも一時ポジションを奪われながらも逆襲に転じ、難コンディションのなかポール・トゥ・ウインを達成。リバースグリッドのレース2は、選手権リーダーのフランコ・ジロラミ(コムトゥユーPSSチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が制し、最終戦を前にしてタイトルに王手を掛けている。

新型『トヨタ・カローラGRS TCR』がデビュー2戦目でポール・トゥ・ウイン/TCRサウスアメリカ第7戦

 創設2年目のシーズンで数多くの話題を振り撒く南半球のTCRリージョン選手権、TCRサウスアメリカ・シリーズの第7戦が、9月17~18日の週末にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催され、前戦で世界デビューを果たした新型『トヨタ・カローラGRS TCR』が早くもポール・トゥ・ウインでの初優勝を達成。この“南米発”の新型TCRマシン開発を託された18歳のホルヘ・バリオが、2戦目にして歴史を作ることとなった。

開幕戦失格裁定とリザルト改変の波乱を経て、バックマン兄が連勝。ブリンクも勝利/STCC第5戦

 9月10~11日にスカンジナビアン・レースウェイこと、スウェーデンのアンダーストープで争われたSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権第5戦は、会期直前に選手権首位の王者ロバート・ダールグレン(PWRレーシング/クプラ・レオン・コンペティションTCR)に対し、開幕戦優勝の裁定が覆る異例の展開となり、ポイントリードが半減した状態での幕開けに。

 雨絡みでクラッシュも多発した週末は、タイトル候補となったアンドレアス・バックマン(レストラップ・レーシング/アウディRS3 LMS 2)が連勝を決め、一気にランキング2位に急浮上。最終ヒートはトビアス・ブリンク(ブリンク・モータースポーツ/アウディRS3 LMS 2)が勝利を挙げ、アウディ勢が3ヒートを制圧する結果となった。